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 12日の運動会は快晴。"秋晴れ"というより"夏晴れ"というほどの天気でした。
 今年も2、3歳児の種目は、子どもたちの普段の様子から保育者が考えました。

 4、5歳児は子どもたちの33のアイディアのなかから残された6種目。「リュック玉集め」「ゴーゴーりんご」「パン食い」「鈴割り」「パレード」「リレー」でした。
 例年、2週間ぐらい前から「運動会をやろう!」と提案し、みんなで考え、ミーティングを重ねて実際に試してみて、種目決定まで一週間。それから練習をして本番を迎えるという進行で進めていきます。ところが、今回は予定の日が雨で一週間の延期となってしまいました。
 保育時間目一杯に練習するようなことはありません。でも、延期になったぶん、走り方やルールはうまくなりましたが、気持ちの盛り上がりは下降気味になっているように感じました。「やりたい」が「やらなくちゃ」に変わってきつつあったように見られます。
 幼児の場合は、時期的なタイミングを見計らうのがむずかしいです。まだ、精神力でコントロールできる年齢ではありませんからね。やる気を継続させながら技を磨くのは、よほどの好きなことに限られていくでしょう。当日、勝った負けたに比較的固執しなかったのも、このことが関係していたかもしれません。

 

 今回、面白かったことをいくつか書いてみます。
 ひとつは、1歳児が登場したことです。りんごの木はいままで2歳児からでしたが、今年度から1歳児親子を始めました。その子どもたちが「パン食い」のパンに向かって走って? 歩いて? いく姿は、ほんとにかわいい! 

 この子どもも、やがて友だちと走るようになり、さらに大きい組の子どものように懸命に走っていく、さらに小学生のリレーの走りのように……と、子どもの育ちの流れを一段と強く感じました。運動会の楽しさのひとつだと思います。

 大きい組の「パレード」は、「どうしてもやりたい」という子どもに引っ張られるように決まった種目でした。
 お姫さまや王子さま、電車やバス、蛇やルパンなどさまざまに変装して、グラウンドをパレードする子どもがいました。
 けれど、そういうのには興味を感じない子どもや抵抗がある子どももいます。

 その子たちの役割は「監督」、出番に声をかけるメガホンを持った「呼ぶ役」、パレードの子どもたちに花吹雪をかける「道具」、音楽に合わせて太鼓を叩いたり自作のマラカスを振ったりする「楽器」(トップページの写真がそれです)、衣装作りの手伝いをする「衣装手伝い」という裏方が登場しました。
 それぞれが自分のやりたいことを分担してひとつの種目にしたのです。
 本来、いろんな性格や感性の人がいます。それぞれが別々の役割を持って、ひとつのことに取り組み、作り上げていくことの楽しさ。集団としてのいい活動だったように思います。

 りんごの木では、普段の保育活動においてもやっていることなので、自然とこういう形になれたのかもしれません。

 もうひとつは、親たちの真剣な姿を、今年も見せてもらいました。チアダンスに参加した人々は、運動会目指して一番練習を積み重ねてきたことでしょう。幼い子を抱えて日々子育てに追われている方、ご主人が転職なさって大変な時期にある方、忙しい仕事の合間をぬっている方……。一生懸命に踊っている姿にそれぞれの背景を思いながら魅せられました。
ちあ 騎馬戦、リレーも親の顔ではなく、夢中にあそぶおとなの姿でした。私ばかりではなく、子どもたちも驚きと喜びとで観戦していました。
 子どもがおとなを眺めるいい機会でした。

 最後はグラウンドに、おとなも子どもも混ざって「ラジオ体操」をしました。おとなにとっては懐かしく、熟知した体操。リーダーは学校で体育の先生をしているお父さんにお願いしました。

 模範を見ながら必死に真似ている子どもたち。おとなも子どもも混ざって、一緒に楽しみを共有したいい運動会だったとさわやかな気持ちになっていました。(10月14日 記)

 

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