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 肌寒くはありますが、秋晴れのいい天気だった金曜日。久しぶりにのんびりした気分で4、5歳児のあそびを見に行きました。
 公園の周りの生け垣の隙間に、赤や青のウレタン・マットを使って砦のようなものがありました。
高さ1メートルくらいの木の上に屋根、まわりに壁を作り、床にもウレタンが敷いてあります。どうみてもホームレスの方のお家?
 たいちくんが寄ってきました。
「まひろは おふろにはいってるんだよ」
 腰を曲げてのぞき込むと、確かに青のウレタンの上にしゃがみ込んでいるまひろくん。へーと感心して見ていると、
「ちゃんとへやがあるんだよ。テレビもあるの」
「こっちからみてごらん」と、生け垣の違うほうに連れて行かれました。木の隙間からのぞくと、画用紙に絵が描いてあるのが貼ってありました。たいちくんとまひろくんは、とても満足げにあそんでいます。
 この遊び方はまさに基地ごっこ。かつては裏山や林のなかでやっていたものですが、今やそんな環境もなく、公園の生け垣。いいぞと思う気持ちと、通行人の大人の顔色も気になってしまう私。ありがたいことにお叱りはうけませんでしたけど・・。

 公園の中では数人がサッカー。ほこりと汗で活気があります。


 室内をのぞいてみたら、水色の蚊帳(かや。一昔前に、蚊に刺されないために、夜寝るときにつるした網のようなもの)が吊り下げられ、魚の形に切った紙も天井から糸でつり下げられています。そう、水族館でした。
 その後、「すいぞっかんをやりますから、みにきてください!」との声かけがありました。チケットと青いセロハンをはった眼鏡が渡され、席に着きました。
 蚊帳の側には、人魚らしき美しく装った子が4、5人固まって座っています。

「どうして、あそこにいるの?」と小声で聞きましたら、

「わるものにつかまってあそこにいるの」
 お客さんもよくご存じで。


 水色のリュックを背負って、小さく丸まっているのはまひろくん? いつのまにかこっちの遊びにも参加していました。亀だそうです。ときどき顔を上げて飼育員から餌をもらっています。飼育員は牛乳パックにひもを通したえさ入れを肩にかけて歩いています。
 さっきまで真剣に縫い物をしていたしげるくんが、勢いよく走っています。さっき作っていたのはライオンのしっぽだったようです。
 それにしても、どうして水族館にライオン?
 いやいやチーターもいます。りゅうしんくんは斑点模様のあるマントを着て、しっぽをつけて走っています。さらに走りながら、まなちゃんが宙に浮かしている輪をくぐります。他の魚やら人間やらも次々走って輪をくぐります。
 しばらくすると音楽がなり、悪い魔法使いから解放されて人魚たちが踊り始めました。
 水族館のようであり、動物園のようでもあり、人魚のお話のようでもあり、いろいろなものがはいったアラカルト。先日水族館に行ったことや、そこで見たアシカショーの輪くぐり、そこから動物の輪くぐりへと想いが移っていったのかしら。

 子どものあそびって、こんなふうに流れながら膨らんでいくんですね。

 この日、やりたくなった子も、もっといい事を考えた子もいました。

 まだまだ発展途上の水族館ごっこのようです。(12月1日 記)

 

●講演会のお知らせ。
「こころが軽くなる 子育てのススメ」
講師 柴田愛子
日時 12月20日(金)13:30〜15:00
場所 港北公会堂(横浜市港北区大豆戸町26−1)
   東急東横線「大倉山」駅 徒歩7分
参加費 無料
主催・問い合わせ先 港北区役所総務課庶務係 電話(045)540−2206

 

 

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