先日、幼児のお稽古事に関しての記事を新聞で読みました。どんどん低年齢化していて、2歳児で37.3%の子どもが何らかのお稽古をしているということです。
ついこの前、育児雑誌の取材があったときお聞きしたのでは、1歳児が25%とおしゃっていました。え!? まだ、しゃべらない子も、ハイハイしている子も、もちろんおむつの子がお稽古?
そして、こどもに習わせたいお稽古の一番が英会話ですって!
知的なことでは英会話、体育的なことではスイミング、情操教育はピアノ(音楽)というのが一般的なようです。
なんか、無駄なお金を使っていると思うんですよね。
景気が悪くなっても教育産業だけは最後まで安泰と聞いたことがあります。そんなにしてまで、子どもを立派にしたいのでしょうかね。言い換えれば、子どもは、立派になるように親の願いやお金をしょっているのですから、重いです。
まだ判断もできず、ものも言わない子に、なぜ英会話? 親のコメントは、
「自分が英語ができずに不自由だから、子どもは困らないように」とあります。
おいおい、ちょっと考えてください。子どもがまだ1、2歳なのですから、その親の年齢はせいぜい30歳前半でしょうが。ご自分の人生、あと50年もありますよ! 英語ができなくて不自由と思うなら、ご自分がやったほうがいいです!
ピアノのお稽古にも同様なコメント、
「自分は習わせてもらえなかったけれど、ピアノが弾けると素敵だと思って」
おいおい、素敵と思うのはあなたでしょうが。自分が思っているなら子どもに押しつけずにご自分でどうぞ。
どうして、こう、自分をあきらめちゃうんでしょう。どうして、こう、子どもに願いや夢を託してしまうのでしょう。
あなたが80歳の時、子どもも50歳近くなっていますよ。そうやって考えると、親も子もたいして年齢違わないと思いません?
努力することはめんどくさいから、子どもに引き受けてもらうのですか?
自分を大事にできない大人が、子どもに自分を委ねているような気がするのです。
「子どもは真っ白なキャンバス、色を付け作品にしていくのは親の勤め」ということを聞いたことがあります。
その勤めに恐れをなした親たちが、プロという人たちに、作品として素晴らしくなるようにお金でお願いをする。いえ、それが親の勤めとさえ思っている方も多いようです。
私は30年以上いろんな子どもと会ってきましたが、真っ白なキャンバスではありません。みんな、違いました。赤もいれば、青もいる、黄色もいれば、ピンクもいる。生まれながらにして十人十色、誰一人として同じ子はいません。
そして、どの子も、ちゃんと感じ、考え、表現しようとしています。生きていく力を持っています。その子なりの魅力をもっているのに、あえて、それを見えなくしてしまうような早期教育は子どもに迷惑と言いたいです。
もっと、子ども自身を信じてあげて欲しいです。
もちろん、不安だったらどこかの教室に入れてもいいでしょう。けれど、それは、あなたの安心のためだと思ってください。
子どもの表情を見てください。
お稽古を続けているうちに、無表情になったり、自分の頭を叩いたり、癇癪が多くなったりしたら、無気力になったりしたら、辞めましょう。家で新聞紙ちぎってあそんでいたって、何でもかんでも投げていたって、ゴロゴロしていたって、なんでもベロベロなめていたって、大丈夫です。
素晴らしい環境に整えなくたって、人間の子は人間としての育ちをしていきます。あなたのうちの子は、あなたのうちの子らしく育っていきます。それがいや? でも、それはしょうがないのです。あなたの子ですから。 私が子どもだったら親にどうして欲しいかという、想像力を働かせて、育てていくのがいちばんかと思います。 (7月31日 記)
お知らせ
前回メールを下さった京都の淳子さん、ありがとうございました。
お返事したのですが、返ってきてしまいます。よかったら、また、メール下さい。あいこ
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