急に寒くなりました。あわてて衣類の入れ替えをしました。
 連休は岐阜県立森林アカデミーという場所で「森のようちえん全国交流フォーラム」がありました。りんごの木は秋休みがあり、バッチリその前後が休みだったので、遊びと勉強をかねて三泊四日車で出かけました。6〜7時間かかる遠方ですが、ありがたいことに若者と一緒です。快晴のドライブはいいものです。こんなに緑があるのに、なんでごみごみ集まって暮らしちゃうんだろうと思うほど山も空も海も美しかったです。
 さて、肝心のフォーラムですが、全国の「森のようちえん」をやっている方や興味関心がある方々がおおよそ1000人集まったとのことでした。30以上の分科会があり、私の担当以外にふたつ参加しました。
 ひとつは灰谷孝さん。私は子どもの心身の発達を学び、日々の表情や行動から内面を察することでその子をわかろうとしてきました。灰谷さんの話は違う視点、脳の発達から子どもの育ちを説明します。私の説明はいい加減になりますからやめます。知りたい方は調べて、読んでください。
 話しの内容はさておいて私が驚いたのは、灰谷さんがプロジェクターで表や文字を出すたびに、多くの人がスマホやカメラで「カチャッ」と撮すのです。そのたびに立ち上がり(平らな会場だったので),カチャッが多いのです。

 こんなに撮すんだったら、この人の本を買ったほうがいいんじゃないですか? だって、その映像で話を克明に思い出せる人はいるのでしょうか? ただ、記録だけがあるなら、多少お金を払ってちゃんと書いてあるのを読むほうがいい。私はすぐにアマゾンで購入しました。お話になったこと、見せられた図はちゃんと載っていました。
 次が私の番だったので、参加者に「あの、撮して帰って見るんですか?」と失礼にも聞いてしまいましたが、多くの方が首を振っていました。横に。
 そのことより、お話の進め方がうまいと感心しました。どうしても、そんな聞き方をしてしまうのです。「少ないことに的をしぼって、しっかりわからせる」という感じです。うん、プロだなぁという感じ。そんな人の後ですから、なんかいやです。どんどん口はまわるのだけれど、私は深め方が浅い。うわっつらを滑らせているような気がしました。こういう後味になることはよくありますが、ほとんどは忙しさに紛れるのを待ちます。次に活かす反省はできませんから消えていくのを待ちます。
「満足できる話し方って、いつになったらできるのかしら? あの人はきっと反省することはないだろう」と、縮こまった気持ちになってしまいました。たぶん私は人にわからせるために話してるより、自分が話したいから聞いてくれる人が必要という感じかもしれません。まあ、たまにはぐじゅぐじゅもします。

 もうひとこまは沖縄で「よみたん自然学校」をやっている小倉夫妻の話を聞きました。この方はテレビなどで紹介もされた方ですから、興味を持っていました。自分のお子さんだけが生徒というところから始め、いまは幼稚園と小学校をやっていて合計すると60人くらい子どもがいるようです。創設15年たったということです。沖縄の環境と自由が魅力的です。会場には50人くらいいらしたでしょうか。

 ここで驚いたのは「このなかで、将来こういう小学校をやりたいと思っている方は?」という問いかけに四分の三くらいの人が手を上げました。興味があるからこの分科会を選んだのではあるでしょうが、森のようちえんがここまで広がってきているのですから、小学校にも及んでいくのかもしれません。なんか新しい動きが始まりそうです。
 少数派の集まりはやっぱり面白いです。りんごの木も然りですけどね。
 ということで、連休の報告でした。(11月7日 記)

 

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