インターネット規制への嫌悪感

更新履歴

98.09.13
ifea.net へのリンクの追加。ENCのレーティング暴露プロジェクトへのリンク追加。
98.05.04
リンクの追加。小修正。
98.05.03
とりあえず自分の過去に書いたメールから適当に編集して並べてみた。 まとまった文になるのはいつのことやら...

基礎知識

盗聴法案の問題は

を参照(このページではまだ扱ってません)。

自主規制ソフトだとかフィルタソフトとか censorwareとか言われるものについての批判は例えば

に詳しい。もちろん、 電子ネットワーク協議会のレーティング に対して、たたきまくりなのは 別室 だ:-)


最近、古新聞な切抜きとかをちらちら見ながら捨てると10年以上前は 上園忠弘教授 (信学会の情報通信倫理研究会(FACE) の副委員長など、 あちこちの学会の「倫理」とか「セキュリティ」関係の委員会の 役員をやっているひと。 城西国際大学経営情報学部) が日本IBMにいたりとかしてへぇとか 思ってみてたんですが、 ああいう「セキュリティ屋」さんの感覚というのはネットワークからは いってそこのセキュリティというのと全然違うんですよね。

露骨に、「社会防衛」みたいなのがミッションですから。 で、その一分野として「ネットワーク」があって、 そのなかの一部にネットワーク屋にとってのセキュリティの話題が 含まれてくる。

「猥褻物が青少年にとって有害」というのに対して、 「なぜ有害?」という問いをこちらが出して、 それに彼らが返答不能であっても彼らはいたくもかゆくもないんですよね。 そんなのは問うべきじゃない前提であって、とにかくそう 「きめてる」から。 ひろのぶさんも講演したことがあるから知ってると思うけど、 http://www.kansa.org/ なところのMLで、そういう方面の話になると一応つっこみいれたり、 flame覚悟で挑発的に問いをだしてみたりしても、そのへんまるっきり 手応えないというか、そういうこと言うと相手にされないみたいな気が。

で、なぜかfirewall業界もそういうセンスのところってあるみたいで。 警備会社の関係会社だったりして。

あのいやな感じってなんなんでしょうね。

News.com やとか Wired NewsCYBERsitter 開発元の mail bomb問題を大きくとりあげてても、 CNET日本語版 だと一行もふれてなくて HotWired日本語版のニュースでも かなりおとなしめの書き方になって、あげくに 毎日新聞サイト じゃパブ記事書いてるしっていう温度差。 アメリカのニュースサイトだとcensorwareに批判的な記事というのは 少なからずあるのに、 日本のニュースサイトや、あるいは紙メディアだと否定的・批判的な記事は (福冨忠和さんとか 小倉利丸さんとか 高間剛典さんの 以外には)ほとんど載らない。 翻訳ですら載らない。 そういう「雰囲気」に共通性を見出すのは陰謀説に過ぎるかな?


で、firewall業界の警備会社ノリって、 日本特有ってわけでもなくて、 International Computer Security Association (ICSA, 旧 National Computer Security Association(NCSA))なんかもそうなんでしょうね。

firewallの業者団体ぽいっけど。 で、ここにその名も Secure Internet Filter Technology Consortium ってcensorwareのコンソーシアムがあったりして、 そこのミッションたるや

Facilitate safe and professional corporate use of the Internet by increasing market awareness of filtering/monitoring technologies, and to improve the quality and credibility of the Internet filtering/monitoring industry.

てな感じで、

by increasing market awareness of filtering/monitoring technologies,

てようするにマッチポンプ。 "Internet Week 97ENC Conference で 私と牧野弁護士だけが ブチブチと批判してたらあんまり時間がなくなったところで、 質問者のふりっぽいサクラが 「未成年者への有害性はNCSAの調査で立証され」云々とか ヒステリックにわめいてたんだけど、 まぁ立証じゃなくて宣伝文句でしょうね。

ただ、ようするにこれがビジネスになってるわけで、 そこらへんから日本のコンピュータ関係のジャーナリズムの大勢で 批判記事書かない背景なんだろうなという。

censorware って、 クライアントマシンにいれるタイプだとわりかしベンチャーっぽい 規模のところ(CYBERsitter 日本語版の アイキュエス なんか典型的)とか、 大きくてもアスキーぐらいのところが扱ってる印象があるけど、 Webの proxy serverとして動作したりとか、 あるいは proxy server のプラグインとして動作するタイプなんてのは、 firewall 商品のオプションだったりするわけで、 そうなると SI(システムインテグレーション)ビジネスのパーツとして 大手電機メーカーもかなり扱ってるって背景があって、 そこらへんから「圧力」があったり、あるいは「遠慮」したりとか、 そういうことってあるんじゃないかと勘ぐってる。そういうことです。

で、こういう状況で、 censorware は公的機関で使うと検閲だとか、 あるいはcensorware はこんなに 「あきらかにブロックされるべきでないもの」をブロックするぞとか、 あるいはブロック基準が差別的だぞとか、 そういうことをいうこと自体はそれはそれで重要だとは思っている (し、私自身機会があるごとに言ってる)んだけれでも、 それをいうことでその種のものの広がりを防ぐ 実効的手段となりえているかというと 全くなりえてないと思ってしまうわけです。 で、何ができるのかという点で何も思い付かずに非常になやましい。


そういえば日本で CyberPatrolを 売ってるのはアスキーだったなと 思って調べたら

http://www.cyberpatrol.solution.ne.jp/
    

が そのページですね。で、そこの

http://www.cyberpatrol.solution.ne.jp/request.htm
    

ところが上記のコンテンツ規制の他に同一トップドメイン内に有害サイトが2 0以上リストアップされた場合、トップドメインそのものを規制対象にすると いう基準があり、内部倫理基準などをお持ちではないISP様の一部は、包括 的に規制対象になってしまう場合があります。
そこで児童等に見せたくないサイトを数多くお持ちのISPの皆様にお願いな のですが、こうした有害サイトを特定のディレクトリー内に集約するなどの対 策例えば http://www.プロバイダ.ne.jp/~adultを講じられることは可能でしょ うか?
独自の分類基準を既にお持ちか、もしくは上記の対策が可能なISPの方は、 本ディレクトリ以下のサイトを規制の対象としてデータベースに登録させてい ただきますので是非下記まで、有害サイトを集約したディレクトリへのURLをご 連絡頂けます様お願い申しあげます。

xとあるように、ISPによるページの検閲を脅しをかけて求めてますね。

ちなみに、

PS:一部のドメインネームに関しましてはユーザからのクレームに基づき 2月末を持ちまして包括規制の対象とさせて頂くこととなっております。

とあるうちの一つは http://www.bekkoame.or.jp/ です。


SAKIYAMA Nobuo
Last modified: Fri Nov 13 03:38:55 JST 1998