ちょっと聞いてください。
でも、まったくつまらない愚痴ですから、お忙しい方は読まなくていいですよ。
りんごの木は10月28日から11月3日まで秋休みを頂いていました。なんと7日間もです。(いちおう、保育は夏休みを短くしたりして帳尻を合わせているんですけど)
この大事な秋休み、一年に一回、沖縄の海で珊瑚や魚を見てくることが、ここ数年の慣わしになっています。
今年は、本島の泊港から船に乗って、慶良間諸島阿嘉島に行く計画を立てました。28日の朝出発です。
ところが、こんな時期に、にっくき台風が来たのです。それでも、飛行機は順調に飛び続け、あと1分で那覇空港に着陸、下には滑走路が見えているというのに、浮上し始めたのです。
「警報機がなって着陸できないので、羽田に引き返します」という放送が流れました。えー!!
なんと、ただドライブしてきたようなものです。こんなこと生まれて初めてです。
でも、その時点では、まだ、休みはたーんとあるので、気持ちに余裕。30日に出発すれば、台風一過のいい天気になるだろうと。
ところが、なんと、ツアーの旅行計画は、そんなふうに日にちをずらす移行などできない。これは「キャンセル」になるということで、新たに取り直さなければならない。しかも、ツアーは10日前に締め切るので、今からだと、早くて11月7日の出発からだというのです。そんなー! 「早い時点に予約をいれる」から、そして「自由が利かない」から安いのだと。もし31日からで飛行機、船、ホテルを個々にとると、値段はほぼ倍になるというのです。どうも、わからないこの仕組み。
雨降る中を、旅行会社に立ち寄り、あきらめて家路に。しかし、荷物を片付ける気になれない。
荷物を見ながら、あかりちゃんのことを思い出していました。
3年前になるでしょうか、年長児が夏のペガスス・キャンプに行くときです。
あかりちゃんは、前日におたふく風邪になってしまったのです。熱もあり、いっしょに行けませんでした。その後、お母さんから、あかりちゃんはリュックを1か月も片付けられなかったと聞きました。
あかりちゃんの気持ちに心から共感できた私です。
もうひとつ、思い出したのが、今は中学になってるあかりちゃん(偶然同じ名前でした)。楽しみにしていた江ノ島遠足の日、大雨でした。「雨なので延期」ということにして、りんごの木で子どもたちを迎えました。
「おはよう。今日は雨で残念だったね」と、あかりちゃんに声をかけると、ムッとした顔をして、
「そういうことじゃない」と怒られました。「かってにきめた!」と。
そのことも思い出しました。なぜか、納得がいかないというイヤな気持ちです。
その日、空っぽの冷蔵庫の中から、粗末な冷凍食品を出して夕食にしました。
翌朝は沖縄行きの飛行機はほぼ欠航。ホッとするから意地が悪い。
目覚めの布団の中で「お墓参りに行こう」と決めました。
最近、墓参をしていませんでした。足止めを食らったのはこれ?
いえ、墓参りに行くと、何となく落ち着けるのです。両親の墓、同じ墓地内にある母の友であり私の恩師でもある方の墓、そして、子どもの頃から世話になった裏に住んでいたおじさん、おばさんの墓と3軒ハシゴ。
どこか、違うところに行ってこようかとインターネットを開くけれど、台風が直撃してくるかもしれないと天気予報。どっちつかずで、ぐずぐず。
その翌日、行けなかったことが残念だったけれど、台風なんだから仕方ない。そういうことより、ツアーの日程をスライドできないということに納得できない気持ちが強いことを自覚。ツアーの社長に手紙を出そうかとも考えましたが、もう一度ツアーの会社に電話を入れて納得できる説明を乞うことにしました。結局、納得しようがないシステムであることがわかりました。
そして、荷物を解きました。
毎日、寒かったし、炬燵に入って、たまっていた本などを読む日々にしました。
台風が去って、晴天になったときには、秋休み残り2日。
元々の私の予定では、前半遊び、後半は原稿書きとなっていたのですが、前半だけがめちゃめちゃになって後半に突入。いつもより目を使いすぎたせいか、頭痛までしてくる始末。
とんだ、秋休みとなってしまいました。
ぱっとしない休み明け。3歳児の子どもたちの部屋から「かーごめ かごめ かーごのなかの とりは…」と聞こえてきました。とんで行ってみると、子どもたちだけで手を繋ぎ丸くなってあそんでいます。まん中にオニやくが目をつむってしゃがんでいます。後ろになった子が「○○ちゃん!」とよぶと、声でちゃんとだれかがわかります。
もう、こんな遊びができるようになったのかと眺めていると、なんだか元気が出てきました。
思い起こすと、いままで、暗い気持ちや落ち込んだときには、いつも子どもたちから元気をもらってきたように思います。
ありがたいことです。 台風の来ない春休みに、沖縄に行こうかな……。(11月7日 記)
●2010年のバックナンバーはここをクリックしてください。
●「つれづれAiko」連載の05年1月〜07年12月から53編を選んで一冊にまとめました。詳しくはここをクリックしてください。
|