qq
wrs

 

 ハードなスケジュールをこなしながら、ちゃんとあそんでいます。
 りんごの木には「秋休み」があります。春、夏、冬と休みがあるのに、自然の美しい秋に休みがないことに疑問というか不満がありました。それで、設立当初から二学期を少し前倒しにして始め、秋休みを作りました。親御さんにはご迷惑かもしれませんが、りんごの木の場所はご自由にお使いくださいと申し上げて、譲っていただいています。

 今年もヒマラヤ山脈を眺めに、ネパールに行ってきました。昨年も同時期に行きました。その雄大な山々に、我が心を忘れるほどの神々しさを感じました。

 今年は昨年天候不順で見えなかった場所を再度訪れました。

 

 三十代の若いときは山歩きが趣味でした。特に北アルプスが好きで、夏山だけでなく、とうとう冬にも行くようになりました。山を登っているときの思考がなくなり無になる状態が特に好きでした。しかし、年齢や仕事の忙しさに比例して、徐々に気力体力が失せてきたのですが、山の魅力はなくなりません。そこで、楽をしていい景色を見たいという心情になってきました。一生のうちにスイス・アルプスとエベレストだけは見ておきたいと思い、ここ数年実行しているわけです。


ヒマラヤ 日本からは香港経由でカトマンズに入ります。翌日、国内線でポカラに向かいます(飛行機の中から、すばらしい山々が……)。そこから途中まで車で行き、2時間半程度足で登っていきます。標高1600メートル程度の場所ですが、目前には8000メートル級の山々が白くそびえ立っています。
 日本語ができるガイドさんが案内してくれます。リュックはシェルパさんが持ってくれます。つまり私は最低限の水と飴くらいの軽々ナップザックだけ。大名登山にみたいなものです。ありがたい。

 世界中から結構大勢の人々が来ています。トレッキングにはガイドをつけなければいけないようです。自分で荷物を持っている人もいますが、大半は持ってもらっています。そして、途中途中に宿があるのです。
 今回はのんびりで同じ宿に二泊、3時間歩いた先にもう一泊でした。

 すべて、快晴! 

 夕日に山が染まり、夜はあきれるほどの満天の星。やがて煌々と満月が出て山を白く照らします。朝は朝焼け、やがて真っ青な空、昼ごろになると少し雲が出て、夕方になると雲が晴れて、夕焼け。 この繰り返しの日々。

 一日の歩行時間は3時間程度ですから、あとはぼーっと眺めている。室内の電気はあまり明るくないので本は読まない。すると、眠気が・・・・。起こされると夕焼け。

 こんなありがたい、心の洗濯どころではありません。心の洗浄とでもいえるでしょう。


 こんな至福のときを過ごしているうちに、正反対の日常が浮き出てきました。

 原発のこと、放射能と子どもたちのこと、病んでいる子どものこと、深刻な悩みを抱えている○○さん、○○さん、○○さん、○○さんのことが、そして、無力な自分。改めて、私は日々を緊張しながら過ごしていることに気づいたのです。私自身が考えなければいけないりんごの木のこと。そして多くの人の相談。人の悩みをお聞きすることはできても、解決することはできない。そんなことは当たり前なのに、いつかそこに何もできない自分という思いが沈殿していたようなのです。それをストレスのいうんでしょうね。
 そんなところで、こんなことに思いを巡らせるなんて、残念でしょ? 

 でも、大自然を前にそんな自分が自覚できて、自分の体から少し離すことができて良かったと思っています。なにか、違う考え方や処置の仕方を探ることができそうな気がしています。
 今、精神を病んでいる子どもたちも、ここに来て日々を過ごせばなにか変わっていくような気もしました。
 様々な問題、教育、経済、住居、今の日本は緊張状態のなかで生活しているといえるのかもしれません。でも、住んでいればどこでも同じなのかしら? わかりませんけど。

 ネパールに行ったとは言えません。だって、ほんとに山を見ていただけですから。でも、休憩は必要でした。そして、やっぱり自然は偉大です。

 

 この週末は「全国森のようちえんフォーラム」でした。兵庫県のすごーく山奥の「美方高原自然の家」に、全国から300人が集まってきました。子どもたちが自然の中で育って欲しいと活動している人々や親たちです。熱く語り合ってきました。(11月11日 記)

 

 

2012年度のバックナンバーはこちらをクリックしてください。