ぬぬ

 今日、運動不足なので銀行とスーパーマーケットに歩いて行きました。ふだんは車か自転車のことが多いのです。
 歩くスピードってこんなに遅いと実感。けど、周りを見て歩いたり、香りを感じたり、町並みを見ながらその変化に気づいたりして、それなりに楽しい。なんといっても、歩くと身体が温かくなります。
 ついついバナナやミカン、漬けものやヨーグルト・・と、重いものを買ってしまいました。二つの袋を持って行ったので、バランスよく両手にさげました。歩く買いものってこうなんだと、荷物の重さを感じながら、ちょっと後悔もしていました。帰り道に振り返っていました、ずいぶん変わったなぁーーー
 子どもの頃は個人商店が多く、住宅街の中にも「銀座」とよばれる商店街がありました。魚屋さんにはお皿を持って「お刺身を三人前ください」、お弁当箱を持って「お豆腐二丁」、買い物かごをさげて八百屋さんにというスタイルでした。重いものは御用聞きといって、朝注文を聞きに来て、午後に配達してくれる。酒屋さんに醤油を頼むときはビンを渡していました。味噌は「白味噌と赤味噌を半々で」とか、家の好みにあわせての注文。
 やがて経済大国になり、個人商店は少なくなり、大型スーパーがつぎつぎ登場。町内の個人商店は瞬く間になくなってしまいました。一カ所でほぼ用が足りるのですから、時間も手間も助かります。そして、スーパー袋まで用意してくれているのですから、お金さえ持っていけばいいです。でも買うものは、こちらの都合よりあちらの都合に合わせるようになりました。まあ、種類が多いので銘柄を選べばいいわけです。
 ところが、最近はスーパー袋が有料となり、買いもの袋持参になりました。まだ日常になるほど身についていないので、忘れてしまうこともままありますが、別に不自由はありません。逆に、あの時代は何だったのかと思うようになりつつあります。
 こんなふうに時代の流れと共に生活様式って変わります。変わり目は、戸惑ったり、文句を言ったりするんですけど、人間は慣れるというすばらしい能力を持っているので、すぐに日常化していきます。
 コロナによって変わる生活も慣れていくのかしら?
 先日も親たちの講演会でこんな質問がありました。
「コロナの子どもへの影響のよかったこと、悪かったことは?」
 まあ、精神的な苦痛を伴いますから、いいとは言えませんけれど、立ち止まり変わっていくことは、決してマイナスばかりではないと思います。
 例えば、今では家族の楽しみは、お金をかけて外に求めていくことが多くなっていませんか? 家族でディズニーランド、遊園地、テーマパーク、動物園、映画などなど、食事もファミリーレストランへ。うっかりすると居酒屋にもお子さまランチがありました。お金をかけて、家族みんなが負担にならず楽しめるやり方。出かけないと休日ではないような、開放されないような気がしてしまう。ある園長が言ってました。「月曜日、こどもが疲れているんだよね。家で過ごしてほしいな」って。そんな現象も起きてしまうのです。
 私が子どもの頃、娯楽施設はほぼなく、家で過ごすことが多かったです。子どもたちが宿題をすると、母もいっしょに座り、鉛筆を包丁で削っていました。花が咲くとお膳の上に飾り、母はスケッチブックを出して絵を描きました。子どもたちもなんとなくいっしょに描きました。父が「ラジオをつくろう!」と言いだしたことがあって、みんなで炬燵を囲み何週間もかけて成功して、放送を聞いたものです。家の中に、その家の文化があったように思います。
 今まさに、外出を控え家族で過ごす時間を、昔のように一家族団らんの時間にするのはいかがでしょう? お正月でもないのにみんなでトランプやカルタ、なぞなぞの出し合い。いっしょのテレビ番組を見て盛り上がる。折り紙などやってみて下さい。おとなはどういうわけか鶴しか折れないけど、子どもは本を見ながら器用に折っていきます。家族のだれかの趣味を共有するのだって、新しい発見があると思います。あそびに関しては、かつて「つれづれ585回」にも書きましたので、よかったら見て下さい。
 実は子どもの幸福度が、ここ数年一位になっているオランダは、まさに両親と団らんの時間を持っているのです。
「宿題やったの!」
「早くしなさいよ!」
「もう、寝る時間でしょ!」
「残さないで食べて!」
 子どもはせかされて過ごす時間が多いように感じます。子どもと心を向き合わせる時間がない?
 今、外出を自粛しなければならないのですから、家での過ごし方を変えるチャンス! 
 コロナ感染拡大で人と繋がるということはすごく大事です。人と繋がることで救われます。インターネット文化はとても役に立つと思います。
 一方では、家族でホッとできる関係や文化を創っていくというのも大事なのではないかしら。あなたの家らしい文化って、どんなことになっていくのでしょう。楽しみながらいろいろやってみて下さい。

                                        (1月19日 記)


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