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 20日土曜日はすばらしい秋晴れの運動会でした。
 2、3歳児は子どもたちの日常にちなんだ種目を保育者が考えました。


 4、5歳児は、今月初め頃、子どもたちで種目の候補を出し合いました。

「自分がやりたいこと」「みんなもできること」「見ている人たちが応援したくなること」の三つの条件にあったものを考えます。なんと、51種類もでました。

 自分で考えたものを、みんなの前で提案します。

 みんなの賛成を得るために、魅力的に思えるように話す必要があります。

 一人だけの提案でも、がんばり続ける子もいますし、気後れして降りてしまう子もいます。

 必死のデモンストレーションに心動くときもあれば、涙ながらの姿に心が奪われて賛同を得ることもあるからおもしろいです。言葉だけではなく、実際にやってみたりして、日々検討を続けます。

 最終的に6種目に決めて、最後の一週間で練習です。
 決まった種目は、全員一致がパン食い競争、リレー、そして、ゴー5りんご(障害物競走のようなもの)、玉入れ、綱引き、パレード・ステージとなりました。
 案外一般的な運動会種目になったのは、やはりシンプルでわかりやすいものなのかもしれません。


 さて、練習が始まったのですが、困ったことがありました。4歳児で三月生まれのみあんちゃんがときとしてやらなくなってしまうのです。つくづく困ってしまうのはリレーです。走らないでしゃがみ込んでしまいます。次の子にバトンが渡らずにストップしてしまい、みんなが困ってしまいます。 そのときの表情はうつむき、閉ざした顔になります。なだめてもすかしても動きません。

 ところがこれまた理由はわからないのですが、走るときもあるのです。そのときはにこにこしています。理由はあるにちがいありませんが、言葉に表現できないのでしょう。
 そんなみあんちゃんに寄り添うように、5歳児のあすかちゃんが「こころのとびらが、しまっちゃったの?」と聞きました。みあんちゃんが「うん」。
 なんて的確な心の表現でしょう。みんなもそれで納得できました。それからはこの言葉が大流行。みあんちゃんが生き生きしていると「こころのとびらがひらいてるね」。無表情になっていると「しまってる」と。

 やがて、他も子も気持ちを表現するときにも使い始めました。両手を胸に当てて開いたり、閉じたりしながら「ぼくのこころのとびらが、ひらいたり、とじたりするんだ」。

 運動会ではみんなドキドキ感を抱えます。勝敗にこだわる子はなおさらのこと。そのときの気持ちは、まさにこの言葉がぴったりでした。


 当日、みあんちゃんの心は開いていました! みんな、どんなにかホッとしました。
 こんなふうに一人ひとりに心のドラマがあるのが運動会。一人ひとりのドラマは、子ども同士の関係も育んでくれます。これからの後半が、楽しみになってきました。 (10月21日 記)

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