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「森のようちえん・第9回全国交流フォーラム2013 in神奈川」が、15〜17日に神奈川県の愛川ふれあいの村でありました。
 今回で私は3回目、16、17日に参加しました。すばらしい秋晴れで、とても気持ちのいい会場。
 参加者は460名ということですが、三日間の日程別の総数は1040人にもなります。北海道から沖縄西表島まで、全国から集まってきています。幼稚園や保育園の保育者、自主保育の人、学校や野外活動の人、子育て中の親、学生、行政関係と様々な子どもの育ちを考えている人たちです。


「森のようちえん」は、北欧に多く見られますが、日本でも子どもと自然にこだわって考えている人たちが多くいます。森の中で施設を持たないでやっているところ、拠点の場所を持ってやっているところ、毎日のところや週に数日のところ。一般的な幼稚園も様々なように、森のようちえんといっても形態は様々です。
 私は「子どもの育ちを援助する大人の役割」というテーマで分科会を担当させていただきました。 また、「こどもこそミライ」の上映をし、筒井監督、森のようちえん「ピッコロ」の中島さんとお話しさせていただきました。みなさん、それはそれは熱心に目と耳を傾けて下さって、その熱に圧倒されそうでした。
 その後、ビッフェ・スタイルの夕食、場所を変えての交流会と続き、就寝は午前1時。

 翌朝は小西貴士さん(つれづれの前々回に紹介させていただいた「子どもは子どもを生きている」の著者)の子ども賛歌のスライドショー。そして、「しぜんとこども」というテーマでのお三人の話があり閉会は午後の1時でした。


 ついつい二日間をたどってしまったのですが、ほんとにいろんな方とお目にかかりました。そして何ともあきれたのが、私って、ずーっとしゃべりっぱなしだったことです。講演はもちろん一人で、時間のありったけしゃべったのですが、その後も、どなたかに声をかけられたり、質問されたり…。

 映画で子どもたちのミーティングが上映されたこともあって、「やっているんですけど、子どもがどうすればあんなにしゃべるんですか?」とか、「うまくいかないんです」とか、「だいたい座っていないんです」と、ミーティングに関しての質問はすごく多かったです。その他にも自主保育のやり方、怪我に関してなど、困っておられることを聞きました。

 そうそう、絵本「けんかのきもち」や「ぼくはいかない」が大好きで読み聞かせをしているけれど私が著者とはしらなかったと隠岐の島の方が声をかけてくれました。
 というようなわけで、私が黙っていたのは寝ている4、5時間の間だけでした。あとはだいたいしゃべりっぱなし。帰宅して感じたことは「ことばの威力」でした。


 子どもと違って、おとなはほとんどコミュニケーションをことばに頼っています。知り合いになるときも、講演も、相談も、共に考えるときも、すべてことばです。

 群れる動物である人間は、ことばを介して繋がっていくということを実感したのです。

 ことばはすごい威力を持っているし、ことばで自分を表現することはすごく大事なこと。人と対話することで思考することも深くなります。まさにりんごの木の保育でやっている「子どものミーティング」が、そのスタートなのだとも思いました。
 小学校が英語を導入することも関係して、幼稚園や保育園も含めて英語教育に力を入れ始めています。英語ができたら英語圏の人々とも会話することができてそれはすばらしいことです。

 でもね。幼児のときに「りんご」を「apple」と言えるよりも「おいしい!」「まずい!」「きれいだね」と気持ちを言えることの方がずっと大事な気がします。

 まずは日本語で自分の気持ちを表現できるようになることの方が、そして、人と繋がることができる会話ができることの方がことばの本質なのではないでしょうか。

 今回は、私が私であることを言葉を使って伝えられることが、すごくうれしいと思いました。
 閉会前の三人の方のおひとりはレイチェル・カーソン日本協会の上遠恵子さんでした。「センス・オブ・ワンダー」を翻訳なさった方です。もう、80歳を越えられていますが、なんとも品があり、それは心地よいおしゃべりでした。爪の垢を煎じても、あんなおしゃべりは私には無理ですけれど、あこがれてしまいます。
 かつて、喉にポリープができてしまったことがありました。ことばを話せる声がでることも改めて感謝しました。(11月18日 記)

 

●講演会のお知らせ。
「こころが軽くなる 子育てのススメ」
講師 柴田愛子
日時 12月20日(金)13:30〜15:00
場所 港北公会堂(横浜市港北区大豆戸町26−1)
   東急東横線「大倉山」駅 徒歩7分
参加費 無料
主催・問い合わせ先 港北区役所総務課庶務係 電話(045)540−2206

 

 

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