機動戦士ガンダム害伝「馬鹿どもの宴」


出演

ナレーション&効果音

ギレン・ザビ
キシリア・ザビ
ドズル・ザビ
ガルマ・ザビ

赤い彗星シャア・アズナブル
紅い稲妻ジョニー・ライデン
白狼シン・マツナガ
ニムバス・シュターゼン

第一話「スキモン・イエモン・バッタモン」


 ここはサイド3・ズムシティ。
 ザビ家が保有する大きな屋敷で今、宴が催されていた。
 サイド5宙域での連邦艦隊との戦闘、いわゆる「ルウム戦役」での勝利を祝う宴である。
 同戦闘で捕虜にした連邦艦隊司令レビル将軍も宴に同席させていた。
 ジオン首脳の考えとしては、自国の兵士たちの覇気を見せ付けると共に、レビルに心底敗北感を植え付けようと画策してのことだったが、一部の兵士たちは「レビルを肴に一杯やろう」とゆうコンセプトだと誤認していた。
 まあ、戦の大勝に比べれば、それも微笑ましい間違いと言えよう。
 そんなこんなで、その宴の模様を以下に記そう。




「お〜う兄者〜。さっさと宴を始めようぜ〜」

「そう急くなドズルよ。こういう宴は、まず始めに開会の挨拶をするものだ」

「お〜そうか。ならば兄者、俺がやろう」

「お前が、か? うむ、まあ良いだろう。やってみせよ。間違ってもこの兄の顔に泥を塗るような醜態だけはさらすなよ」

「所詮挨拶だ、大丈夫。兄者も心配性だな。がーっはっはっは……

 高笑いをしつつ、壇上のマイクへ向かうドズル。



「あ〜今回の戦、皆の者の働きで勝つことができ、たいへん嬉しく思う」

 スタンドからマイクを取り、それを握り締め言う。

「特に、ガイア小隊。通称『黒い三連星』の働きにより、敵将レビルを捕らえることができた」

 そう言って同席させたレビルを指差すと、あちらこちらから歓声が上がる。

「これにより、連邦の士気はガタガタである。それで我らの勝利が一層確固たるものとなったことに、ワシは今、猛烈に感動しておる!」

 言葉通り、ダァーッと感動の涙を流している。それを見て、またも歓声が上がる。特にドズル配下の者は同じように涙を流したりしている。

「ほう、ドズルもやるようになったな」

「さすが、我が弟と言った所でしょう」

「感動したよ兄さん」

 舞台袖で口々に言うザビ兄弟。

「今日は、戦の労をねぎると共に、これからの戦の勝利を祈願するための宴である。各人、思う存分楽しんでくれ」

 その言葉に対しウオーッと歓声が起こる。

「が、あまり羽目を外しすぎ、同席している婦人方に対して<ピーーー>なことや<ピーー>なこと、あまつさえ<ピーー><ピーー>することな――」


 ゴスッ!!


 音も無く舞台袖から風のように現われたギレンが、ドズルのみぞおちに鬼のような一撃を放り込んだ。

「卑猥な事を言うではない!」

「……まったく、愚弟を持つと苦労する」

「兄さん……あなたが一番羽目を外しているよ……」

 などなど手の平を返したように言いつつ、一撃昏倒させられたドズルを場外に運び出すザビ兄弟。




 その騒動に一瞬会場全体が凍り付くが、すぐさま気を取り直し、あちらこちらから談笑する声が聞こえてきた。これぞまさにジオン魂(?)。



 そんな会場の中、とある一角がある意味熱かった。

「ふ、兄弟仲の良いことだ」

「すごい音したが、大丈夫だったのか?」

「ドズル様はあのようなことではビクともせん!」

 いわゆる、エースと呼ばれる者たちがたむろっているのだ。

「いや、しかし『ゴスッ』って」

「ふん、だから貴公は甘いというのだ。ドズル様は、かつて熊と戦ったとか戦わないとかで、カウンターで勝利を得たとか得ないとか……」

「結局、あんたも良くわかってねえんじゃねえのか?」

「…………うおっほん。で、アズナブル殿。先の戦で戦艦五隻撃沈とは、さすがですな」

「いきなり私に話しを振らんでくれ。しかし、そう言うマツナガ殿こそ、かなりの戦績だったと記憶していますが?」

「いやいや、我が戦績など貴公には遠く及びませんぞ」

「俺も三隻沈めたぞ」(ボソッ)

「ほお、ならば貴公にも何か異名が付けられるやも知れぬな。我が『白狼』やアズナブル殿の『赤い彗星』のように」

「ちょっと待て〜い。俺にも『紅い稲妻』とゆう立派な異名がある。もっとも、誰が付けたかは知らんがな。ふっ」

「私に対抗意識を燃やすのも、わからんでもないが……」

「誰がだ! たまたま俺が好きな色なだけだ!

「まあ、そう熱くなるな」

「それにな、あんたは『赤』俺は『紅』だ。この違いを覚えとけ!」

「ふっ、へ理屈もそこまで力強く言い切られると理屈に聞こえる。不思議なものだな……」

きっさま〜。表へ出やがれ! どっちが『アカ』に相応しいか思い知らせてやる! この変態仮面野郎が!」


 ぶち!


