先週は、今子育てしている人たちと祖父母との関係が、頭の中にずっとありました。
というのは、子どもが小さければ小さいほど、祖父母の存在が母親の気持ちを不安定にしていることがあるようなのです。メールの相談が気になっていることがきっかけかも知れません。
もちろん、ジジババは嫁いびりをしているわけではなく、かなり協力的なのです。
好意であることがわかっているけれど、ありがたく思えないことがあるのです。
例えば、初孫でうれしくて仕方ない。初めての体験で疲れているだろうと足繁く通い、子守をしてあげる。
まだ、若くて体力のあるおばあちゃんならば、なおさらのこと、かわいさで多少の疲れはなんのその。
ところが、頻繁に、前ぶれなくやってくるおばあちゃんが気になり、家にいてもどうも神経が休まらない。
さらに子どもを抱いてあやしてくれるという好意が、初めての大事な子を取られるような気持ちになってしまうというようなことです。
こういう話を聞くと、どうするのがいいのか、トンとわからないのです。
祖父母に「構うな」というのもどうかと思いますし、初めての子に戸惑いながらも必死になっている母親に「好意なのだから我慢しなさい」というのも無理があります。
先週お話しに行ったところで、今幼稚園に子どもを通わせている母親たちと祖父母世代の方が参加している会がありました。
講演後の雑談に時間に「今の若い母親たちを見てどう感じます?」と聞いてみました。
「頑張っていると思いますよ」という声が大半。
「私たちも、ずいぶんやさしく接していると思いますよ」とも。
こういう講演にいらっしゃるくらいですから、子育てを支援しようとしてくれる方が多いこともあるでしょう。
「みなさんのときはどうでしたか?」とお聞きすると、三世代同居、さらにお店をやっている方などは、もう、子どもの面倒なんか見る時間はありませんでした。だから「親に預かってもらうことは、良いも悪いも考える暇はなかった」ということです。
家に嫁ぐという気持ちをもって結婚したこともあってか、親に取られるもとられないもない、そんなものとも思ってもいたようです。
「ベビーカーで電車やバスに乗ってくるのをみて、どう思います?」と聞くと、ちょっとしかめっ面になりました。
「私たちのときは、子どもがいたら出かけなかった。子どもが泣いたりして迷惑をかけるから、乗り物には乗らならなかった。どうしてものときは、おんぶして出かけました」というお返事。
そこは東京の下町でした。地域には大型スーパーはなく、個人商店が今でも活きている地域です。
新興住宅地から引っ越してきた若い人は、
「子どもの声がしない静かなところだと思いました。買い物も一箇所で済まないので、時間がかかってしまうのです。でも、慣れたら住みやすいと思っています」
とおっしゃっていました。
新興住宅地は子どもが群れていますが、ここは、年代もばらつきがあるので、街としては静かということのようです。
ここに集まった方々は、年寄りたちにたいしてあまり不満を持っていないようでした。
雑談は、両者とも穏やかで、いい雰囲気でした。
あれこれ思うに、嫁と姑の関係は、時代によってずいぶん違うようです。
かつては家制度の中で、嫁は末席にやっと入れてもらった「よそ者」的な存在だったと思います。
そうそう、若いとき読んだ石川達三の著書の中で「嫁は性生活を伴う女中生活である」という文章が、私はずっと忘れられなかったです。今だったら、人権じゅうりんと思いますけどね。
当時は考える時間も、考える自由も与えられなかったから、子育てを無我夢中にやってきたという人は多くいたと思います。
「第一子の男の子は親のものとあきらめました。第二子こそが私の子です」と話してくれた人もいました。
こんな感覚がいつの時代までなのかはっきりわかりませんが、たった二世代ぐらいの間にどんどん社会が変わった事による考え方のギャップは大きいように思います。
家族観、仕事観、住宅状況、子どもの人数、教育、考えてみれば目まぐるしいほど変化してきたと思います。
同じ現代でも、地域によってもずいぶん違うものだとも思います。
核家族の多い地域だと、同居している負担がより大きく感じるけれど、同居している人が多い地域だと、核家族の不自由を強く感じるということもあると思います。共感し合える仲間が少ないと負担が大きくなるということでしょうか。
違うことは同じにできないし、理解もしにくいものです。やっぱり、怖がらずにコミュニケーションをし続けていく事以外に、いい関係を作る方法はないような気がします。
なんだか、整理されないままごちゃごちゃと書きました。又の機会に、もうちょっと整理して書きます。(1月24日 記)
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