7日から富山県高岡市に行って来ました。
東京駅を発つときから、大雪のため列車は変更だらけで、駅員さんたちに緊張感が漂っていました。
上越新幹線の越後湯沢の近辺は大雪で、北陸本線に乗り継げず、長岡まで行ってから日本海に添って高岡まで行きました。
一時間半遅れくらいで無事に着きましたが、その間、「今日は雪のため、列車が遅れ、大変ご迷惑をおかけしました。誠に申し訳ございませんでした」「ただ今、切り換えポイントで除雪をしております。お忙しいところ、誠に申し訳ございません」というお詫びを30回くらい聞きました。
どうして、誠に申し訳ないなんて、最高のお詫び言葉を使うのか、不思議でたまりませんでした。
だって、緊張し汗をかきかき必死でなんとかしようとしている駅員さんたち、シャベルで汗びっしょりになって雪かきしている人たちに詫びさせようなんて思わないですよ。だって、その人たちのせいじゃないですもの。だれのせいと言えば、天の神様でしょう?
雪なんてちっとも降らない東京からたった数時間で、ビックリするような銀世界が広がりました。
日本海の波しぶきと真っ白な海岸線のコントラストは素晴らしかったです。
しかし、着いてからもずーっと雪。どんどん、どんどん積もっていきます。
「真っ白で、きれい」なんて喜んでいる人はいませんでした。
メイン道路は24時間除雪作業、みなさん、出かけようにも外のクルマは雪だるま状態、家から出るにも雪かき、出たところには除雪された雪が山になっている。交差点は雪の壁で左右が見えない、恐る恐る出て鉢合わせなんてのはよくあることだそうです。
クルマで職場についても、今度はそこの雪かきをしないと駐車できない。
朝、家を出るのに2時間の雪かきとか。
屋根の雪も、降り積もり、その重さで部屋の扉や玄関が開かなくなってしまうそうです。夜はビシッという音がして、つぶれるのではないかと心配。
雪下ろしも、行政の援助を受けられるのは、80歳や90歳の一人暮らしに限られ、ほとんどの人は自力でするより仕方ない。若者のいない家は大変だそうです。
そういえば、保育園では子どもを外には出せないそうです。雪にすっぽり入ってしまったら見えなくなってしまうし、雪が屋根や木から落ちてきて危ないからだそうです。
ともかく「こんなのは生まれて初めてです」という言葉がよく聞かれました。テレビでの報道では伝わらない、現地の大変さをかいま見た思いがしました。
私を呼んでくださった「やえもん文庫 絵本・お話交流会」は駅前の新しく立派なホールで催されました。神保康子さんがご自分の家で始められた文庫です。リハーサルのときは、失礼ながら、いろいろなことがいい加減というか練習不足というか、こんなホール借りちゃってだいじょうぶなの? と、心の中で思ってしまいました。オマケに天気が天気だし・・・何人来られるのかしら?
8日、今日も朝から雪が降り続いています。
でも、ぱらぱらとお客さんは来ました。
わらべ歌の「あんたがた どこさ」をうたいながら、子どもたちが壇上に。
次は目の見えない青年が「ビリーブ」の弾き語り、次は目の見えない少女が詩を朗読、もうひとりの少女が手話で。
そして、子どものトーンチャイム、おとなのトーンチャイム・・・こんなふうにプログラムが進んでいきました。
どれもあまり上手ではありません。でも、私の目からは自然と涙があふれていました。どの子も胸を張っていて、ここで大事にされていることが、自分の存在に誇りを持っていることが、伝わってくるのです。
とっても温かな気持ちになり、次に控えている私のスライドを使った絵本の読み聞かせも「だいじょうぶ。上手にやろうとしなくたってだいじょうぶ」と思わせてもらえました。
午後は「子育てを楽しむ」というタイトルで、皆さんにお話ししました。
何十年ぶりの大雪で、人の集まりもいまひとつでしたが、温かな心が通う会でした。
9日、やっと晴れました。私の大好きな剣岳、立山連峰は見事な姿で連なっていました。
帰りの電車で感じたあれこれは、次回に続けます。(1月9日 記)
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