とんでもない豪雨になってしまいました。

 どうして、こんなに降り続けるだけの雲があるのでしょう?

 広範囲の地域の甚大な被害をテレビで見ていると、恐ろしくなります。「最大級の警戒」という言葉が繰り返されています。亡くなられた方々もたくさんおられます。

 被災地の皆さんは、恐怖にさらされていることでしょう。

 ほんとに、なんと励ましたらいいのか、言葉が見つかりません。

 その方々に比べたらとるにならない、今思うと、のんきレベルの話ですが、天気に振り回された二、三日間のことを聞いて下さい! 


 6日の金曜日、5歳児をつれて丹沢・皆瀬川上流のペガススの家にデーキャンプでした。

 降り続く雨に土砂災害も頭をかすめます。なんといっても、細い川沿いの道を上がっていくのです。早朝まで考えあぐねていましたが、そこを管理してくれている人が「だいじょうぶ」ということで、行くことに決めました。
 子どもたちは水量も多く流れも速いので、川には入れませんでしたが、ちゃんと河原でいろいろ見つけていました。「おたま(オタマジャクシ)がいたぞー」と叫ぶ子のところに走って行った子が、サッと網ですくってしまいました。怒った怒った。

「そのおたまはおれのものだ」

 見つけたのは確かにオレなんだけど、とったのはボク。

 こういうけんかが多いのですが、なんとも言いようがないですよね。しかし、おたま一匹に命がけなんですから、すごいです。

 小さなカニやミミズもとれました。草の中のバッタとりと、雨も小止みでよかったです。
 屋内では、今流行の王さまゲーム。これにとりつかれている子はどこに行ったってこれです。

「わざわざここまで来て、これですか?」と、おとなは言いたくなりますが、子どもってそんなものです。

 もう一つは五右衛門風呂。初体験で、喜んで長風呂はやはり女子。

 途中お弁当も食べ、帰り支度の2時はあっという間でした。

 

 さて、ここから私は別行動になりました。
 その日のうちに広島に入り、翌7日の10時半から木村泰子さん(映画「みんなのがっこう」の大空小学校元校長)との対談です。
 山北15時15分発の御殿場線で国府津。東海道線で小田原。ここから新幹線‘こだま’で名古屋まで行きます。すでに新幹線が遅れています。
 スマートEXで指定券を取っている‘のぞみ’に間に合いません。こういう場合はどうしたらいいのかとりんごの木に相談電話。結果、指定の電車が遅れていたために無事に乗車。博多行きは小倉行きに変更になりましたが、広島には行けます。
 18時ちょうど、どうにか30分遅れで名古屋を発車。ところが、ちょっと走っては止まる。止まっている時間の方が長くなり始めます。

 新幹線が連なってしまっているという放送です。

 この時間の長いこと。こんな時こそ睡眠時間にすればいいのに寝られません。本を取り出して読み始めます。明日の対談の段取りをと思うのに、脳も停車。
 やっと京都に着きましたが、この調子では広島は夜中になる思っていたら「この電車は新大阪止まりになります」なんて、平気な声で車内放送。
 すでに午後9時。携帯の充電が20% そんな人が多いらしく車内の前後にしかないコンセントをみんなが狙う。そして、一斉にスマホでホテル探しが始まりました。
 いきなり終点と言われてもねぇ。「おおさか〜 おおさか〜 この電車の終点です」の涼しげな車内放送にはあきれて、ため息しか出ませんでした。
 私はスマホではなく、いわゆる「ガラ携」です。職場の仲間に電話して「駅近くのビジネスホテルを探してほしい」と連絡。かつて、若いとき駅構内で夜明かししたことがありますが、今はありえません。つぎつぎホテルは埋まっているようです。でも、ありがたいことに一室空きを見つけてくれました。ほっとして、今度は改札口に並びます。精算のためです。
 無事にホテルに着いたのは22時30分。サンドイッチを食べ、珈琲を飲み、五右衛門風呂を焚いたときのいぶりくささをシャワーで洗い流し、ベッドに。
 朝一番の新幹線は6時と聞きました。何時間かかるかわからないので、早いに越したことはありません。木村さんに「行けないかもしれないから、一人でしゃべってね」と言われちゃいました。彼女の住まい辺も避難勧告が出ているというのです。
 夜中いちばん気になったのは、主催者の稲垣さんのことです。ひとりで判断しなければならず、中止にするリスクは手間もお金も大変です。同じようにセミナーを主催する私には痛いほどわかります。
 朝5時半に電話が鳴りました。「新幹線が動かない、今日は中止にします」と喪失感に満ちた声でした。この時点でも、私たちはここまで被害がひどくなることは想像していませんでした。私は疲れてしまったので、このまま帰ることにしました。新大阪、東京間の新幹線は何食わぬ顔をして動いていました。
 帰ってくる途中に、稲垣さんから電話がありました。

「明日も中止にします。セミナーなんて言っている場合じゃないくらいの被害がでています。来年、同じ企画でやります」と、覚悟を決めた落ち着いた声でした。
 帰ってきた東京の空は、青空がのぞいていました。


 今回、スマホを買おうかと頭によぎりました。電車状況、ホテル探し、地図と便利なことは疑う余地もありません。でも、困ったときに電話をして考えてくれる仲間、ホテルを懸命に探してくれる友人、改札に並んでいたときにいろいろ教えてくれた青年、ホテルの場所を尋ねたら入り口まで案内してくれたカップル。ホテルで気遣いながら待ってくれていたフロントの女性。一人戸惑っている私を元気づけてくれたのはスマホではなく、人だったと気がつきました。ほんとにどの人にも心から感謝です。
 やっぱり便利と、安心や心強さは違うのです。

 今回の災害の大きさが、どんどん広がっていることが報道されています。
 自然の怖さをとことん突きつけられています。
 早く、穏やかな日々が戻っていることを願ってやみません。(7月8日 記)


qq

 

 

 

●今年度バックナンバーはここをクリックしてください。