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いままで同窓会というものには出てきませんでした。どうも、後ろを振り返るのが好きではなかったし、覚えてもいないし、懐かしいとも思わなかったからです。 ところが、今回中学の同期会に行きました。 心境の変化というわけではないのですが、「ぼくたち、中学を卒業して50年になるんです。だから、同期会をします。ぜひ」という電話をいただいたのです。 確かに15歳で中学を卒業したのですから、50年です! 半世紀? ぎょっとすると同時に、すごい年月を生きてきたという実感がわき、これから先にこんな機会はないかもしれないと思って初参加したわけです。
「ようこちゃん?」 「そうよ!」 「大きくなったねぇ」と言ってしまいました。ようこちゃんは小柄のかわいい人でした。「大きくなったなんて、久しぶりに言ってもらった」と言われてしまいました。 でも、幹事の人が中学の時の顔写真と名札を用意していてくれたので、昔の写真から記憶が少しずつ戻ってきます。 覚えていないのではなく、思い出すきっかけがなかったということのようです。 話しているうちに担任の先生や出来事など、つるつると口から出てきて自分でも驚きました。 近づいてきた人は、面影を残したままのとっちゃんです。でも、当時はずいぶん大きい子だと思っていたのですが、今は普通でした。 とっちゃんは、給食に出た脱脂粉乳のミルクをおいしそうに飲んで、おかわりをしていた子です。とてもおいしいと言える代物ではなく、私は鼻をつまんで飲んでいましたから、「とっちゃんは、すごいなぁ」と感心して見ていたのです。 その話をすると「うち、兄弟多かったから、栄養足りなそうだし、一生懸命飲んでたんだよ」ですって。 男子の方が、面影を残している人が多かったような気がします。 「たしか、細かったよね。細子ってよんでたよね」 「小さかったよね」 「三つ編みの髪が、長かったよね」 「色白でお嬢さんだったね」 「静かな子だったよね」 「たしか、ピアノ弾いたよね?」 卒業式の日に「荒城の月」をふうちゃん(男子)が指揮で私が伴奏でした。練習に音楽の先生の自宅に行った思い出があります。 そして、「アヒルがいる家だったよね」 アヒルを飼っていたことは、何人にも言われました。 不思議ですね、ほとんど正反対の今。 確かに、当時私はまだサナギ状態。私は高校から育った晩熟な子でした。でも、中学はとても楽しかったと感じていたんですけどね。 波瀾万丈だったと語る方、独身でいまから伴侶を探しているという人、孫がいる人もいるかと思えば、子どもがまだ中学生なんていう人も。
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