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 5日の土曜日は運動会の予定でした。怪しい天気だと思いながら、準備を進めていました。金曜日の天気予報では土曜日は雨でした。
 5日でないと参加できない親が数人います。でも、延期予定の12日になると参加できるという人たちもいます。前日の4日に一番組(年長児)のやる気満々の子どもが熱を出して休みでした。
 予定日通りにやりたい気持ちと、あっちを立てればこっちが立たずの人々の顔が、ちらちらとします。でも、私が天気の神さまではないので、思い悩んだところでどうにもなりません。本物の天気の神さまの言うとおりしかないのです。
 いろんな事が便利になった現代。情報が豊かになり、電車を待つことなく乗り継いで出かけられます。人と待ち合わせも、多少場所の行き違いがあっても携帯で連絡を取れば問題ありません。生活環境も然り。
 しかし、どうにもならないのが天気や天災。
 今年は「初めての出来事」という暑さや豪雨、竜巻が次々と起こりました。
 日々の天気予報さえ、なかなか100%当たりはありません。雨か晴れかという小さなことにやきもきするくらいは、まぁいいじゃないかと楽しくもなってきました。

 昔は「晴らしてみせる!」と鼻息荒かった私ですが、今は「どうなるかしら? どっちでも私は大丈夫」と必死にはなりません。ひょっとして、これって、年のせい?
 夜中に何度も外をのぞきました。雨です。
 朝、ざんざん降りで、迷うことなく延期になりました。
 安心して布団に入り、静かな休養日となりました。これもよしだなぁって、思いがけない得をした気分でした。

 

 翌日の日曜日は曇りのち晴れとなりましたが、残念ながら会場がとれていませんから、運動会はお預けです。
 近くの女学校の文化祭に行きました。中学生の卒業生に誘われていたので。彼女はクワイヤー(聖歌隊)に入っていて、30人くらいでミュージカルの歌や賛美歌などをうたいました。
 子どもが一生懸命なにかに取り組んでいる姿を見るのは感動です。その姿を見ていると、不思議と3歳の頃からのことが浮かんでしかたありませんでした。やがて、やっと歌が耳に聞こえてくるようになりました。
 最近、年配者のコーラスしか聴いていない私には、それはそれは美しく澄んだ声でした。若いというのは声帯まできれいに違いありません。選曲もよかったのでしょう。気持ちはどんどん高まり、自然と涙がこぼれていました。
 出演者も最後の曲では感極まったようで、目に涙を浮かべて歌っていました。
 学生時代を充実して楽しんでいる姿は、ほんとにまぶしかったです。
 反面、中学に行けなくなっている子ども、引きこもっている子ども、鬱になっている子どもの事が浮かんできてしまいました。
 そして、昔私が中高生の時、こんなふうに楽しんで過ごしていなかったのではないかと思い出していました。グループが苦手な私は、みんなで力を合わせて充実感を味わった経験をしてこなかった気がします。
 そのとき、そのとき、自分らしく歩んできたということは、それぞれが得てきたこと、こぼしてきたことがあるってことですね。そして、隣の芝生は青い?
 なかなかな休日でした。今週の土曜日は、やっぱり晴れるといいな。(10月6日 記)

 

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