柴田愛子

●フラワーアレンジ  
   アトリエ レ・ポンム

 梅雨時は身体が重いですね。脱水機に入って水分を飛ばしたいです。
 こんな気候のせいでしょうか、子育てに悩んでいらっしゃる方が多いのです。毎日のように、メールやお話や電話で悩みを聞く日々が続いていました。「困ったね」くらいのことしか言えないのですが・・・。
 でも、親は悩んでいるけれど、子どもはあんがい大丈夫そうな例が多いので、そんなときは、親の気持にだけ寄り添うようにしています。

 先日の夕方、泣きながら電話をしてきた方がいました。
 キャッチホンが入ってしまったり時間がなかったりで、3回もかけ直してもらってしまいましたが、あきらめずにかけてくれました。そして、毎回、泣いていました。二人のお子さんに振り回されているようでした。
 内容は詳しく覚えていません。
 実は、失礼ながら、みなさん、悩んでいらっしゃるときは話が長いのです。
 いい加減に聞いているわけではないんですよ。
 でも、聞き終わって翌日になると、もう内容を忘れちゃうんです。ごめんなさいね。
 でも、そのときの感じは覚えていることが多いのです。特に、この方の場合は、電話でしたので、暗い声が耳に残っていました。

 あるところに講演に行ったときのことです。
 すぐ前に若いお母さんが座っていました。私が吸いとられてしまうほどに、しっかり耳を傾けてくれています。
 悲しい話には眉毛を寄せ、おかしいときには三日月のような目になり、私の話にあわせて表情が豊かに変わります。
 講演後の質問の時間の時、その方が手を挙げました。
「質問ではないのですが、私、先日、先生に電話で相談にのって頂きました」というじゃありませんか。
 なんと、なんと、泣きながらあの電話をしてきた人だったのです。電話で「もうすぐ近くに話しに行くから、よかったら来て」と、伝えてあったのです。
 相談を受けた方とこんな会い方をしたのは初めてでした。なんか、懐かしい人にあったような、すごくうれしい気持なんです。もう、他人なんて思えません。明るい元気な顔に、涙が出てしまいそうでした。同じ人が明るくも暗くもなるのです。
 つくづく思います。苦しいとき、出口がないとき「たすけて!」と、叫ぶといい。とにかく、自分の外に向けて声を出すのがいいと思いました。

 先日、りんごの木のお母さんたちのお話し会で、ひとりの人が「昨日、まな板、割ったの」と言いました。
 食事を作っているときに、子どもが外に出て行こうとする。外は車が来る通りに面していて危ない。何度行っても出て行こうとする子どもに頭に来て、まな板をたたきつけたら、割れちゃったんですって。
 お皿を割る人もいます。
 子どもを怒り出すと歯止めが利かず、「ごめんなさい」と言うまで許せないと言う人もいれば、「ごめんなさい」と言っても止まれない人もいる。
 家から出る人もいれば、閉じこもる人もいる。
「いえいえ、そんなときは、隣の子を預かっていると思うようにするの」という人もいました。
「私は隣のおばさん、ベビーシッターさんなのよ」と自分に言い聞かすと「なにやってんの!」が「どうしたの?」に変わるというんです。皆さんそれぞれに、子どもに頭に来たときのやり方を言い合っていました。
 お父さんの育児不参加に対しても、盛り上がりました。
 言いたい放題は気持ちいいものです。
 みんなで言い合って、その場限りで流すことが、何よりの元気の素です。
 お母さんたちも、「みんな、仲よく」なんて思わないで、心の窓をバーンと開けられる仲間を持つようにしましょう。
 開けた後は「その場にいない人に、告げ口しない」「いつまでも覚えていない、ひきずらない」はルールですよ。(6月26日 記)
 

講演会へのお誘い
 横浜市青葉区のあざみ野にオープンした「アートフォーラムあざみ野」をご存じですか。あざみ野駅から歩いて5分のところ、大きく立派な施設です。ここで7月7日(金)ママたちによる手作りイベント「子育てフェスタinあざみ野」が開かれます。午前・午後にわたって、踊ろう・歌おう・体験してみよう・・・いろいろなイベントがぎっしり。
 そのプログラムのひとつとして、【肩の力を抜いて もっと楽しい子育て】をテーマにお話しします。いつもこのHPを読んで頂いている方、まだお目にかかっていない方、いちどいらっしゃいませんか。100人定員のアットホームな雰囲気で、1時間半、いつものようなおしゃべりをします。申し込み方法など詳しい内容は
 http://plaza.rakuten.co.jp/teamwith をごらんください。

 ●バックナンバーもくじへ