柴田 愛子                

 13,14日の土日は、浜松でピーマンズクラブ&ちょっぴんくらぶ主催の「わくわくセミナー」に行ってきました。
 雪のちらつくなかを新幹線で行ったら、たった一時間程度の所なのに、浜松は快晴で暖かでした。着込んでいった私は、もこもこぽかぽか。

 今回のセミナーは、トップバッターが私。その次は絵本作家の長谷川義史さん。
 夕飯に鰻重をいただいた後は、シンガーソングライター新沢としひこさんのコンサート。
 翌日は歌の作り手でもあり、絵本作家でもある中川ひろたかさん。
 トリは、あそび歌などで会場をわかせる若手の谷口国博さん。
 なんだか、ぱっと明るいスターっぽい人たちの中でひとり地味な私で、気後れしていました。トップバッターでよかったです。
 まあ、始まったら口がどんどんまわっちゃって、2時間が足りなくて、15分近くオーバーしてしまいましたけど。

 長谷川義史さんの奥さんは、私の絵本「どろんこおおかみと7ひきのこやぎ」の絵を描いてくださった人なので、面識はありました。ご夫婦とも味のあるいい方です
 中川さんは、27年前にいっしょに「りんごの木」を立ち上げ、小さくて貧しくて自由な時代を共にした人。
 新沢くんは、かつて「りんごの木」に初めて入ってきた保育者で、共に保育をした仲間。
 谷口さん(たにぞう)とは、数年前に一緒に仕事をしたことがあるので気楽な人。
 主催者も馴染みのある人で、とっても楽しい二日間でした。

 講師陣の中では自分が地味で気後れがするのは、やっぱり保育者という位置と、音楽や絵という表現方法をもたないということにあるのでしょうか。
 特にいやだなぁと思うのがサイン。
 今回特に、他の講師はかなりの量の本やCDが机の上に並んでいます。
 そりゃあ、私も並んではいます。でも、比べものになりません。
 私は、本を買ったときにサインをしてもらうという発想が、今まではありませんでした。
 けど、自分の本が出てからサインを求められることがあり、書くようになりました。
 平気な顔をして書いていますが、「えらそうに」と内心では気恥ずかしいと思っていたりするのです。
 今回、サインコーナーというテーブルがあり、私、長谷川さん、新沢さん・・・と名前を書いた紙が貼ってあります。
 初日の講演は、私の次が長谷川さん。きっと、あっちは長蛇の列になるだろう、
私の所にも5人くらいは並んでくれるかなぁと恐る恐るコーナーに行きました。そしたらね、私の所にも長蛇の列だったのです! 
 ありがたくサインをしていると、みなさん何かしら話しかけてくれます。
 その中には職場の人間関係の悩みだったり、保育の不安だったり、お子さんの相談だったりも多いです。
 講演を聴いて身近に感じて、自分のことを話してくださるのです。
 そして、握手を求められることもあります。それほどの人ではないのにと、これまた気恥ずかしいので「温かいわね」とか「冷たいのね」とか「頑張ろうね」なんて言いながら手を握っています。
 こういう私って、自信がないのかしら? そうでもない気もするのですが、小心者ってことかしら? 
 なんだか、いつまでも小さい子どものときの自分が中に潜んでいるのを感じます。

 今週後半は尾道、福山に話しにうかがいます。ということで、次回のつれづれAikoはお休みします。(2月15日 記) 

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