先週の月曜日から木曜日までは4、5歳クラスの子どもたちが、あそびたいことを自分で選び、続けるという日々でした。つまり、朝来てから帰るまで、ずーっと同じあそびをし続ける、さらに、毎日あそび続けるのです。
日頃、どうしてもあそびを中断してしまったり、翌日続けられなかったりで「あーあ」という思いをしているということ、昨日、今日、明日と、継続してあそびを深めていくことができる年齢や時期にあると思っての計画です。途中で違うものに変更はなし、ということにしました。
その前の週、やりたいことをおとなも子どもも出し合いました。話し合いながら、いくつかにしぼっていきました。そして決まったものは、「料理」「跳び箱」「おうちごっこ」(ダンボールで家をつくるというもの)「工作」「人形劇」「カラーコーンであそぶ」(工事中のところで見かける赤い三角柱をご存じですか? あれです。あれは、なかなかあそべますので、りんごの木ではあそび用に買っています)。そして「探検」の7種類になりました。
私は探検チームになりました。子ども14人におとな二人です。
月曜日の初日は、とっても寒かったです。
行く気満々のひろきくんは、自分で作ったウエストポーチの中に探検グッズを入れてきました。磁石とカメラ、虫眼鏡です。
みゆうちゃんは、疲れたときの元気の素・氷砂糖を持ってきました。
とすかちゃんは、イチゴを持ってきました。
行く気ではあるのでしょうが、イメージがわかずに、いつものように来てしまった子も数人います。上着なし、手袋なし。歩き始めたものの、固まって表情も動きません。動けば温かくなりそうなのだけれど、身体が堅くなって動けないんです。
でも、ひたすら歩きました、北へ北へと。お寺を見つけ、墓石の陰で風をしのいでお弁当を食べました。それでも、虫がいそうな木の穴や、ガラスのかけらなどの宝物は発見。
火曜日は前日の雪が残っているところも・・・。(この日は、講演があったために私は不参加でした。ホッ!) テントを張って、お弁当を食べたそうです。
水曜日は晴れ、お日様はありがたい。行く先々であそんでしまうため、距離は進みませんでした。
木曜日は風が冷たかったですが、太陽が出ていたので快適。帰りに、途中にある観覧車に乗って、上から歩いたところを眺めて、この4日間の仕上げとなりました。
4日間で私が思ったこと。
1) 寒さで風邪はひかない。初日あんなに震えていた子も、翌日ちゃんと来ました。途中から風邪をひいた子はいませんでした。
2) 寒くても、身支度をしっかりするとだいじょうぶ。初日、固まってしまったけいけい(愛称)は、次の日の朝、家で泣いたそうです。「たんけん、いつまでつづくの」って。
でも、翌日からジャンバー着て、手袋持って、元気の素(スルメや干しいも)をお母さんから差し入れしてもらい、日々エンジンかかってきました。最終日、鼻歌を歌いながら歩いているのを見たときは、うれしかったですね。
3) 毎日流浪の民をしていると、そこで見つけた物であそぶのがうまくなる。お墓があれば囲ってある細い石の上を歩く、木の実が落ちていれば木の実を集めたりぶつけあったり、影ができれば影踏みが始まり、小川があればわざわざ飛び越える。もっとも、これが本来の子どもから発生するあそびなんでしょう。
4) 子どもたちがどんどん仲良くなっていきました。仲間というより家族っていう感じです。つまり、もともと仲良し同士でつくったグループではないのだけれど、子ども同士の距離がぐーんと近づき、好き嫌いよりそれぞれの存在感があるのです。
5) 一人ひとりの子どもの、いつもは気がつかない、見えていない様子を見せてもらいました。ほのかちゃんはいつも穏やかで、人とのバランスをとるのが上手です。ですから、自己主張している姿をあまり目にしませんでしたが・・・「あいこさんのかげふんだー」と、どーんと押してきたり、意地悪っぽい口調をしてみたりするんです。たぶん、家ではこんななんでしょう。いえ、お姉ちゃんがいますから、もっとすごいかもしれません。
他の子も、意外な顔を見せてくれました。りんごの木での顔をお母さんたちが見えないと同じように、家での顔を保育者は簡単には見ることができないんだったと、思いました。
6) 子どもって決して急がない、いえ、急ぐという事ができないようです。時間にあわせて自分をコントロールするなんて、思いもしないことのようです。お母さんたちの毎日のご苦労がわかりました。けれど、子どものペースであそびながら歩いていたら、街に入ったとたん、目まぐるしく、うるさく、追い立てられるような気分でした。きっと浦島太郎はこんなだっただろうと思います。
7) 親が子どもの背中を押して、応援して見てくれているのもビンビン感じました。子どもたちがどんどん主体的に動いていくようになりました。きっと、家で探検のことを話し、励まされているんだろうと察しました。家族でクッキーを焼いて持ってきてくれたしんぺいくん、家の近くに行ったら差し入れを持って会いに来てくれたけいやくんのお母さん、一瞬はぐれてしまったゆうくんでしたが、翌日文句も言わずに出してくれたお母さん。そっと、水筒にジュースを入れたお母さん。保育って、こんなふうにお母さんに支えられているんだと思いますね。
以上!
金曜日に、それぞれのチームが過ごしてきたことを、みんなに報告しました。
今週は他の人がやっていて、魅力的に見えていたものをやってみることにするでしょう!
(2月12日 記)
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