朝食を食べながら、松山千春のビデオを観る。
これはたしかNHKが放送したスタジオライブを録画したものだ。
いまさら松山千春かと笑うかもしれないが
私が松山千春を好きになったのは最近だ。
まさに食わず嫌いだった。
彼の唄には惹かれるものがあったが、
昔は彼の乱暴な口調が嫌いで、唄も聴かなかった。
私にはそういうところがある。
まずかたちが出来ていないと駄目なのだ。
それが、なにかの番組で彼が語っていることを聞いて好きになった。
このビデオのなかでも、いろいろなことを語っているが
千春が自分の父親のことを語っている部分が好きだ。
千春の父親は北海道の地方で小さい新聞を発行していたらしい。
全然売れずに家は貧しかったと。
寒い北海道で、ろくに暖房も出来なかったと。
その父親が、毎晩千春ら子供たちに
今日世の中では、世界ではこんなことがありました。
と新聞を読んで聞かせたという。
寒い家の中で、しかしとても暖かい空間だったと千春は語る。
理想を信じて生きた父親を見て育って、
あの松山千春がいる。 

私は娘たちにとってどんな父親なんだろうか。
モノを与えているだけで、いい気になっていないか。
もの心ついてから、娘たちはあんまり近寄ってこないから。
父親としては寂しいのだが、
あまり話をする機会がない。
こっちから仕掛けても、逃げてしまう(苦笑) 

二人とも、コンピューターに縁のある仕事をしているのは
家でPCばかりいじくっている私の影響なのかなと、
密かに嬉しい気持ちはある。
厳しい仕事だが、真面目に働いている。
次女なんかSEだから、毎晩10時くらいまで会社に居る。
それでも、仕事面白いかと聞くと、ニコニコしている。
そんなところで、父親として救いを見出している?(笑) 

千春のステージ。
マイクの前で腰掛けて唄っている千春。
その横に、一輪の赤い薔薇。
これは、千春の始めてのコンサートのとき、
彼を世の中に送り出してくれた
北海道のテレビ局のプロジューサーの人が、
殺風景だからと、薔薇を一輪飾ってくれたのだと。
その方は若くして亡くなってしまったそうだ。
それで千春は、いまでも薔薇を飾るのだと。








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       松山千春の父      2002.4.29