先週、4、5歳児は「とことん週間」でした。
これは、自分が関心のあることを、5日間、とことん続けるという活動です。
今日の続きが明日に、明日の続きがあさって……と、継続性のあるあそびになっている時期にあること。持続性、追及性が育っているので、それを保障しようとする活動です。
「子どもの心に添う」とは、こんなふうに子どもの思い(発達)を察して保障することでもあるのです。
今回は4つのグループ(場所もそれぞれ)に分かれました。
「ステージ」「あみもの・ぬいもの」「つくりもの」「たんけん」でした。
自分が何をやりたいのか考えて、選びます。選んだ結果は、ほんとにその子らしいものでした。
「ステージ」は自己主張の強い子。「あみものやぬいもの」は細かい手仕事にこつこつ集中派。「つくりもの」は毎日‘畑’という空き地でトントンカンカン大工仕事。好きなことに納得いくまで取り組みたい気持ちの強い子。「たんけん」は外で身体を開放するのが好きな子どもたち。
まあ、おおまかにはこんな感じです。
水曜日、私は探検グループに参加しました。
あいにく、冷たい雨が降ったりやんだり。私はカッパを着て長靴を履いて、装備は完璧。行き先は中央公園というかなり広い凹凸のある場所です。そこにはカモのいる池もあるし、やまんばもいるということです。どんどん先に行く子もいれば、しゃべり続けながら歩いている女子たちも。
女の子の話に耳を澄ますと、
「なんさいで、おかあさんのおっぱいやめた?」
もう、耳がダンボです。こんな話題するんですね。
「わたしは2さい。ほんとは、1さいでやめようとおもったんだけど、できなかったの。だから2さい」
へー、子どもなりに自覚してやめてるんですね。
彼女たちはしゃべりながら、歩き続けます。
しばらく歩くと、池に着きました。
池の縁に這いつくばるように、かんたくんが水面を見ています。
冷たいだろうに、なんだろうと見ると、葉っぱが動いていました。
葉っぱを眺めているのだろうと、近くで待っていましたが、なかなか立ち上がろうとしません。
他の子は、わざわざ細い縁を歩いて先に進んでいきます。
かんたくんは怖いから、先に進めなくなってしまったのだろうか?
もう、葉っぱは止まっています。この先にあるやまんばの家に他の子どもたちは向かっています。
かんたくんはやまんばが怖いからイヤだと言っていたので、先に進めなくなってしまったのだろうか?
いろいろ思いを巡らしながら、側にいました。
やがて、立ち上がった彼の袖の上には、笹舟がのっていました。
「まえ、おいたのがながれてきた」と感動しています。(翌日、お母さんに聞いたら、一週間前にその池に葉っぱを流して遊んだ。それがまだあったのです!)大事に大事に、レインコートの袖から落ちないように歩きます。
やまんばの家がありました。(古い小屋で、物置か焼き物をする場所になっているようです)どうやら留守のようです。でも、いるかいないか、一人ずつ垣根の隙間から入って見てくることになりました。
始めに入っていた子を見て「すごい! 勇気ある!」と私がつぶやくと、群れからちょっと離れたところに立っていたあきとくん。「ぼくだってゆうきはある」とみんなの居る場所にいきました。半分腰が引けながらちょっとのぞいて「いなかった!」とUターンしてきました。活発な子ですから、ここで怖いとは口が裂けても言えなかったのでしょう。
なおしげくんは「ぼくはゆうきがない。ゆうきがでない。でも、でも、いきたいんだ」と地団駄を踏んでいました。
まだまだ、書ききれないほどの面白いことがいっぱいありました。
帰る頃には、子どもたちのレインコートは張り付くように濡れていました。
翌日、木曜日の探検に、またもや同行。江ノ島海岸でした。
この日はいい天気、とはいっても二月です。だ、の、に、海に入っていきます。パンツ一丁、なんと水着を着ていた子までいました。
寒くなると暖かい砂に身体をうめ、温まると、また海へ。
岩場でのあそびにはヒヤヒヤ。みんな砂だらけで帰ってきました。
長くなりすぎてしましたので、今日は終わりにしますね。
子どもたちとの二日間は、すごく楽しかったです。何年か分のエネルギーをもらった気がします。身体と心が活性化した感じです。
そして、思いました。子どもが群れから遅れたり、離れたりするときは心が生々しく動いているとき、大事にしてあげたい時間(とき)なのだと。(2月22日 記)
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