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 二学期が始まりました。今年はほんとにいつまでも暑くて「さぁ!」という元気が出ません。

 りんごの木は蚊も多いのです。暑くて、痒くて、登園拒否になってしまいそう。
 でも、子どもらは元気にやってきます。

 中には、イヤそうな子もいますけど、お母さんは夏休みが終わってホッとした様子。行かないなんて選択をできない感じ?
 子どもたちはビニールプールに入ってバチャバチャ、しばらくすると、寒いと言って上がってきます。暑いと思っても、秋風が吹き始めているのでしょうね。

 

 前回、OBの子どもたちの話をしました。今から20年近く前にりんごの木にいた子どもたちと話していて、あそび方、あそばせ方が、ずいぶん違っていることを改めて思い起こしています。
 ちょっとあげてみますね。
① まず夏のあそび方。

  当時、お弁当を持って一日中いられる屋外プールがありました。料金は手頃でしたし、監視員が 目を光らせてくれていましたので、安心して週に何回も通っていました。寒くても雨が降っても開 園していましたので、気温や水温を体感することもできました。水が嫌いな子もあそぶうちに慣れ てきて、泳げるようになってしまう子も多くいました。

  夏休み前後の7月、9月は貸し切り状態でした。水道局が運営していましたが、その後閉鎖され てしまいました。
  その後は近くの市民プールに行きました。期間や時間的には短かったのですが、同じように通っ ていました。しかし、ここも二年生以下は子ども一人におとな一人がつきそうという制約ができて 行けなくなりました。今は、室内プールに、親たちの協力を得て、何回か行く機会を作るのがやっ とになりました。
② りんごの木で大きめのビニールプールを毎日出しています。が、当時はスッポンポンであそんで いました。水着なんて持ってくる子はいませんでした。今は周囲のご注意もあって、水着やパンツ ははくようにしました。
③ 空き地にはバッタが飛んでいました。草むらに入ってバッタを捕まえていました。冬にはたこ揚 げするのに絶好の場でしたが、やがて、柵が作られ、現在は住宅が建ち並んでいます。
④ 前回にお話した「つるつる崖」は子どもたちの人気の場所。手と足を使って土の崖を登っていき ます。かなり高かったので、達成感は格別です。 やがて、そこはコンクリートに固められて、上 には家が建ち並びました。
⑤ 近くに病院がありました。そこの庭には子どもたちが登りやすい木がありました。入り込んであ そんでいても注意を受けることはありませんでした。もちろん、今は「とんでもない!」です。
⑥ 遊歩道探検といって、どこまでも続く道を歩いていきました。途中、池があり、暑いと入ってし まいます。滑らないように気をつけて、おとなも膝下まで入っていました。今はこけが生えていて 危ない物も落ちているので入る気にはなりません。遊歩道途中の塀を乗り越えた事もあります。不 思議とそんなところにも小学生が作ったであろう基地がありました。

 

 こんな風に考えていくと、子どもらと外に出るとあちらこちらにあそべるすきまがあったのが、ほとんどなくなっています。整えられてしまった町並みと住宅環境。危険度が高いと判断された施設は規制が厳しくなったり閉鎖されたり。おとなにとってメリットのない場は経費節減の対象に。
 でも、これが時代の流れというものなのでしょうか? かつて、私の子ども時代を思い起こしてもおとなは便利に、子どもは不自由になってきたのです。
 今のりんごの木の環境がどんどん変わっていったときに、子どもが言った言葉です

「おとなって、いじわるだよね」「あのザリガニはどうしたの?」とU字溝をはめられたときのつぶやき。子どもの宿命なのでしょうか?「大きくなればわかるよ、どんなに快適な街になったかを」ということなのでしょうか?

 今、子どもたちと楽しいことをしたいと思うと、「どこに行く?」となります。
 プラネタリューム、動物園、科学館、そして、自然体験がしたければプレーパーク。

 横浜市にもプレーパークが増えていることは喜ばしいことです。せめて、自然のなかであそび体験を保証したいと思うおとなたちの努力で広がっています。

 でも、子どもたちが日常的にあそびを見つけ出す場は? 
 それでも、子どもたちは公園の隅の植え込みに身を隠し、あそんでいます。
 それでも、子どもたちは虫を見つけてきます。
 それでも、子どもたちは棒を拾ってきます。
 偉いです!
 たまに野山に連れて行けばいいと思う人もいるでしょう?
 でも、なんだか、日常のストレスを発散するために自然に触れさせているような気がします。子どもにとっては「日々のあそび」が生きていることなのです。
 
 おとなたち、ちょっと図に乗りすぎていやしませんか?

 おとなと子どものいいバランスで、街づくりができないものなのでしょうか。 (9月2日 記)

 

 

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