公園の土が歩道に流れてたまっていたので、シャベルで土を取り除いていました。すると、大きなミミズがでてきました。小さく丸まった幼虫も現れます。すかさず4歳クラスの男の子が二人寄ってきました。
自分たちもシャベルを持ってきて、容器にミミズを集めます。
ちょっと大きな幼虫をいじっていたときです。
「いたい!」
指の先を幼虫にかまれました。地面の上の幼虫をしげしげと眺めて、
「ここにはさみがある。これでかんだんだ」。
それからも、小さな幼虫はごろごろと出てきました。何の幼虫なのでしょう。
もう、決してさわりません。指先に傷はありませんでしたが、よほど驚いたのでしょう。「いたかった」を繰り返しています。
ミミズだけに専念し、容器は太いミミズがうじゃうじゃいます。
小さい子どもたちは動く物は苦手です。でも、4歳ともなると動かないのもつまりません。でも、かまれるのはいやです。そこで人気なのが、ミミズやダンゴムシ、アリです。
他の4歳の子どもたちにも、幼虫にかまれて痛かったことを報告しています。
そこで聞いてみました。
「幼虫には顔があるの?」「あるよ」
「口は?」「あるよ」
「はさみもあるんだよ。かぶとむしとかになるから」と、いちおう知っています。
「ミミズは顔があるの?」と聞くと、「ない」「ある」これは分かれます。
「あるいていくほうが、かおなんだ」と言う子もいますが、確かにわかりにくいですよね。
「じゃあ、ミミズに口はあるの?」と聞くと「ない」の方が、がぜん人数が多いですが、少数が「ある」
ほんとにミミズは不思議な生き物です。アリなどと違い動きも鈍いので、自分に迫ってくる危機感がないからでしょうか、ほとんどの子が怖がりません。
さて、しゃがみ込んでミミズ探しをしていると「ひみつきちがあるんだよ。おしえてあげようか」と言うので、ついて行くことにしました。
公園の隅の植え込みの中に入っていきます。すると、ほんとに子どもが二人は入れるくらいの空間があります。「はいりな」と誘われますが、私の体は大きすぎました。
4歳児は、この場所での保育はまだ一か月たらずです。でも、ちゃんと、こんな基地を見つけていたんだと思うと、感心するやらうれしいやらです。
大人の目の届かない、子どもだけの小さな空間。そこで、肩を寄せ合ってひそひそ話。こんなふうに心を寄せて友だちになっていくのでしょう。
そういえば、あちらこちらに二人組が見られます。大人のように名刺交換して名のり合うわけでもなく、無言の電波を発して近寄っていく子どもたち。これから始まる人間模様、楽しみです。(5月13日 記)
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