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 毎日天気が変わり、気温差も大きくてまいってしまいます。
 6月3日は雨で気温も低かったです。4、5歳児の保育に行きました。
「今日はたぶん雨だから、人口密度が濃くてうるさいだろうな。雨の中、半分くらいの子は外であそんでいるに違いない」と思いながら行きました。
 ところが、外に子どもはいません。全員が部屋であそんでいます。台所近辺では一週間に一度の「坪田さんのお昼ご飯」メニューは麻婆豆腐でいい匂いがしています。お手伝いのお母さんが三人入っています。
 子どもたちは何をしているのかと言えば、それぞれです。ひとりで本を広げて折り紙をやっている子もいます。「メイクさん」がいて、サインペンで顔にお化粧をしてもらっている子が数人。トイレ入り口にある鏡を前に、サインペン数本をもってメイクしている子もいます。緑だけを使って、おとなの化粧とは違って顔をきれいに飾っているといった感じ。
 テラスのところでは雨樋を使って、流れる水コース。雨のために長くはできず「スイッチバックしているの」と、曲がっている部分があります。ホースからの程よい水流に、紙、ブロック、木片とつぎつぎ流します。いつもはあまりあそんでいないレゴを流してみたらきれいです! つぎつぎ流し、とうとう容器を逆さにしてどっと流しました。私も興奮気味。途中でひっかかったところを、棒をもった子がスムーズに流れるように見張っています。流すことがこんなに楽しいのです。それぞれが充実してあそびこんでいる姿にうっとりしました。

 人口密度と集中度の関係を、初代大空小学校の木村泰子さんがおっしゃっています。大空小学校にはいろんな子がいる、発達障害の子もいる、ウロウロしたり走り回ったりする子もいるからこそ、自分のやりたいことには、より集中力が発揮されると。今日の子どもたちを見ていても、つくづく思いました。それぞれが充実した顔をしていることがうれしかったです。
 そのあとの片付けもあっという間に! あそびきった気持ちよさが切り替えをスムーズにしているようです。ミーティングの時間になり、ひとり一人の名前を呼ばれるとこれまた、「はい!」と手をあげる子は少なく、真ん中にでてきてパフォーマンス。今はブリッジがはやっているらしくみんなに見せます。上手な出来でなくても、自分だけが登場する場面にいい顔をしています。
 6月5日は夏日でした。4,5歳児は畑(空き地)の日です。打って変わっての日ですが程よい風が流れて気持ちいいです。まず目に飛び込んだのは大きな穴に水を入れ、板を斜めにして泥プールに滑り込んでいる子ども。竹を組んだ上にビニールシートを敷いてつくったプール。気温が高かったので「あったかいプールだよ」と言っていました。新しい穴を掘っている子ども。何やら飲んでいる子がいます。先日作った「梅ジュース」です。私もご馳走になりました。「おいしい!」甘酸っぱくておいしいです。
 杏を食べている子が! 木になっているそうで、行ってみると落ちているのがひとつだけ残っていました。これまたおいしい!
 桑の実もあるよと案内してくれました。少しだけ残っていました、おいしい!
 紫の花もおいしいんだよとつれていかれたので、初めて口にしました。確かに甘い。「だけど、おくまですうとにがくなるからね」言われた通りになってしまいました。
 しばらくすると、木陰でのミーティングが始まりました。

 このところの保育者の研修などでよく受ける質問があります。「どこまで子どものやらせていいのですか?」と。どこまで? と言う発言は上から目線。おとなが主役になっています。でも、子どもがやることってそんなにハチャメチャじゃありません。いろんなことを感じ考えながら体験しています。子どもたちを見ていて「やっぱり子どもはおもしろいしたいしたもんだ」とほれぼれします。
 実は本を作るためにカメラマンが入っていました。「子どもたち幸せな顔していますよね」と私が声をかけると、「幸せな子どもたちを撮していると、私も幸せな気持ちになります」と返ってきました。ほんとにそう思います。子どもの存在はありがたいのです。 (6月6日 記)

                                  

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