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 朝が起きられません。布団の中がぬくいから出られないのではなく、身体が重いのです。眠いのです。
 これは年齢のせいか、病気なのかと思いました。
 で、りんごの木に行って「身体が重くて」と言うと、私よりはるかに若い人が「私もです」と言うじゃありませんか。
 え? 歳のせいではないの? みんな眠いんだ。

 子どもでさえ、なかなか起きてこないというのです。
 そこで思いつきました。やっぱり、冬眠の時期なのです。冬に敏捷になる動物ってあまりいませんよね。冬眠までいかなくても、からだがそうなっているのでしょう。だいたいほ乳類ですから、熊と一緒。あちらは冬眠してます。
 へんに納得。ならば働く時間帯を冬時間にすればどう? 

 サマータイムではなく、ウインタータイムとして朝の時間を遅くして、帰りの時間を早くして睡眠時間を多くする。いいと思いませんか?

 

 話はすっかり変わり、私事ですが、温泉に行ってきました。
 私は三姉妹のいちばん末です。姉たち二組の夫婦と私の五人で行きました。
 ものすごい高齢者団体です。84歳、80歳の義理の兄。78歳、75歳の姉。そして、ちなみに私だけが運転手。熱海の温泉に泊まり、翌日下田の水仙を見に行き、翌日の帰りは富士山を眺めて峠を越えてきました。快晴で景色はいいし、ご馳走はおいしいし、温泉も最高!
 きょうだいって不思議ですよね。いちばん短い私でさえ70年近いつきあいですから、まったく緊張感がありません。服装さえ選んでいない普段のまま。ちなみに真ん中の姉は昔からゆったりぼんやりした人で、今回も着替えを持ってくるのを忘れてしまったんです。平気で同じものを着ていました。もう一人の姉は朝食にはちゃんと着替え化粧をして現れます。そして、よく食べます。同じきょうだいですが随分違います。あきれちゃいますけど、ずっとその人の特徴って変わらないのですね。お互いにそれを笑い話にできるんだから、歳を取りました。

 夜はトランプをしました。ちょっとはまっているゲームです。なんと、今回初めて教えながらやったのに長女が一番をとりました。
 父や母の想いで話をしながらドライブ。なかなかいい旅でした。
 が、みんな高齢者ですから動きが鈍い、忘れ物をする。いつにないゆっくりした旅です。その中で、私は若者です! 先々へと動きます。
 友だちと旅行に行くときは、私だけが運転できることと、忙しく働いている人ということで、かなり優遇されます。寝る部屋や場所は私が優先権を持ちます。でも、どういうわけか、いつも私の行動が遅く、起きる時間も出かけるときも「ごめん! お待たせ!」状態。
 若い人との旅行もよく行きます。そのときは、プランもお任せ、まったく依存状態です。ほんとのおばあさんみたいです。ですから、なるべく足を引っ張らないように、行動が遅くならないように気遣います。もちろん、ほとんど運転もしません。ありがたい旅行です。
 どれも私です。でもごいっしょする人の年齢や関係で、こんふうに自分がかわります。今回、ふと思いました。いろんな関係があるから救われているんだって。
 いたわられるばかりでは楽だけど、つらいでしょう。リードしているばかりでは頼られてうれしいけど、疲れてしまうかもしれません。対等な関係だと楽な部分もあるけど、どこか緊張感があります。
 いろんな関係をもっていること、いろんな自分を発揮していけることが、バランスがとれた自分を維持することかもしれません。
 汐見稔幸さんに「自立」するためには何が大事だと思いますか? と質問したことがあります。彼は「依存できる人をどれだけ持っているかということ」と答えました。その言葉も思い出してました。 (1月16日 記)

 

 

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