新しいことが始まって二週間たち、ちょっと緊張がほどけて、疲れを感じている方も多いでしょう。特に子どもに先生と言われる現場の人は、まだホッとしきれないけど、身体の緊張が崩れていくのを感じる頃でしょう。
あと一息、大型連休が待っています。(といっても休みがある方はですけど)
はじめの頃は漠然と、だいじょうぶかしら? 泣かなかったかしら? と子どもを送り出していた親から「今日、お友だちとあそびました?」などと聞かれていませんか? もしくは帰ってきたわが子に「今日、どうだった? お友だちとあそんだ?」と聞いていませんか?
あのー、友だちってどの程度の関係を言うのでしょう?
ともかく誰かと関わってあそんでいれば、友だちですか? 誰かと関わっていれば、安心ですか?
いつの頃から「友だちがいないとダメ」みたいなことになってきたのでしょう?
子どもをみていると、友だちを探している子はあまりいません。何かを見つけてあそび始めます。たまたま他の子があそんでいるものに目をつける子もいますけれど、自分で見つけることも多いです。
鍋に泥を入れて水を入れてかき混ぜ始める子、水をジャージャー流している子、水たまりをベチャベチャしている子、粘土をひたすら切り刻んでいる子・・・不思議なほど、ぼんやりしている子はいません。
友だちとあそべることより、自分であそびに集中できることの方が、はるかに大事だと私は思っています。
基本は一人です。自分です。生まれたときから自分です。自分では生きていけないのでお母さんやお父さん、愛して面倒を見てくれる人が必要です。その人に依存することで育っていけるのです。
歩き始めたからといって、話し始めたからといって、子どもに依存する子どもはいません。この子とあそんでいればだいじょうぶなんて、どの子も思っていません。
もちろん、子どもは子どもがやっていることに惹かれます。面白そうと思うとやってみます。相手のものを取ろうとします。ここで関わりは始まりますが、友だちと言えるほどの心の通い合いは育っていません。
友だちはつくるものではなく、あそんでいるうちになっていくものではないでしょうか?
早いうちから「お友だちとあそべる」ことにこだわることで、子どもも友だちがいないと不安になっていくのだと思います。友だちにこだわる親は、そんなことに脅かされた自分の経験があるのでしょうか?
ひとりでも、子どもが楽しければいいじゃないですか。
保育者は子どもの表情から内面を察しようとします。友だちと遊んでいるかどうかにはあまりこだわっていないと思います。たぶん。
親心が心配を生むのはわかります。でも、「何したの?」「だれとあそんだの?」と根掘り葉掘り聞くのはやめましょう。子どもが親に伝えたいことがあったらきっと「あのね」と話し始めるでしょう。せめて「たのしかった?」くらいにしてください。もしくは表情を見て、ほどほどの顔をしてれば「よし!」と自分の胸をなで下ろしてください。
心配よりも子どもの今を眺めて楽しんで下さい。きっと、どんどん変化していきますよ!(4月21日 記)
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