ぬぬ

 あけましておめでとうございます!
 まだまだコロナウイルスの感染は続き、辛抱の日々となりますが、心は前向きにいきたいものです。
 新年、保育開始前日、関東は大雪になりました。
 スタッフと打ち合わせをしていましたら、どんどん降ってきて、あれよあれよという間に積もっていきます。かつては雪が積もることが頻繁にあったように思いますが、近年は少なくなり、交通機関などもすぐにストップしてしまいかねません。
 いつもより早く、みんなで帰宅することにしました。私は車です。多摩川の橋を渡るときは、河原がすでに白くなり、いつにない景色に魅せられます。
 かつては、翌日子どもたちと雪遊びがしたくてりんごの木に泊まったものです。夜は雪の中を散歩したものです。
 寄る年波で、身体も心も縮こまってしまったのでしょうか。情けないことですが「早く帰りたい」と思うばかりではなく、翌日はさぼりたくなっちゃった。だって、車を出すのは無理、駅まで15分も歩くし、坂道もあるし……このところ膝も痛いんです。
ぬ 朝、りんごの木にFAXとメールを入れました。「私ぐずぐずしています。さぼろうかな・・」って。雪であそびたいけど、無理! 安全第一。だって私はもう73歳なんだもの! ありがたいことにスタッフは賛成してくれました。 
 しかし、わが家は高齢者住宅。家の中では「私、まだ73歳なんだもの」なんです。そこで、雪かきをすることにしました。すでに道路に張り付いた雪は凍っています。雪かき用のプラスチックのシャベルのようなものは役に立ちません。そこで、大きな金属のシャベルを持ち出し、とがった先でカンカンと氷を砕いていました。
 そこへ、通りがかったおじさんがやってきました。「何か用ですか?」と聞くと、「いやいや、私は北海道生まれでね。これしきの雪で転んだりしちゃうのは笑っちゃうね!」と言うんです。それから、雪かきのノウハウを教えてくれます。
「こりゃあ、お湯を流すのが一番いい」
「だって、お湯を家の中から運んでくるのはいやだわ」
「先の四角いシャベルじゃなくちゃ」
「そんなのはないのよ」
「しょうがない、砕いておくだけでも溶けるのは早くなるよ」と、なにも手伝うことなく油を売っておじさんは去って行きました。
 お日様が当たるところはどんどん溶けていきます。けど、家が建ち並び日が入らないところはしっかりアイスバーン。
 つくづく雪国の方は偉いと思います。毎日、雪かきしてから出かけるのでしょうから、辛抱強く粘り強くなりますね。
 お日様はすばらしく、大きな道路の雪は溶けているみたいです。わが家の前の道路だけが危うい……やっぱり行くことにしました。
 りんごの木に着いたら、雪はすでに少なくなってしまいましたが、子どもたちがあそんでいます。わざわざ木の陰の雪がある場所に入り込んで雪を集め「ぎゅっとにぎって かたくして ぽん!」とわらべうたのようにリズムにのせて口ずさみながらぶつけあっている連中がいました。私もやってみました。だんだん楽しい気持ちになります。
 40分も歩いてきたという子、電車とバスで来たという子、いつもとは違う苦労? いえ、楽しさを体験して集まってきたようです。が、ふだん車通勤のスタッフは「もう、絶対いやだ!」と車内の人たちに腹を立てていましたけどね。
 てんやわんやの年始めでした。
 今年はどんな年にと抱負を持ったことはありません。
 けれど、8日の土曜日ETVで青森県五所川原で笹餅を作り続けている「ミサオおばあちゃん」のドキュメントを見ました。五所川原の方がこの笹餅を送ってくださったので、いただいたことが二回あります。山に入って笹を一枚一枚選んで採り、小豆を育てと、丁寧に自分だけで作り続けてすでに94歳です。
「食べてくれる人が幸せになってくれればいい」という、素朴な強い願いでやっておられます。そのこと自体もすごいのですが、山に入っていったときに、キノコや自然物を愛おしむその姿と笑顔は衝撃でした。
 雪で躊躇している73歳って、どうなのよねぇ。心が萎えてるね。
 近々、劇団「民芸」の役者、奈良岡朋子の芝居を見に行きます。なんと92歳です。舞台で演じるんです! 凜とした立ち姿です。
 私の母は97歳寸前で亡くなりました。母が40歳のとき私は生まれたので、母が今の私と同じ73歳のとき、私はまだ33歳ということになります。まだ、りんごの木を立ち上げるかどうかの頃、なにをやっているのかわからないハチャメチャな私でした。完璧に主婦をやり、心配しながら見守ってくれていた母を思い出すと、今の私にそれだけのパワーがあるだろうかと励まされることが多いです。母には感謝しかありませんし、その生涯を「あっぱれ!」と思います。
 人生百年時代と言われますが、大変なことです。
 元気を保つ、柔らかな感性を育て続ける、あと20年も……あ〜、無理かも。
 コロナもあるし、病気もあるかもしれない、事故だって起こりうる。ともかく、一日一日をちゃんと生きていくってことしかないですね! 
 ありきたりではありますが、今をありったけ! 
 本年も どうぞ よろしくおつきあい下さい。(1月11日 記)

 

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