タイトル

はな

柴田愛子

 9日から3学期の保育が始まりました。正月休みが長いので、昨年から祝日から始めることにしました。
 祝日なので、お父さんが送ってくる子も多かったですし、一日いっしょに過ごした方もいます。「いっしょに保育してくれて、ありがとうございました」と申し上げると、「実は、子どもと過ごすのが好きなんです。今日は楽しかったです」なんて言っていただいて恐縮でした。
 考えてみると、日常子どもとつき合う時間の少ないお父さん、集団での子どものあそびを見ることもないのでしょうから、新鮮なのかも知れません。
 ところで、この日、近所の公園で自治会主催の「どんどやき」がありました。
 家から持ってきたお飾りを燃やすだけでなく、樽酒がふるまわれ、餅つきをしてきなこや醤油、おろしにまぶしたものや、お雑煮も出されました。
 この近所にこんなに大勢の方が住んでいるのかと驚くほどの賑わいでした。
 準備をしてくださったのは町内の中高年の方々。お雑煮を頂く列に並んでると「いつもどうも。ひとり分でいいんですか?」なんて言っていただいて、覚えていてくださることに感謝でした。
 りんごの木は住宅街の中でやっているし、自治会館を毎月借りてお母さんたちの会をやったり、おとな用の椅子や座布団を貸していただいたりもしています。ここに引っ越してきて20年近くになります。自治会の一員として受け止めてくださっていることに感謝です。
 この日、2、3歳児の子どもたちも餅つきをさせてもらったり、綿菓子をご馳走になったりして、年始めの空気を満喫しました。

 どんどやきを始める前、公園に通じる遊歩道のたくさんの落ち葉をひとりの方が掃除してくれていました。
「ありがとうございます」と声をかけ、私もあわてて熊手を持って手伝いに行きました。大きなビニール袋に何杯もあるほどの量でした。
 掃除をしている脇をマラソンしていく人、歩いている人、たくさんの人が行き交います。
 ところがです!「ありがとう」「おはようございます」と声をかけていく人は、ほとんどいません。
 ひょっとして清掃員かと思われている?というくらいでした。見て見ぬふりなのか、気がつかないのか、ちょっと後ろめたい気持ちで声をかけないのかわかりませんけれど。
 私などは「ありがとう」の一言ぐらい言ったらどうなのよと腹が立ってきましたが、その方は「ぼくができることをやっているのです」と、たんたんとおやりになっていました。「人間できているなぁ」と感心しました。
 震災以降、地域力とか絆とかいわれているけれど、ただ期待するだけでは始まりません。繋がるための努力は、声をかけるというささやかなことから始まるのではないだろうかと気づかされた思いです。

 15日はりんごの木の親主催のバザーがありました。ここでも樽酒がふるまわれ、餅つきもありました。(当日の様子は写真でどうぞ。ここをクリック
 手作りの物の販売もありましたが、例年より食べるものが豊富でした。
 私が食べたものは、「おでん」「富士宮やきそば」「明石焼き」「フォー」「おやじコーヒー」。その合間に樽酒と餅。お腹いっぱいになってしまったので「ぎょうざ」と「キーマカレー」はお持ち帰りにしてもらい、全種制覇です!
 子どもたちが楽しめるコーナーもありました。おしゃれコーナー、ドレスを着て撮影しその場でプリントしてくれるコーナー、チョコバナナやたこ焼きせんべい、ヨーヨーやパチンコ、紙で作った剣の売り場もありました。
 お母さんが忙しい人は、お父さんが子どもをおんぶしたり面倒みたりしていました。卒業生がちゃんとかぎつけて親子でやってきました。私は忙しく食べながら、あっちでこっちでおしゃべりに興じ、新年らしい明るい一日になりました。
 お母さん有志の準備のおかげで、「当日だけ参加」の調子いい私は、とっても楽しかったです! ありがたいことです。
 支え合いながらいい一年にしていきたいと強く思いました。(1月15日 記)

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