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 幼児や小学生のお母さんたちにお話しする機会には、必ずといっていいほどでる質問があります。

「きょうだいげんか」です。
「毎日のようにきょうだいげんかをするのがいやです。どう仲裁したらいいのでしょう?」というのです。
 仲裁なんかしなければいいのです。
 だいたい、きょうだいにけんかが多いのは、けんかができる間柄なんです。けんかは仲良しでなければできません。ありったけの自分を出すなんて、気心が知れてなければできないのです。

さらに、けんかのあと関係を修復するのが可能な人でないと、ややこしいです。
「ごめんねといわせて、あくしゅをさせるのおとなはすきだよね」と子どもたちは言います。
「好きって訳じゃないんだけど、終わりにしないと気分悪いと思って。子どもはどうしているの?」と聞くと「"いこうぜ!" "あそぼ" "へへへ" でおしまいだな」と言います。
 なるほど、ゴメンねと言い合わなくても元に戻れる関係のある人。きょうだいは最高でしょう。

 

 ところで、けんかの原因を親は追求しますが、あるときもあれば、ないときもあります。

 あってなきがごとしのときもあります。

 物の取り合いが原因かと思えば、その背景には幼稚園や小学校でいやなことがあったのを引きずっているときもあります。つまり、八つ当たり! これは案外多いものです。
 ほら!お母さんがイライラしていたり、嫌なことがあったときに、子どもに怒りっぽいでしょ? あれですよ。
 八つ当たりを引き受けてくれる人がいるなんて、幸せです。
 もう一つ多い原因は、母にあり! です。
 きょうだいって、母の愛を奪い合うライバルでもあるのです。ですから、けんかの仲裁に親が出てきたとたんに「どちらに味方するか」が子どもの関心事。

「おにいちゃんなのに」「おおきいんだから」「ちからがつよいんだから」など、親は正論と思うのでしょうが、子どもにしたらえこひいきとしか思いません。「やっぱり、ぼくより・・・・」となります。
 確かに、上の子は腕力しか勝てないから、腕力を使うけれど、下の子は腕力ではかなわないから、泣く、親に訴える技を持っています。
 従って、これはトントン。
 親としては理由を聞いて、正しい判断をしているつもりでも、子どもにしてみたら、原因は言葉で言えないことも多く、さらに判断はどちらの味方かということになるのです。ですから、かかわらないのが一番。
 物を持っていないか、近くにぶつけたら怪我につながるものがないかを確認したら、ほっておきましょう。
 止めたいときは「うるさい!」「もう、やめなさい!」「いい加減にしなさい!」

「けんかは嫌いだから、あっちにいっています」

「買い物に行ってきます」と姿を消すのも効果的。

 母の姿が見えなくなったとたんに、けんかも終わることが多いものです。
 気の置けない人に思いっきり感情をぶつけるなんて、おとなになってから少なくなっていると思いませんか?
 激しいけんかの後は、気まずい空気はながれるものの、自分の言い分だけでなく相手の気持ちも見えてくるものです。
 私もとーんとやっていない気がするな。

歳をとってまるくなったのか、パワーがなくなったのか… (6月23日 記)

 

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