暑い日々が続いています。 さらにこの日から夏休みになった学校も多いらしく、車内は、家族連れの方や友だち旅行で賑やかなこと! 楽しいときって、テンションが上がり、饒舌になるのは子どもも年配も同じですね。 そういえば、かつては小学生の遠足と同じ車両だとあわてて替わろうかと思ったものです。ところが、最近は先生の指導が行き届いていて、車内でまったくおしゃべりをしない子どもたち。お陰様でうるさくなくてありがたいような気もする反面、「遠足はうれしいよね、おしゃべりしたいよね」と気の毒に思ったりもします。
さて、りんごの木の5歳児は7月3日に日帰りで行った丹沢山麓のペガススの家に、今度はお泊まりに行ってきました。今回は電車です。車は便利だけど距離感が湧きません。せめて「とおいね」ぐらいの感じをつかんでほしいので電車です。 川の側にいるだけで、涼しく気持ちがいいです。 けれど、この水量(深さとしては子どもの膝上あたりですが)と流れは、子どもが転んだら立ち上がれずに流されてしまいます。先には堰があり、そこから落ちたらとんでもないことです。あそぶ範囲を伝え、行ってはいけない方にはテープを貼りました。 「いれもの、いれもの」と焦ります。 それを見ていたゆうせいくん。 ゆうせいくんの手には虫かごと網。すかさず「かして!」と網をとってカエルを入れ物に入れたのは私。 さて、小さめの虫かごに押し込まれたカエルを前に、みつけたのはぼくだからぼくのカエルと主張するさとるくん。ぼくの入れ物なんだからぼくのカエルとゆうせいくん。いや、私がつかまえたという私。こういうことって、子どもといると年中あります。こまっちゃいます。私は放棄してしまったのですが、帰りにカエルを持っていたのはゆうせいくん。でも、カエルがちいさいものに変わっていました。あれから、なにがあったのやら……。
しばらく歩くとしゅんちゃんが「もう、かえりたい」と泣きそうな声でいいました。 するとそれまで我慢していたのでしょう。他の子もワンワン泣きだし、帰りたくなった9人は私と一緒に来た道を。手には大泣きの二人、服にはその他の子がぶらさがっています。 怖くなると何もかも怖いものに見えてしまうらしく「だれかいる」 水の流れで色が変わった舗装道路に「これはなんだろう」 「ほたるがいるっていうから、いったのに。こんなこわいことだとはおもわなかった」と、大泣きしながら話しているすみれちゃん。それから、寝につくまで「こわい」は続いてしまいました。 そして、ここからが保育者の辛い時間になります。かわりばんこに起きるのです。 「ママにあいたくなっちゃった」 「おしっこ」 「やっぱり、こなければよかった」 大きな声でなく子、しくしく泣く子、寝言で叫ぶ子、いずれにしてもほってはおけません。朝まで熟睡してくれて、私たちも寝られれば何泊だっていいって気になりますけどね。寝たのか寝ないのかで朝を迎えることになります。まだ6時前というのにみんなを起こして回る子もいたりで、たぶん、子どもも睡眠不足。 子どもは疲れ切った顔をしていました。大好きな我が家でも、話す元気は残っていなかったでしょう。一日ごとに、少しずつペガススの話をすることでしょう。 パソコンもない、電話も繋がらない、自然と子どもに囲まれた日常と全く違う二日間を過ごした私ですが、どこか、元気をもらって帰って気がします。
でも、おとなが心配や不安なことは避ける、万が一の危険を考える、責任を問われる事には手をつけないとなると、極端に経験不足の子どもたちが育っていくのではないでしょうか。 子どもが育つ力をどこまで保障できるのか、難しい時代になりました。(7月22日 記)
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