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 先週はいい天気が続き、子どもたちも、目一杯あそんでいました。
 1歳児の親子教室に来ている子どもたちも、やんちゃです。水あそびをせっせとして、体力ぎりぎりにあそんでいきます。そのあそび方を見ていて、お母さんが言いました。
「どうして、公園ではこういうあそび方にならないのでしょう?」
 確かに、子どもはじっとするまもなくあそび続けます。それに「みずしていい?」なんて聞きません。自分で好きにあそびを見つけています。同じ場に2、3歳児があそんでいるので、刺激されてもいるでしょう。もしかしたら、公園では親の「させていいのか、禁止した方がいいのか」という気遣いを微妙に感じて、子どもなりに多少の緊張感があるのかもしれません。


 2歳になったばかりのゆうたくんは、たまにしか来ていないのに3歳のなっちゃんが気になるようです。

 なっちゃんは活発で、意志がはっきりしています。彼女が砂場近くのガスレンジ(不要になった本物)で、片手鍋に泥を入れて料理をしていましたら、ゆうたくんがおたまを持って近づいていきました。横でガスレンジをばんばんたたきます。

「うるさい!」と、なっちゃんが言ってもやめません。頭に来たなっちゃんが「うるさい! やめなさい!」と言えば言うほど、うれしそうにたたきます。

「もう!」と言って少し身体を押しました。

 でも、自分より小さい子なので、いつもとは違って手加減をしています。

 それでもやめないゆうたくん。怒り心頭のなっちゃんは、自分の泥の入った鍋を、ゆうたくんとは反対側に投げつけて去っていきました。

 自分の気持ちを、こんなふうに、相手にぶつけずに処理しているのに感心しました。怒りを他の方向にぶつけてそらすなんて、なんて大きくなったのでしょう。

 ゆうたくんはなっちゃんがいなくなったら、つまらなくなったようで、やめました。そして、次には砂場に並んだプリン型を片っ端からつぶし始めました。

 プリン型の上には花が飾られています。ストップをかけようとするお母さんを制して「1歳は壊すことから始めます。どうなるか、見ましょう?」と提案。

 プリン型を作っていた子どもたちは、すでに違うあそびをしていましたので、けんかになるどころか気づきもしませんでした。こんなもんです。「わたしがつくったのに」と怒ってきたら、それもよしです。

 子ども同士の関わりのはじめは、いい事からスタートするより、けんかや怒りや、物の取り合いなどから始まることが多いものです。

 

池 金曜日は4、5歳児とザリガニ釣りに出かけました。小枝にひもを結び、先端にスルメを結わいて池にたらします。前日来たときはザックザックと捕れたそうですが、この日はいまいちだったようです。

 ザリガニ釣りに燃えている子もいれば、池で「もーもー」と鳴くウシガエルに夢中の子も。あっちで鳴いたこっちで鳴いたと、姿を追い求めます。10匹くらいいました! 

 泣き声をまねする子、つかまえようと池に入り出す子、しゃがんで観察している子、同じ池に行っても様々な子どもの姿でした。
 バケツや枝や網をもった子どもたちと、ぷらりぷらりとおしゃべりしながら歩いている行き帰りもなんとも幸せ気分です。

 

 土曜日はドキュメンタリー映画「さなぎ」〜学校に行きたくない〜を観てきました。

 小学校一年生で不登校になった子の成長を追っていきます。最後のシーンは大学四年生でした。

 横浜・阪東橋のジャック&ベティで二週間やっているそうです。

 終了後、監督三浦淳子さんと数人でお茶をさせていただきました。


 夜は「りんごの木サタデーナイト」で、小西貴士さんのスライドショーと食事をしながらのおしゃべりでした。

 小西さんは清里にあるキープ協会の職員で森の中で子どもたちを保育している方です。自称「カメラマンと保育者の雑種」。

 彼の言葉「子どもは子どもを生きている」、そんな子どもたちの姿をみごとに写真が語ってくれます。福音館「こどものとも」年中向きの6月号が、彼の写真に谷川俊太郎さんがことばをつけて「みてみて!」という作品になりました。


 先週は中身の濃い日々でした。

 さーて、今週末は長崎の図書館に呼んでいただいています。カメラマンの繁延あづささんとの対談を楽しんできます。(5月12日 記) 

 

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