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 7月3日の金曜日、5歳児の日帰り遠足でした。 土砂降りの雨のなか、丹沢の皆瀬川上流、八丁に行きました。

 一日中大雨の予報でしたが、マイクロバスですし、目的地は行き慣れた「ペガススの家」です。小屋の中だけでも十分あそべると判断しました。「遠足に行きたい」子どもたちの気持ちが、こんなかたちになってもいいかもしれません。

 しかし、東名高速は土砂降りの雨ですごい。トラックが水しぶきを上げて走っています。曲がりくねった細い山道を登っていく脇の川は濁流になっていました。 到着しても川に近づかないことを子どもたちに話しました。

 

 子どもたちは、川の存在も雨も気にならないかのように遊び始めました。

 小屋の二階には布団があります。部屋の中に布団を敷き詰め家族ごっこの始まり。ネコになって四つん這いで歩きます。
 一階の寝袋が積んである棚からは寝袋が落とされ、ジャンプ台になりました。必死に棚に登る、飛び降りるの繰り返し。
 五右衛門風呂を楽しみにしていたので早々に火をつけると、薪をどんどんくべてしまいます。

 お風呂を沸かすために燃やしているわけではなく、火を燃やすことに嬉々としているため、お風呂はガンガンに沸いています。

 火で顔が熱くなると、雨水をためているバケツにうちわを入れて、ほほにあてて冷やします。よく考えるものです。
 少し小ぶりになった雨の中を子どもたちがあそびます。水たまりをみつけ、シャベルで深く掘ります。子どもの長靴より深くなり、たぶん靴の中はぼこぼこ。そこへ枝を立てます。真ん中に竹の長い枝、周囲に木を数本。まるでモニュメントのようで、すてきです。
 石を拾って材木ではさみ、叩いている子がいます。なんでも、宝石を作っているとか。

 木片に釘を打ち何か作ってもいます。
 子どもたちがあこがれていた犬の散歩。雨の中でも犬のミネは喜んでつき合ってくれました。
 ずぶれになると五右衛門風呂にはいる、寒くなるとはいるの繰り返し。4回も入った子もいます。

 帰りがてら少し水が澄んできた川を見に行きました。すると! 草の中に小さなヘビと大きなクモをみつけました。今日のおみやげとなりました。
ペガスス 持って行った網もバケツも使わずじまいでした。行く前に楽しみにしていた沢カニや魚とり、川遊びはまったくできなかったのですが、子どもはみごとに一日退屈することなく遊びきりました。
 たっぷりとした時間と空間と自由があると、子どもたちはこんなに生き生きとあそぶのですね。

 普段、いかに限られた時間と空間、おとなのストップがかかっているかを知らされた思いがしました。
 帰るときには、もちろん、布団や寝袋は元通り。
 管理、運営をしてくださっている方が帰るときに、
「みんな、あそびの天才だね。おじさんはここにいるから泊まっていけば」と誘ってくれました。
 子どもちょっと引いた感じで無言。
 実は、2週間すこしあとに、みんなで泊まりに来る予定です。まだ、子どもには内緒なのですけどね。さて、遊びたいから泊まりたいという気持ちになるでしょうか?
 子どもたちにとってお母さんが一緒じゃないお泊まりのハードルはいかに……。(7月5日 記)

 

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