タイトル

 このところおとなに話すことばかりで、ちっとも子どもたちのあそぶ姿を見ていませんでした。やっとやっと先週木曜日、おとなとのスケジュールがなく、のんびりと子どもたちを眺められました。
 久しぶりの子どもたちは、大きくなっていました。身体の大きさも、話し方も、態度もでかくなっていました。

 1歳親子クラスなんて、驚くべき人間らしくなっていました。おしゃべりをしなかったのにしゃべるし、白玉団子を口に次々ほおばるし、一人前の顔で堂々としています。3歳児のお兄ちゃんが入り込んで、おっちゃんのように白玉団子作りに励んでいます。もちろん、しっかり食べてもいきました。
 4、5歳児の大きい組にも行きました。
 思いがけず、雨が降ってきました。
 4人の女の子が雨の中を外で遊んでいました。自分の着替えが入ったビニール袋やスーパー袋を空に向かって投げます。落ちてくるのをつかむ。これを、何度も何度も繰り返しています。

 大きさやつかみ具合がいいのでしょうね。雨に向かって顔を上げるのもいい気持ちのようです。
 あら、あら、スーパー袋の口が開いて、シャツやらパンツやら靴下やらが、空から舞い落ちてきます。なんか、きれい! きゃーきゃー、喜んでいます。
 次は「よーいドン!」と言って、前方に向かって袋を投げます。そして、走って拾いに行きます。なんか、わんちゃんみたい。いろんなあそびかたを次々考えます。
 子どもの髪はずいぶん濡れてきました。ありがたいことに雨が小やみになってきました。でも、子どもたちったら「えー、あめやんできた。だめだめ! もっとふれー!」と叫んでいます。
 そろそろ帰る時間になり「集まるよー」と、部屋の中からおとなの声がしています。

「もう、集まるんだって」と私が近づくと逃げます。なんてことでしょう!
 私、追いかけます! 逃げる子どもたち。

 ところが、雨で濡れた道で転んでしまいました。

「おいかけてこないで! こんどおいかけたら(部屋に)はいんないからね!」と、にらまれてしまいました。

 こんな理屈、どうして考えつくのでしょう。

 雨の中のあそびは1時間近かったと思います。途中、通りがかりの方が私に近づいてきました。まずい!!

「こういう遊び、楽しいんですよね。私もやりました」

 うれしいお言葉でした。だって、ほとんどの方は「雨の中でこんな遊びやらせて」と、不機嫌そうな顔を見せていくんですもの。
 バスタオルを渡すと、「みないでよね!」と言って陰には入って着替えて出てきました。強気のお姉様たちです。

 

 ところで、4日「世界の保育と日本の保育」という研究会に参加しました。
 イギリス、韓国、オランダ、スウェーデンの話でした。とてもおもしろい、興味深い刺激でした。
 そのなかで、韓国の報告で「雨でもでていく」と言う話が出ました。

 スウェーデンは「天気に良い、悪いはない。雨でも良い。いろんな天気に合わせる服装をすればいいだけ」とおっしゃっていました。
 あれ? "雨の日は保育室の中であそびましょう" というのは、世界の常識でも、保育の常識でもないようです。私、普通じゃん!(10月3日 記)
 

 

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