第20話『俺の尻に念仏』


「ここや、このあたりのはずや」
「ホントでピンク〜?」
 大将の言葉に怪訝そうに眉をしかめるピンク。タロット山荘で得た情報に従いこの森に来ていた。ここには、かつて一大勢力を誇った帝国の首都があったとゆう。町の名はグラインスバルト。一夜にして地上から住民と共に姿を消した町である。
 それゆえ人はこう呼ぶ……「幻の都グラインスバルト」と……
 そんな所に何の用があるのかと言うと。すでに見失いかけていた「旅の目的」を果たすため、役立つものがあるからであった。
 だから来ていた、大将、ピンクそして、慎一は…………んっ?
「なんで、お前が一緒におんねん!!」
「はははは、いやだなあ。三人でどうにか順子から逃げ出したんじゃないか」
「そりゃ、あんたサイドの問題でピンク!!」
「わしらは関係あれへんわっ、ボケェ!」
 そう言いつつ大将は、試作ハリセン三号機で慎一の頭をはたく。
「まあ丁度ええわ。お前にも町の入口探すの手伝ってもらうで」
 そうは言っても、辺り一面見渡す限り木、き、キ、右見ても左見ても木しか見えない。
「おいおいおい、ここに町があったのは大昔の話だよ」
「一般的には確かにそうや。でもなぁ、地下に町が広がっとるゆう話もあんねん。実際そこからもたらされた技術が今の生活に役立てられ――」
「おっ? お前ら!?」
 慎一の疑問に答える大将の言葉をさえぎって、森の奥から男の声が響いた。
「ん? ヤニ男!」
 声の聞こえた方を三人が向くと、そこに立っていたのは紛れも無くヤニ男だった。
「久し振りだな。こんな所で出くわすとは、つくづくお前らすきもんだな」
「好きでこないなトコおるかい! わしら幻の都の入口探しに来とんねん」
「ああ、そうゆうことか。俺もそうだ、散々探したけど見つからん」
 疲れたようにドカッと腰を下ろし、タバコを出しながらヤニ男が言う。
「ま、せいぜいガンバレよ。俺は休む」
「まかせるでピンク〜。元盗賊のチカラ見せるでピンク」
 それから、八時間後。
「あかん。全然見つかれへん」
 額に汗を浮かべた大将がうんざりと呟く。他の二人も、念入りに地面を探してるのか、単にへたばって倒れているのかよく分からない。
「あぁぁぁっ! 見ぃ〜〜〜っけ!!」
 突然そんな声を発した奴がいた。どうやら休んでいたはずのヤニ男だ。
「ワリぃ。俺がケツに敷いてた」

 次回予告:ついに幻の都へと入る五人……って一人増えてるぅ!
      そこで手に入れる、旅に必要なものとは!?
      次回『こんがり狐色』で、あ〜れ〜お戯れを〜

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