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 6日(金)に5歳児と猿島に行ってきました

 猿島は横須賀から船で10分のところ、東京湾にある周囲約1.7kmの無人島です。

 りんごの木は20年くらい前から、5歳児の最後の遠足に子どもたちが選ぶ場所になっています。通常は電車を使っていきますが、今回のウイルス騒動を考え、マイクロバスを借りて行きました。
 船が島に近づいていく感じは、わくわくします。
 上陸してリュックを置き、まずは島探検へ。40人近くの子どもがいるとスピードが様々です。急いで先へ先へと行きたい子どもと、ゆっくりキョロキョロ見ながら進んで行く子と。私は後ろに着いていました。
「なんか、においがする。なんのにおいだ?」
 島に入ったばかりのところに売店が有り、アメリカンドッグの揚げた匂いがしましたが、それではありません。それには子どもは反応しませんでした。
「このいし、やわらかいよ!」
 切通しになっている両側の岩肌を触って言います。
「あながあいている。きょうりゅうのかせきが、みつかるかもしれない」とのぞきます。子どもたちは恐竜ブームです。
「じが、かい(っ)てある!」
 これは観光客のいたずら書きですが、壁画に見えているみたい。
 かつては軍の要塞として使用されていた島なので、弾薬庫があったり、レンガ造りのトンネル(豪)や建造物があります。
「ここからはいって、あそこのまどから、おひめさまがのぞくんだ」
「たすけてーっていうとこかもしれない」
「ここはレストラン。いらっしゃいませ」
 確かにレンガはそんなイメージ。
ww 岩場に行くと海水のたまったところに、美しい緑の海藻が揺れていました。
「これで、のりをつくるんだよ」と、物知りな子が言います。
「わかめだよ」「ちがうんだよ、のり」と会話がされ「おいしそうだね」「たべられるのかな」「のりだからたべられるよ」。
 私も一緒にとってみました。ほんとに柔らかくておいしそうなのでちょっと口に入れてみました。すると、海藻よりも適度な塩味の海水がおいしい。子どもたちも同じように感じたようで、みんなペロペロ手をつけてはなめます。
「さるのあしあと、みつけたぞー」という子まで現れました。
 この猿島の由来は猿から来ていますが、一匹も住んではいません。けど、見つけたんです。
 子どもちといると、自分の五感をフルに使ってこの場を吸収しているのを感じます。新しい場所、少ない経験のなかで、まずは自分の頭と身体で感じながら探っていく。体中にアンテナ張ってということですよね。私はどれも中古になってるなぁと情けなく思いましたね。
 お昼を食べてからは、海岸で貝やシーグラスを拾ったり、砂で壁を作ったり、海藻拾ったり、たっぷりあそんで帰路につきました。

 振り返ると、20年もの間に島の状況はだいぶ変わりました。
 昔は整っていないけれど「無人島」というイメージがピッタリで、洞窟があったり、崖を登ったり、まさに冒険にふさわしい場所でした。
 海岸は砂よりザラザラした石や貝でした。
 木の棒をあちらこちらに隠してきて、後に発見しに行ったりもしました。
 今は洞窟どころか、ちょっと危険と思われる場所は、どこも立ち入り禁止のロープが張られています。海に落ちそうな崖登りは近づくことさえできません。
 売店ができ、BBQができるようにレンタルされています。
 たった数年前までは、お弁当を食べていると、頭上のたかーいところから鳶が狙っていて、食べ物を持ち去られたこともあります。ところが今回は、平気でベンチで食べているではありませんか。よく見ると、上には透明の釣り糸のようなのが貼られていました。鳶は知っているのでしょう、近づいてきません。
 昔は島には管理する人が一人二人。今は係の人が多くなりました。
 雨水を落とす鎖のようなものをゆさゆさ揺らしてあそんでいると「そんなことしちゃダメ」と言われました。その下にきれいな白い石(島のものではなくよくある見栄えのいい石)を拾ったら「ダメ」と言われ、子どもたちが勢いよく木のデッキのようなところで走っていたら「そこは走っちゃダメ」と言われ、見張られているのを感じました。
 そう、最近、メディアでも取り上げられたりもして、きれいに整い観光の場になってきたのです。
 私はつい「昔は」と比較して憂いてしまいます。だって、素朴に楽しめるところが、どんどんおとなたちの都合いいように浸食されていくのです。
 子どもちは「今」が始まりです。私のように「昔は」と思う頃にはどんな「今」を迎えているのでしょう。想像することさえ恐い気がします。逆戻りはなかなかありえませんからね。けど、こんな時代を迎えてこそ、人にとって何が大事なのか、自然とはどんな関係をつけていくのかをしかと考えなければいけませんよね。まさに、天の神様のバチが当たりそう!です。(3月8日 記)

 

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