ぬぬ

 7月21、22日と一泊で、5歳児と丹沢山麓「ペガススの家」に行ってきました。またもやコロナ感染拡大でヒヤヒヤしながらの決断です。
 往復のマイクロバスとワゴンでは窓を少し開け、途中は全員降りて換気。行った先には空気清浄機を二台持ち込み、部屋の中の扇風機を回しました。りんごの木は子どもの数が5歳児全員で32人、そこへいつもの担任以外のおとなたちも含め7人同行しますからやれるのでしょう。規模の大きい園では難しいですよね。
 以前、つれづれでも書きましたが(673回)、7月1日には日帰りで同じ場所に行っています。そこに再度泊まりで行ったわけです。
 泊まるともっとあそべる。けれど、お母さんが一緒ではない。これが大きなハードルのようです。ペガススの話のミーティングを繰り返し、前日に最終決断をします。そのとき6人の子が「いかない」と言いました。
 その夜、二人から「やっぱりいく」と電話がありました。お母さんと話したら、いける気がしてきたようです。
 当日は「いかない」という決意が固い子4人と、行きたかったのに熱が出てしまった子ひとりの5人が不参加でした。
 なにも行くか行かないかなんて聞かないで、連れて行っちゃえばいいのにと思う方もいるでしょう。でも、一人ひとりの気持ちを尊重し、耳を傾ける保育をして来て、子どもたちも自分の意志や気持ちを言葉で話せるような日々を重ねてきました。肝心の時に強引におとなの気持ちで押し通すわけにはいきません。子どもはちゃんと感じ、考えているのです。でも、今回はいつになく行くか行かないかを悩む子が多かったです。多くが生まれた月日が遅い子のようでした。
 コロナのこともあって、今までより家族がいっしょにいる時間が多かったから、離れることに関して不安を感じるということもあったかもしれません。りんごの木の保育も分散されていたことが多かったので、がっつりと仲間意識が結ばれていなかったのかもしれません。「もうすこしたてば いけるとおもう」と言った子がいました。もうすこしたてばという言葉が気持ちを物語っているように思いました。
 いずれにしても5歳児が、泊まれなくたって今後の人生になんの影響もないでしょう。そもそも小学校一年生でお泊まりはないですものね。川遊びの体験が必須というわけでもありません。人生初の自分の決断をすることの方に意味があります。でも、あまりにそのハードルが高い子が多いならば、考えなければいけないとも思っています。
 さて、二度目のペガススですから、前回と動きが違いました。自分が何をしてあそびたいかが見えているので、前回ずっと見ていた子が驚くほど早くに川に入っていきました。今回はからっと晴れていなかったので、身体が冷えるのも早く、ドラム缶に湧かしたお風呂で身体を温め、また川に入っていくというのを繰り返すのも手慣れたもの。
 オタマジャクシだったのが、いっぱいカエルになっていました。捕まえたカエルに顔をくっつけ「ぼくのカエル」とうれしそうな顔をしている子がいました。ところがうれしすぎて、いじりすぎてだんだん弱っていったカエルは、全力を出してその子の手から逃げました。必死に追いかけます。けど、テラスの床の下に入ってしまいました。「もう、疲れちゃっていたから逃がしてあげたら」と、私は言いました。他の子も「しょうがないよ」と言ったからなのかどうかはわかりませんが、その子はもう一匹捕まえたカエルを川に放しに行きました。その心情はいかに?
 川の堰を飛び降りる子、下を向き続けて獲物を捕まえようとしてる子、火遊びしている子、テラスで折り紙している子、部屋でかくれんぼをしている子、布団の棚から飛び降りる子、部屋を暗くして「映画館ごっこ」をしている子、時間にせかされることもないのでよくあそびます。しかし、子どものやりたいを放置すると、そりゃ〜見事な荷物の氾濫状態です。脱いだものをきちんと入れる子は少数派、ともかく着替えるときに全部出してしまい、着替えたらそれっきりなんですから。ところが、思いついて何かを取りに来ると、自分の当てにしていた物がない!で、捜し物に時間がかかる。でも、散乱した布団をかたづけることは上手になっていた気がします。
 今回初めて「薪割り」が登場しました。おとながひとり、斧を振り上げて薪割りに挑戦していたのを見逃さない子どもたち。「やりたい!」と言うと、管理してくれているおじさんが子どもの手にあう大きさの斧を出してくれました。はじめはなかなかうまくいかず、悔しさで狂います。そうなれば、いけます。この悔しさがバネになります。二人の子どもは腰を入れて、振り落とし、音を聞いて叩き続け、パカッンと見事に木っ端は二つになって飛び散るのができるようになりました。散々やり続け、翌朝もやり続け、腰が痛くならないのですからさすがに若いです。
 夕食のカレーライスはすさまじい「おかわり!」 夜の散歩にも行き、花火もし、寝たいところに寝・・・・翌朝はなんと5時にはほとんどの子が起きてしまいました。子どもペースの動きにつきあうおとなは偉いです。私なんか、床の上で寝るだけで骨がミシミシしちゃいました。途中、発熱した子が二人いました。ひとりは夜に親に迎えに来てもらいました。ひとりは帰る寸前でした。いつもいっしょにあそんでいる子が「なんかへんだよ」と教えてくれたのです。帰る途中の駅で親に迎えてもらいました。この二人、翌日にはケロッと元気でコロナではありませんでした。こんな時期ですから、こちらもヒヤヒヤもの。ともかく、みんな元気で帰ってこられてよかった、よかった!
 学んだことが二つありました。同じ所に繰り返し行くことで、子どもは自分らしいあそび方を見つけていける。自分らしい挑戦をしていける。
 もうひとつは、子どもがやりたいと言うとき、その子がやれる道具なりやり方を提供できるおとながいることで、子どもが達成感を得ることができるということです。私、なんの手助けもできず、いるだけだったのですが、疲れました。帰宅後久しぶりに夜9時には寝ました。次の日の朝7時に目覚めて、なんと十時間睡眠! やっぱり人間疲れれば寝て、復活するものなんですね。若いときは二泊でもいいと思っていたけれど・・・とんでもない! (7月24日 記)

 

●最近のバックナンバーはここをクリックしてください。