緑が日々濃くなっています。ゴールデンウイークは楽しかったですか?
私は真ん中に仕事が入っていて、たまった仕事などもあり、家でごちゃごちゃ過ごしました。
そういえば連休前日に、クラスを巡りました。
4、5歳児、畑(空き地)に行くと、一番に来た子がまず、水道の栓をひねり水を出しました。そのまま姿がみえない、つまり出しっ放し。止めようかどうしよかと眺めていたら、大きなシャベルをもって現れました。水は川だった涸れた溝に流れてきていました。
川を太くしようと掘っています。水の量が徐々に増えてくると、たまった池の手前にダムを作り始めました。流れていく水を堰き止めるべくレンガを探してきて置き、漏れてしまうところに土を埋め込んでいきます。土木作業は、そりゃあ楽しそうです。
「一緒にやってもいい?」と聞くと「うん」。そこで、私もシャベルを取りに行きました。少し上にもダムを作り始めました。だんだん子どもたちが来て、眺め、やりたくなりと広がっていきます。
ダムをもうひとつ作るために土を掘ろうとすると、カチカチでシャベルの刃が立たない。すると土木の先輩は、
「みずがはいっているところのつちがやわらかいから、あそこのをほっておいで」
「つちはみずがまざると、やわらなくなるんだよ」と言います。
あそびってすごいです。こんな科学まで学んでいるのです。
だんだんはまっていき、しゃがみ込んで土の感触を楽しみたくなり、程よいチョコレート状の土をなすっていると、
「あいこさん、きょうはずっといられるの?」と聞かれました。なんか情けないです。いつも最後までじっくりあそべない私。今から小さい組に行かなければなりません。
「ごめん、いられない」
こんなことしていたら、今に見捨てられちゃうよね。
小さい組に行くと、なんと部屋のお膳では早弁をしている子どもたち。もちろん、お昼には程遠おい10時30分前。お膳を囲んだ4人の女子。蓋を開けてはいますが、食べる勢いはありません。
私の推測ですが、何をしていいかわからないとき、あそびのきっかけをどうやって作っていいかわからないとき、こうして食べることがきっかけ作りになるのではないかしら? 食べながらおしゃべりが始まり、そのうち距離が近くなり、あそびが始まったときはお弁当から離れて行きます。「お弁当箱の蓋は閉めてね!」と声をかけました。
おやおやトイレ前の細い廊下には二人の男子。やはりお弁当を食べています。薄暗い中で、ちょっとワクワクいたずらっぽい顔して。次に見たときは子どもはいない! 蓋を開けっ放しにしたお弁当箱が残されていました。見かねた保育者が蓋をしてかたづけています。
ちょっといただけない光景です。私だって好ましいとは思っていません。けど、子どもなりに繋がるためのひとつの手立てではあるようです。だんだん、子ども同士が繋がって
あそびが楽しくなってくると、お弁当を広げる時間は「おなかがすいた」ときになってきます。4,5歳児になるとお昼過ぎてもあそびが止められないことも多くなります。
そういえば、なにをしていいかわからないとき、子どもって「おなかすいた」って言いませんか? 話が長かったり、座っているのがイヤになってくると「おしっこ」と言いますよね。子どもの心情を表す態度や言葉って、おもしろいですね。
やっと少し子どもの空気を吸えたいっときでした。やっぱり面白いです、子どもたち。
(5月8日 記)
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