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 今回はちょっと腹立たしく感じていることを書きます。

 

「ひとこと少ないおとなたち」
 親は子どもにひとこと多いのが常ですが、おとなは他の人にひとこと少ないと実感しています。
 先日、長崎に行くために羽田空港に行きました。ぼんやりと動く歩道に立っていたら、後ろから

「通る!」と強い口調で言われてハッとして脇に寄りました。

 今やエスカレーターも動く歩道も、じっと立っている人は左側に、右はさっさと行く人となっています。これもどうも腑に落ちないのですが。それはさておき、確かに歩きたい人にとっては、真ん中にぼんやりしたおばさんが立っていて「まったくー」と思ったのでしょう。

 けど、「すみません」くらい言ったっていいじゃないですか

 そう、気にしてみるとほんとに「すみません」という言葉が聞かれなくなったような気がします。

 次はホテルです。私の部屋は8階でした。

 エレベーターに乗って朝食をいただきに1階に下っていくときに、途中階から人が乗ってきます。「おはようございます」とこちらが声をかければ「おはようございます」と返ってきますが、こちらが言わなければ無言。降りるときに「おさきに」なんて気の利いた言葉はありません。

 なんだか、新聞の投稿欄のようになってきましたが、ここで言いたいのは、子どもには「ありがとう」「ごめんなさい」「おはよう」などと、人に対しての挨拶を強要するのに、肝心のおとなたちはどうなってるんですか! ということなんです。
 2歳児にしつけたいことの三つの中のひとつが「あいさつ」というデータがあります。「三つ子の魂百までも」ということわざがまだ生きていてよく使われていますが、それを「しつけ(あいさつも含めて)」と勘違いしていませんか? 

 幼児のときに挨拶ができたって、こんなものです。幼児が挨拶できなくたって恥ずかしくありません! おとなができないのは恥ずかしいです!

 そして、常にひとこと多い私は、かなり得をしているように思います。思いがけないところで人と繋がったり、頂きものをすることになったり、みなさん「ひとこと多い運動」しませんか? 

 

「親の便利に泣く人がいる」
 もうひとつ腹立たしいのは、保育施設に関してです。
 待機児童ゼロを目指して、どこも保育園設立に躍起になっています。いいんですこれは。けど、新聞読んでいたら、鉄道会社が「構内に保育所、学童開設」とあり、遅くなっても迎えに行くのが便利で好評とあるじゃないですか!
 子どもをなんと心得る。洗濯物じゃあるまいし、帰りにピックアップできて便利ですまされては困ります。
 駅の構内にあるということは、庭どころか交通の激しい繁華街のような場所だということです。親は便利でしょうけれど、預けられる子どもと保育者たちはどうしていると思いますか?
 良心のない保育者は部屋にこもって過ごすでしょうけど、良心的な保育者は、子どもを外で遊ばせたいと思います。公園まで命がけで、子どもを並ばせて、守って連れて行くのです。そんな光景をよく目にします。親たちにとって便利なことばかりで、子どもの育つ環境に目を向けている政策がなされていないです。
 子どもがものを言えないことをいいことに、おとなたちは図に乗りすぎています。
 産休を1年2、3ヶ月で終えて復職する人が多いとも聞きます。仕事場に席がなくなるから、金銭的にという人もいますが、「もう、子どもとだけの生活はたくさん」という声があります。
 確かに、子どもは手がかかり、思うようにいかず、大変です。でも、子どもは大きくなっていきます。そして、だれよりパパ、ママが好きで、あなただけが頼りで、どんな親でも子どもは文句を言わず引き受けてくれています。子どもから育てられていく方がずっと大きいと気づかされるときがきます。
 現代は不妊治療をして、やっと子どもを授かったという方が多くいます。

 子育ては一人では無理で、他の人や地域の人の力を借りなければできないことです。

 保育園ももちろんいいです、一時預かりも使いましょう。でも、子どもから目をそらさずに見て下さい。案外楽しい動物です。

 子どもに目を向けて、子育てを楽しんでほしいと切に願っています。

 それこそ「産んでよかった」と親が言えて、「生まれてきてよかった」と子どもが言えるときがくるように! (5月26日 記) 

 

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