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 今日は節分。新聞を読んでいたら「節分を楽しもう」という大きな字のタイトルに目がひきつけられました。「楽しもう」にひっかかったのです。それなりの意味があっての日本古来の行事に、楽しみも楽しむもあったものではないと思うからです。
 記事の内容を読むと、地方によってと違いなども触れてはいますが、恵方巻きに関してのあれこれが書かれています。本来関西から始まったそうですが、今や全国にひろがり、海苔巻きの中身は多種多様。海苔巻きどころか、ロールパンがこれに代わって作られているという話。107種類の恵方巻きを売っている百貨店があるというのです。


 私の記憶では、子どもの頃には恵方巻きはありませんでした。

 大きな声で、「おにわそと ふくわうち」と家族で窓を開けて、家中に撒くのが通例でした。

 どこの家からも大きな声が聞こえていました。
 恵方巻きが現れたのは近年。コンビニエンス・ストアーで売られているのを見たのが、初お目見えだったような気がします。
 近所の大きな声は姿を消してしまいました。


 クリスマス、ハロウィン、バレンタイン……ほんとに日本は企業商戦に引き込まれながらイベント的に楽しんでしまうというのが得意のようです。

 私はどうもスッキリしませんが、こんなふうにでもしなければ伝統的な行事はなくなってしまうのでしょうね。これ'時代'と受けいれるべきなのでしょうか?

 

 さて、前回のつれづれが気になっている方もおられるでしょう。雪遊びに行くか行かないか迷っている二人はどうなったのかお伝えします。
 最終的に自分で選ぶことにして、子どものミーティングを終えました。


  1. 頑張って行く
  2. 行かない
  3. お母さんもいっしょに行く


 三つからの選択です。
 一人の子は「おかあさんといっしょにいく」にしました。お母さんに了解を得て、弟もいっしょに行きました。
 もう一人は行きませんでした。お母さんといっしょだったら行けるけれど、たぶん、行ってもお母さんはずっと怒っている顔をしていると思う。だから、行くか行かないかのどちらかにしたいということでした。そして、当日この子はリュックなしの空身できました。みんなに「いってらっしゃい」を言って、お母さんと帰っていきました。

 子どもはすごいです。親の気持ちもお見通し。でも、子どもの結論を引き受けた親も偉いです。二日間楽しく過ごせたということでした。その背景には、お母さんの気持ちに共感した母親たち、子どもの気持ちを話し続けた保育者たちの励ましがあったのでしょう。そして、母親は「腹をくくれた」からこそ、楽しめたのではないでしょうか。

「腹をくくる」を辞書でみると「覚悟を決める。いかなる事態にもひるまないよう心を固める」とあります。生きていると、こんな状況はときどき訪れます。子育てしていたらなおさらでしょう。今回のことが、きっとこの親子の人生の糧になっていくと信じています。(少しオーバーかしら?)


 清里は二日間快晴でした。行きは青空の富士山を眺め、現地では八ヶ岳が美しかったです。
 雪もかなりあって、一歩進むごとにブスッと足が沈むのでいい運動でした。あ! 子どもはあまり沈みません。あれは体重に比例しているようです。
 そりにはまる子もいれば、それには知らんぷりで雪に穴を掘っている子、雪の塊を磨いている子、同じ場所にいながらそれぞれに遊びを見つけています。背景に雪山があり、広い雪原で小さい子どもが遊んでいる風景はなんとも幸せでした。身支度と夜は「まったくー」と思いましたけれどね。

(「ゆきあそび」の写真はこちらをクリックしてください。  2月3日 記)

 

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