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 先週、いちばんびっくりしたことは<おとなのガチャガチャが流行っている>ということでした。

 おとな用のものが入ったガチャガチャがあるんですって。TVでやっていました。
 ガチャガチャとは、スーパーやあちらこちらに設置されている200円(昔は100円でしたが)から500円くらいのお金を入れてガチャガチャとハンドルを回すと、カプセルに入ったおもちゃがポンと出てくるものです。

 ほしいものが出てくるとは限らないので、何回も出るまでやる人もいるようです。
 先週のつれづれにも書きましたが、おとなと子どもの文化が同化しているということでしょうか? それとも、子どもの頃にすでにガチャガチャをやってきた年齢の親たちのようですから、幼い頃の郷愁でしょうか? それとも、子どもを卒業できていない?
 卒業しないで、子ども心を持っていることは素敵な大事なことだと思います。

 砂場遊びや泥団子、探検や宝探し……子どもとわくわくを共有できるのは大事なことですし、あそぶことで何歳になっても開放されます。それと、同列のことなのでしょうか?


 昔、私が子どもの頃、両親はおまけ付きのものは買ってくれませんでした。欲しいものは、そのものにちゃんとお金が使われていることが大事で、おまけにお金を使っているものは邪道という考えです。その考えは、すっかり私に染みこんでいます。ですから、欲しくないものが出てくるかもしれないガチャガチャのようなものには、どこかだまされている感があります。でも、たぶん、そういうことではなく、当たるか当たらないかとワクワクドキドキするのが楽しいおもちゃなのでしょう。そう考えると、宝くじのようなものなのかしら。


 番組のなかで、ある市役所にガチャガチャが置かれていて、200円のうち100円は何かの支援金になると言っていました。「子どもも喜ぶし、寄付にもなるからいいですね」と、買っている人のコメントがありました。なんか、違う気がするこの一石二鳥。
 産婦人科に置いてあるガチャガチャは、おみくじみたいになっていて、育児や母乳に関するヒントの紙が入っているのです。「出産したばかりの人は不安が多いから、このコメントが役立つ」とも言っていました。でも、これも、なんか違う気がする。病院なんだから不安は医者や看護師が答えてあげればいいんじゃないの?
「おとなもガチャガチャが好き」の報道を見てほんとにびっくり、私の頭はガチャガチャです。

 

 もうひとつ驚いたことがありました。
 学童保育に小学生を通わせている母親に「学童保育で過ごす時間内で身につけてほしい能力」を聞いたところ「集団生活、集団行動に順応する力」が66%で、最も多かったという新聞記事(11/4毎日新聞首都圏版)です。

「相手の気持ちや立場を理解する力」37%「マナーやあいさつ、礼儀」29%の順だったそうです。
 これにも、驚きました。どんな調査で回答にどんな選択があったのかはさだかではありませんから確かなことはわかりません。でも、これでは、子どもたちは大変です。学校から帰って、学童に行ってもこんなことを期待されるのですから。

 親たちが働くようになって、家に帰る代わりに学童で過ごすのですよね。

 私だったら、家のようにくつろげる場所であってほしい。きょうだいの少ない時代だから、子どもたちがごちゃごちゃとぶつかり合いながら本音のつきあいを知ってほしい。親以外に信頼できるおとなと出会ってほしい。我が子のありのままを大事してもらえたら十分。こんな回答をしたいです。
 そんなに集団行動ができないといけないのでしょうか?

 そうしないと社会で孤立していくのでしょうか? 

 そうしないと学童を追い出されてしまうのでしょうか?

 

 集団、集団といって、一人ひとりの子どもの心を置き去りにしているような気がします。
 ありのままの子どもを受け止めようとしている人は、どこにいるのでしょう。
 ありのままの子どもを信用すれば、子どもはちゃんと感じ、考える人に育っていけるのに、と思います。
 今回は、びっくりを二つでした。(11月10日 記)

 

●講演会のお知らせ。
「こころが軽くなる 子育てのススメ」
講師 柴田愛子
日時 12月20日(金)13:30〜15:00
場所 港北公会堂(横浜市港北区大豆戸町26−1)
   東急東横線「大倉山」駅 徒歩7分
参加費 無料
主催・問い合わせ先 港北区役所総務課庶務係 電話(045)540−2206

 

 

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