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 小さい組(2、3歳児)の一部屋からいい匂いがしていました。カマス、イシモチを焼き、アイナメを煮ている匂いです。そして、味噌汁とご飯でお昼ご飯にしていました。

 いつになく、長時間、しずーかに食べていました。骨をより分けたりするので、しゃべらず黙々と夢中でした。焼き魚の生臭さが鼻についた子は、鼻を押さえながらも、もりもり食べていました。横を素通りして、私は事務室へ。残念!(この様子はアルバムがあります。ここをクリック。)


 大きい組(4、5歳児)の一つの部屋の中は段ボールが散らばっています。この数日電車ごっこが展開されているようです。電車そのものを作っている子もいれば、改札口や切符などをしこしこ作っている子もいます。なんと天井には防犯カメラが設置されていました。一見関係なさそうなネックレスを作っている子もいます。どうやら、先日駅を見に行ったときにアクセサリーを売っている店が目に入ったようです。みんなが駅に向かうときも「いってらっしゃーい」と見送った私。残念!


 先週もお母さんたちのお話し会や、よその講演、外の仕事などで、保育にどっかりと腰を据えることができませんでした。

 どこの園でも園長という人はかつて保育者だった人が大半で「園長って、保育ができないのよね。なんといったって保育がいちばん面白いのにね」とこぼしています。私も、なぜか、そんな状況になっています。

 それぞれに面白そうな保育を展開していることに、うれしくは思ってはいるんですけどね。

 

 さて、土曜日は「お父さんたちのお話し会」でした。

 りんごの木は毎月「お母さんたちのお話し会」はしていますが、時間的にも難しいお父さんたちの会は企画していません。ところが、ここ三年、お父さんの一人が「ぼくたちも!」と企画してくれているので、私も乗って登場しています。この日は二十数名のお父さんの参加でした。

 どこの園でもそうだと思いますが、幼稚園はほとんど妻が選んでいます。夫が賛成している場合もありますし、すっかり任せている人もいる、本来あまり賛成ではないけれど妻の意向でという方もあるでしょう。でも入った以上、園の創設主旨や日頃の保育内容などを知っていただけたら、こちらとしてもありがたいわけです。この日は企画者の進行のもと、りんごの木のポリシー、子どもの心に添うってどういうこと? など、柱になっている話をしました。
 その後は、お父さんたちの他者紹介。二人一組になって話した後に、相手を紹介するというものです。
 徐々に会場もリラックスしてきて、お父さんは家で何をやっているか、役割を持っているのかという話になりました。「風呂掃除」「食器洗い」「洗濯物をたたむ」など、案外協力的です。私の明治時代の父親像とは雲泥の差。
 そして「妻が日頃育児で大変そう。何をしてあげればいいのかわからない」という発言がありました。こう感じている夫は数人いました。これに関してはお父さん同士の意見はすばらしく参考になりました。

「休みの日は、せめて子どもと自分で過ごし、妻を解放してあげる」

「いろいろ迷ったり、苦しんだりしているけど、聞きながら待ってあげる以外ない」

「美容院から帰ってきたら、なかなかいいよと言ってあげる」

など、基本的にやさしい。
 仕事の疲れがどうすれば癒されるかに関しても、「帰りにいっぱい飲んでいく」という昭和のスタイルは五人くらい。子どもを抱くと疲れがすーっとなくなると言う方のほうが多いようでした。
 多少みんなの前で格好をつけている人もいるでしょうけれど、家族を自分の人生の中心に置いている夫が多くなっている気がしました。
「家事、育児はおまえの仕事」「おまえがちゃんとしつけないから、子どもがこんなになる」「お父さんはこう考えているって、ちゃんと子どもに言っとけ!」なんていう父親は、もはや少数派なのでしょうか?
 確かに、核家族でマンション住まいが多く母親たちの肩に育児の責任が重くなっているのも事実。ですから、夫と共に暮らしを作っていく姿勢は必然かもしれません。しかし、夫も仕事がハード、家のこともあってアップアップ状態の姿も目にします。子どもが小さいときこそ、ゆとりの時間が必要なのですけれど、うまくいきませんね。
 この日、開始は午後1時。話が一段落して、お母さんたちが食事を持ち込んできてくれたのが午後5時半。子どももわいわいがやがや遊んでいるなかで、母親たちは円陣を組んでおしゃべり、父親たちは飲みながらおしゃべり。お開きになったのは午後10時近くでした。一年一回ではありますが、私にとってはとても新鮮な時間です。子どもとお父さんの顔が一致するだけで、子どもの背景や妻の発言がするすると解けていくこともあります。
「ありがとう」って言いたいような、なかなか、いい一日でした。(11月18日 記)

 

 

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