「言ってはならんことを……よく聞け! これはザビ家の連中から、私がキャスバルであることを隠すために付けているだけだ! 趣味でもなんでもない!」

 んなこと大声で言っていいのか?

「はっ!? ち、違う。私はキャスバル・レム・ダイクンなどと言う名ではない。シャア・アズナブルだ」

「キャスバル〜? なに訳わからんことを言ってやがる。どうでもいい、さっさと表へ出ろ!」

 このままではジオンが誇るエース二人が激突してしまう。ここは一番の大人であるところを見せるんだ、シン・マツナガ。

「男と男の一騎打ち……これぞまさしく武士魂(もののふだましい)。燃えるシチュエーションと言えよう。あい、わかった。不肖このシン・マツナガ、お二人の立会人を務めさせて頂く!」

 なんか燃えてるし……

「一騎打ち……赤に相応しい……」

 ヌッと男が現われる。

「ならば、この私ニムバス・シュターゼンも参加せねばならんようだな」

「さっきから気になっていたが、貴公何者だ?」

「フ、この私を知らないのか。ならば教えよう。私こそ、誇り高きジオンの騎士ニムバス・シュターゼンだ。ハーッハッハッハ」

 ……………………

「で、そのジオンの騎士が何故、私たちの問題に首を突っ込む?」

「赤い色を巡っての闘いならば、当然この私も闘うが道理」

「今一つ解らんな」

「思い出した。あんた、自分のモビルスーツの肩だけ赤く塗ってる奴だろ」

「そう、その通りだ。やはり高貴なこの私の戦い振りに目を――」

「っざけんじゃねえ! んな中途半端にアカを使うくらいなら、とっととやめちまえ。俺らは、そんな半端な覚悟でアカを使ってんじゃねえんだよ!」

「いや、私は金色も好きだが……」

 ……………………

「なら、俺に譲れ〜〜」

「それはできん!」

「さあ、どうした。誰が赤に選ばれし者なのかさっさと決めようではないか」

にでも塗って『金の彗星』とか名乗りゃいいじゃねえか。まあ聞いただけじゃ『金星なのか水星なのかはっきりしやがれ』とか、言われそうだけどな」

「変えるつもりはない!」

「どうした? この誇り高きジオンの騎士に恐れを成したのか?」

「ちっ、強情な奴だな」

「私情を挟んでいる訳ではない。知名度でも私の方が上だからさ」

「恐れるのも無理の無いことだ。ハーッハッハッハッハ」

「知名度なら、すぐ俺が上になってやるよ」

「キミでは無理だな」

「気にするな恥ずべきことではない。ハーッハッハッハッハ」

「なんで俺じゃ無理なんだ?」

「坊やだからさ」

「ハーッハッハッハッハ」

「なんだと!」

「ハーッハッハッハッハッハ」

「すぐにムキになるようではな……」

「ハーッハッハッハッハッハッハ」

「き、きっさま〜」

「ハーッハッハッハッハッハッハッハ」

「ふっ」

「ハーッハッハッハッハッハッハッハッハ」

「お前さっきからうっさいわ! !」


 スパーン!


第一話 完  


あとがき

 さて、いかがだったでしょうか? おバカガンダム小説、いや、ここは敢えて「小話」にしとこう。
 前から、こんなキャラクター座談会みたいなのを書いてみたくて、ついにやりました。
 原案自体は、かつて書いた「機動戦士ガンダム外伝W〜戦慄のクルー〜」「機動戦士ガンダム外伝X〜アホを受け継ぐ者〜」と同時期に思いついたんだけど、なかなか書き出せなくて、今になってやっと書きました。
 結局は基本を踏襲したボケ・ツッコミ話になりましたが、これが僕の基本型みたいなもんだからね、これでいいんじゃないかと……まあ、一応、話しのテンポ、テンションは気を付けながら書いたつもりです。
 テンション高い話しなど今まであまり書いたことがなかったから、是非書きたかった。
 そう思ったキッカケは、ずいぶん前に、友人のS氏の「仮面ヨ○ダー」を読んだ時、「このテンポの良さやテンションの高さは僕には出せねえ」と思いまして、それに触発されたカタチで今回のを思いついた訳です。
 ま、少しはあれに追いついたのかどうか……

 話の内容に触れておこう。
 とりあえず、マイナーなキャラを出しときました。
 「ギレンの野望」なんかで、ある程度知られるようにはなったかも知れませんが、まだまだ、アナベル・ガトー程も知られてないでしょう。
 そうゆうことで、マイナーキャラ救済計画と共に、マイナーなだけにある程度性格をいじってもOK!かと思い使いました。
 まあ、やはりS氏に言わせれば「なんでライデンとマツナガにこだわってんねん」とか、いつだか言われたことをまた言われそうですが、それが、使った理由七割くらい占めるので反論の余地はないっすね。
 次回は有名どころの、青い巨星や黒い三連星など出すつもりです。

 あと、見りゃ分かるとおり、題名は「すきもんクエスト」から持って来たんで、次回も何話からか持ってくるつもりです。(内容と題名は異なる場合がありますが)
 では、次回(予告はない!)もよろしく。