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111 5歳児の保育に参加しました。
 テラスにウレタンマットを持ち出して、家が作られています。囲いだけではなく屋根もあります。
「ここは おんなのこべやなの」と見せてくれると、中もなかなか整理されていてきちんとしています。

「あっちは おとのこべやよ。せまいの」 確かに。
 今や男女の性差を口に出さなくなっていますが、やはり性差を認識する年齢はちゃんとやってくるのです。
 ささやかな庭はレストランになっていました。この店は男子ばかりです。そのせいかダイナミックな飾り? 料理? です。草を山盛りドーンと置かれているのは「こまつなと あずきのてんぷらです」とのこと。鍋にはペットボトルが茶色い水に浮いています。肉団子のスープだそうです。赤い美しい色のは「ふくおかのいちご あまおうのデザートです」なかなかのメニューです。
 隣に座ったしょうへいくんが「いっぱいやりますか」と言うじゃないですか。
「いいですねぇ」と答え、茶色の水? をいただきました。もちろんうそっこですよ。すると、咳き込んでしまいました。いつものように咳が再発して、出だすと出続けてしまいます。すると「あ〜、これはとしよりがのむと せきがでちゃうんですよ」ですって。
 私のこと、ちゃんと年寄りって思っているんだ! 
「じゃあ、たんさん(炭酸)にしますか?」
「そうします」
 なんとも子どもとおとなの会話とは思えませんでしたけど、たぶん、家族の会話なんでしょうかねぇ。
 りんごの木に添った斜めの坂には雨樋が長く繋がれています。いつもは水を流してあそんでいますが、今日は違います。ビニールテープの使いかけを転がします。きれいです!
 その雨樋に四つ足になってトンネルを作っているこうたくん。股の下をビニールテープが通っていきます。
「おならコースです!」
 プップと音を出します。反対むいてしゃがみます。「こんどはうんちコースです」

 もう、笑っちゃいます。下品も上品もありません。子どもってどうしてすぐにこんな発想しちゃうんでしょうね。
「そろそろかたづけなくちゃ」のおとなの言葉でわれに返ります。こんなに散らかっちゃった!
 子どものあそびエネルギーってすごいです。どんどん散らかります。どんどん楽しみます。片付けるときのことなんて考えてもいない。そう、これがあそびです。
 ひとつであそんで次のおもちゃになったら「前のを片付けて」としつけているおとなたがいますけど、それはあそび心に水を掛けているようなもの。片付けを考えて散らかるのをセーブするとしたら、もう、あそび心は燃えていないと言えますよね。
 子どもたちはおとなの力も借りて、文句も言わずにセッセと片付けていきました。楽しさを満喫したからでしょうか? 数時間の子どもたちとの時間は、このところの疲れ気味の気持ちに息を入れてくれました。

 

 そうそう、土曜日に「りんごの木 ちいさなセミナー」という保育者の集まりをやりました。30人限定で3回連続で、今回が最終会。遠方からもいらしてくださって驚きましたが、それぞれ職場で奮闘しているだろう方々が、同じ方向を見ている人たちと集うことで自分の保育を確認しあえるのだと思います。初回2時間が、次は3時間になり、とうとうこの日は6時間に及びました。
 実はこのとき、私のマイクを持つ手が震えていると教えて下さった方がいます。「脳に何かあるといけないから、あいこさんに長く頑張ってほしいから言わせていただきました」とのことでした。

 全く自覚がなかったので驚きでした。この日、実は近しい親戚の若い人が急に亡くなってお通夜の日でした。セミナーか、お通夜か少し迷いましたが、セミナーにしたのでした。マイクを持つとき「重いなぁ」と感じてもいました。
 セミナー翌日、告別式を終えてから医者に行きました。手をあげたり下げたり、目をつむって立ったり、片足になったり、舌を出したり動かしたり、血圧を測ったり・・・・・・「どう診ても脳に関係ないと思います。疲れていたんじゃないですか? お箸をもつ手が震えたら老化です」とのことでほっと安心でした。
 参加者の方が教えてくれたことがうれしかったです。気になったことを言わずに心配してくれるより、はっきり伝えてくれたことで自分もはっきりさせようと思いますから。だいたいは言わないより言った方がいいことの方が多い気がしませんか? 言うこと、言われることで一歩前に出ますもの。
 お近くにいる人の健康チェック、お互いに気にかけるようにしましょうね。    (1月23日 記)

                                  

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