ぬぬ 

 前回のつれづれを書いてから「まだまだ走り続けています」ということで、りんごの木の子どもたちには、とんと会っていません。
 ラジオ深夜便があったり、保育者の実践研究会があってから山梨で「ぐうたら村とりんごの木のコラボの小さなセミナー」で小西貴士さんと森を歩き(これは至って楽しかったですけど)、りんごの木夏季セミナーの撮影も始まって汐見稔幸さんのお話を撮り、翌日長野の大学で学生さんたちに話し、その翌日、澤田智洋さんに初対面(後述)、セミナーのひとコマを撮りました。その翌日は台風騒動なか広島の「麦わらぼうし こども学セミナー」で、ケロポンズと対談、小西貴士さんも一コマ。翌日は私の話しの後、大豆生田さんと対談、さらに汐見稔幸さんも加わっての鼎談。お馴染みが大移動している感じですが、それぞれ忙しく交通手段も別々でした。みんな、広島のお好み焼きだけは食べて帰りましたけど。もちろん、私も!
 帰ってきて翌日、朝日新聞の取材のあと、NHKで本を出すために3時間のインタビュー。その翌日は栃木県宇都宮に向かい、私立保育連盟の全国大会でした。なんと、午前午後と合計5時間の講座! 昼休憩を入れましたが、立ったまましゃべり続ける自分に呆れるばかりです。でも、それが私の健康の秘訣かもと思い始めています。北海道から九州まで、いろんな園のいろんな方たちが耳を傾けてくれるのが、うれしいのです。
 もはや私の仕事は、残念ながら、「保育」ではなくなりつつあります。たまに保育をのぞきに行くと「あいこさ〜ん」と子どもが声をかけてくれると、「忘れられていない!」と、ホッとします。
 日々いろんな方とお目に掛かるのは刺激的です。ちょっと、頭がぎゅう詰め感はありますけどね。

 今回一番刺激的だったのは澤田智洋さんです。二年くらい前でしょうか、テレビの番組で知りました。
 生まれたお子さんが全盲だったことで、落ち込んだのだけれど「目が見えないだけ」と気づき、ものの見方の視点がかわったそうです。そこから、頑張るのではなく、ゆるく生きることで、社会はもっと平和になると気づき「弱さを活かす」発想になっていったそうです。
 テレビを見たとき衝撃でした。私にとっては気になる、会いたい方でした。
 またまた糸をたぐり寄せて、セミナーに出ていただけることになり、対面実現となりました。
 パラリンピックの閉会式の企画は、いろんな人がいることで豊かになる。ミックスジュースを作るのではなく、それぞれの味を活かすパッフェにしたいと思ったそうです。
 義足の人のファッションショーも企画。生き生きと華やかなショーでした。
 早さを競い、点を奪い合う運動競技も運動が嫌いだった自分を活かした「ゆるスポーツ」を考えだし100以上の種目もあるそうです。今や毎年「ゆるスポーツランド」というイベントを開催しています。どんな人でも参加できる大会で、90%以上の満足度を獲得しているそうです。
 お目にかかったとたん素敵な笑顔で、緊張していた私の力が抜けました。真っ直ぐな少年のような眼差しをしていました。この方41歳だそうです。りんごの木が創立42年ですから、卒業生のような歳です。話していても若い、回転が早い、賢い・・・しゃべりのテンポも早くてついていくのが必死でしたが、楽しかった! 自分の視点を変えるというのはできそうですが、それをどんどん形にして実現していくのですからたいした方です。
 多様性やインクルーシブが叫ばれている教育界にも大いに入り込んでいただきたいと思いました。
 違う世界の方が保育や教育界に入ってくることで、もっとひろい視野や新鮮な風が吹き込んできます。一昨年に出会った「生命誌」の中村桂子さんもそのおひとりです。影響を受けている自分を感じます。もっと自由で広がりのある社会のほうが住み心地がよさそうです。
 みなさんに学んでいただきたくセミナーを企画しながら、一番お得なのは私ですね。今年も準備が始まって忙しいのですが、また、ちょっと大きく育つ気がします。ぜひぜひ、セミナーにご参加ください!! 楽しく学んで行きましょう。  (6月6日 記)

 

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