第15話『日本語禁止ホール』
今を遡ること二千年前……。“鬼”と呼ばれた男が居た。彼の名は『ベージョ』。ちなみに漢字で書くと『米助』となる。
彼の仕事は常に完璧で、いついかなる事態が起きようと、冷静沈着に行動できる男であった。とはいえ、彼の仕事に対する情熱が乏しいという訳ではない。いやむしろ、彼程に自分の仕事に情熱を、そして誇りを持って望んでいる者は、断言してもいい。……皆無であっただろう。
『彼は常に突撃隊の先鋒として我々に多くのものをもたらしてくれた』
この言葉は、後の大善寺貴光、山城権兵衛(当時31歳、TV局ディレクター)のものだ《『大善寺と12人の若者たち〜人類を造ったGENERATION〜』(岩脈文庫)より一部抜粋》
この他にも、山城氏はこんな事まで言っている。
『あいつは寝ない男だったね。夜は本業があるだろ。で、朝から昼までやる副業の寄席のネタづくりは、毎日徹夜してたからね』(同上)
『ベージョの好きなこと……? ……うーん……食べることだよなぁ、やっぱ』(同上)
『ごめんちょっとトイレ行ってきていい?』(同上)
『面ー!! 虎手ーッッ!!』(道場)
『これが命のだし』(道場六○郎)
『えー? これって、TV? ……えー? なんだ、ちがうの〜?』(渋谷の女子高生、Aさん)
このように、彼は意外と我々にとって親しみやすい存在であったようだ。では、彼の仕事ぶりをVTRで見てみよう。
―――「ベージョさーん!!」
「はい、ベージョの突撃!! 隣の晩餐会!! 今日は尾井市、州五区に来ていま〜す! では、早速最初のお宅に参りましょう!!」
……
「こちらのお宅にしましょう。SIMO……さんですね」
ピンポーン。………………ガチャ。
「ウガァァ〜〜〜〜ッッ!!(肉だー!)」
ガッ、バリッ、グシャッ、……ムシャムシャ。
……ピーガリガリ。
(画面)「しばらくお待ち下さい」
……
「えー、突然ですが、これ以上は放送することができなくなりました。尚、番組の中で大変お見苦しい映像があった事を深くおわび致します。この次は『さんま、たけし、所 BIG3ゴルフ対決』です。今回も日本語禁止ホールでさんまさんは苦戦するのでしょうか? 番組の最後にはプレゼントのお知らせがあります」
次回予告:愛という心の泉が枯れ果てた時、男は女を捨てた。
女は、愛というスケッチブックに未来という絵を描ききれずに自ら、死を決意する……
次回『生ぬる〜い』でトゥギャザーしようぜ!!
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