柴田 愛子                

 先週感じたことをいくつか。

 まず、びっくり仰天したことがあります、
 久しぶりに、都内の地下鉄に乗りました。まだ、朝8時代の通勤時間帯です。
 立っている私の前に座っている女性は、鏡を熱心に見ながら、マスカラを塗っていました。
 これはすでに今までも見たことがあります。
 しかし、途中にメールが入りました。化粧は途中にして、メールを打ちます。
 終わると、今度は私が見たこともないマスカラ? まつげをハサみこんでつけるようなものを取り出して、お化粧を始めました。
 化粧品売り場に無縁な私は、化粧品の進化を電車の中で知ることになります。悪いかと思いながら、じーっと見てしまいました。
 ちなみに、両脇は男性が座っていました。

 もっと、びっくり仰天したのは、乗り換えた地下鉄のなかです。
 かわいらしい女性が座っていました。
 カバンの中から、おもむろに、大きなビニール袋に入った大きな菓子パンを取り出しました。
 手が汚れているのか、手を汚さないようにしているのか、ビニールの上から持ち、先端から少しパンを出してかじりつきました。
 徐々に上にあげながら、全部食べました。
 すると、次には野菜ジュースが出てきました。
 チューチューと吸い終わると、今度はケースに入った乳液状のファンデーションを出して、おでこ、ほっぺ、鼻、あごに点々とつけたかと思ったら、両手で顔にくるくるっと塗りました。
 その大胆さに驚いていたのですが、残念ながら私が降りる駅になってしまいました。

 いやー、乗るたびに見とれてしまう光景がありますね。
 もはや、優先席でメールを打っている人に腹を立てなくなりました。どの人も、どこでも自分ち(家)感覚、恐ろしや。
 考えてみると、公共の場だからとピリピリしているのは、幼い子を連れている母親だけかもしれません。

 次は、このところ頻繁に感じていることです。
 かつては、子ども連れの人が道を歩いているときに、車道側に子どもがチョロチョロしていて、ヒヤヒヤしてきました。
 が、このごろはイヌ連れの人にヒヤヒヤします。
 イヌは紐に繋がれてはいますが、その紐が伸びたり縮んだり。いつとびだすかわからないイヌに、ヒヤヒヤしながら徐行します。
 ひどいときは、飼い主は道の端を歩いていながら、イヌが車道のまん中に歩いていたりします。
 もはや、子どもの数よりペットの数の方が上回っているような実感。大事なものは大事に連れ歩いてほしいです。

 もうひとつ、講演会の参加者として○○公会堂に行きました。すると、客席両側の壁に「禁煙」と灯りが2箇所ともっています。さらに、その下に大きな描き文字で「禁煙」と2枚貼ってあります。
 公会堂内の席でたばこをすう人がいるの?
 まさか今の時代、講演やコンサートを聴きながら喫煙する人はいないでしょう。無駄で汚い張り紙なんてとればいいのに。

 この週、りんごの木での子どもたちは水あそびが主流。
 公園には、大きなヤマモモの木に実がたくさんなっていました。高い木に登って採ってくれる子どもがいて、甘酸っぱいヤマモモを食べました。
 ザリガニ採りに励んでいる子も上手になって、ひとりが5匹ぐらい捕まえてきます。
 シャベルで穴を掘って幼虫探しの子もいます。
 まだ、小さい幼虫に葉っぱをあげて「大きくなった!」と喜んで観察(そんな、急成長はあり得ないのですが、気持ちです!)しています。
 しゃばに出てざわざわした私の気持ちを、子どもたちがやわらげてくれました。

 8日から12日まで、北海道・網走と札幌に行って来ます。ということで、次回のつれづれはお休みします。(7月4日 記) 

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