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「りんごの木夏季セミナー」の<会場セミナー>を終え、<オンライン・セミナー>が無事にスタート。ご覧いただいた方々の反響が届きます。人によってお好み(講座内容の)が違うものですね。意外な感想もあって、お聞きするのが楽しいです。セミナーブックの担当者は日々奮闘。
 同時に卒業生のペガスス・キャンプが始まりました。今年は以前と違い定員が決められました。二泊三日それぞれ40人ですから、合計80人の子どもが参加しました。すぐにいっぱいになってしまったので、小学生が多く、大学生、社会人はほんの少しでした。行きたい人は自力で日帰り参加したようです。
 スタッフはそれぞれの役割仕事に忙しくしています。さらにみんな年齢が高くなっていますから、どこかしら支障もあったりで、連日参加は難しくもあります。もはや川遊びなど危なっかしくなってる私は、駅での送り迎えで懐かしい親子に出会うのだけを楽しみにしています。
ぬぬ 今年は天気(台風など)がヒヤヒヤものでしたが、全員無事に疲れた顔で帰ってきてほっとしました。燃焼しきった顔です。

 キャンプ中日にりんごの木を開けて10:00〜16:00までご自由に出入りして下さいという「オープンデー」をしました。キャンプには行かないとか、希望したけど満員だったとか、ぽちぽちやってきてくれました。家族で立ち寄ってくれた懐かしい人も何人かいました。
 きょうだいでお弁当持ちでやってきた子もいたり、決めごとをしないと、それぞれのつもりで来るのでおもしろいです。
 専門学校に通っているという大きくなった子がきました。なんと、マンガの専門学校なんですって。タブレットで描くようですが、「紙に描いてくれる?」と頼むと、「僕も紙の方が好きなんだ」と座り込んで黙々と・・・思いがけない美男美女の今時のイラストです。幼かったときの頃を思い出すと、もう成人なのねと感無量とはこういうことかと。その姿を見て小学生の子が一緒に描き始めました。描いている人を見ると描きたくなる、そんなものですね。大きい人が小さい人の刺激になるのは、年齢巾があるとなおさらです。ペガススでも大きな人たちの薪割りや魚とり、カニ揚げなど魅力的で素朴なことは伝承されます。
 二児の母になっている子がひとりの子だけ連れてきました。当時、4歳児はりんごの木に泊まっていました。夜に熱を出してしまったのですが、本人は帰らないと言い張ります。親に電話すると、じゃあ、座薬を入れて下さいとの返事。薬局に走り、座薬を入れ、熱は下がり翌日は元気になったというエピソードを持っている子です。わが子が保育園に行っているのですが「いまじゃあ、考えられないね。母親も母親ね」と、大笑い。 その子が「今は魚とかカメしか飼っていないの?」と、言います。当時はハムスターを飼っていた、それがかわいくて、それ以来ハムスター、ハツカネズミ、蛇など、(もっと他の種類もいましたが)飼い続けているそうです。「今度持ってこようか? 飼った方がいいよ。こんなに覚えているんだから」と勧められました。返事を濁した私・・・。そういえば、ネコが居たときもあったなぁ。
 管理栄養士になった子は、いかに食が大事か、なのに給食費は安すぎる、ろくなものが作れないと息巻いていました。
 親たちはどんなときでもおしゃべり三昧。おやつも持ってきてくれて、最後は掃除をしてくれてと勝手知ったるわが家ですね。

 キャンプに同行してくれた大学生や社会人になっている子が、片付けがてら寄ってくれてお茶しました。そのうちの二人が4歳児でりんごの木に泊まった子です。「私も泊まるの楽しみにしていたのに、どうしてやめちゃったの? がっかりだったよ」と、ひとつ歳下の子が言います。そうです、始めは4歳はりんごの木に泊まりました。外にビニールプールを出してお湯を張り、露天風呂。公園で花火をやったことも、寝るときに映画をしたことも、大きい二人はしっかり覚えています。
 その頃4歳児は泣く子が数人でました。心配な親がのぞきに来ちゃいます。で、泣かしてまで泊めたくないので、5歳児だけがペガススの家に泊まることにしたのです。
 いろんな話をしていると、りんごの木はずっと変わらないと思っていたけど、やっぱり変わってきたことっていろいろあることに気づきました。そして、節目にいた子はつもりがなくなってがっかりしているという事実もあるんですね。私はなくなってホッとしている子にばかり目がいっていた気がします。
 時代的な環境の変化、親子関係の変化、子どもの興味関心の変化、いろんな要素が保育を動かしているのかもしれません。動かしたくないのは人との繋がり、子どもの素朴な育ち、おとなたちの温かさなど。それを土台に、人生を積んでいってほしいという願いかな?

 もう夏も終わりです。虫の声や萩の花が秋を告げています。もう、十分です。この暑さ終わって下さい! 

 

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