日曜の朝に家を出て、京都に向う。
月曜の朝から京都で仕事なので、せっかくと思いネットで親しくなった京都の人に
「13日だったら何かないかな・・・」と聞いたら、
「祇園祭だよ、13日だったらもう鉾が出来てて、灯が入ってお囃子もやってるよ・・・」と教えてくれた。
貴重な地元情報であり、即決(笑)
とても良かったので、すごく感謝してます。 

午後一時に京都駅に降りてすぐに本屋に駆け込む。
土曜に自宅近くのわりと大きな本屋なのだが、祇園祭をうまく解説した本を探したが見つからなかった。
ネットの友達からの情報とか、ネットで調べてだいたいの場所とかは掴んであったが、やはり解説本が欲しかった。
京都の本屋では、さすがに良いのがあり助かった。 

それから地下鉄で「四条」まで。
地下鉄の駅から地上に出ると、大通りに鉾があるのがいきなり目に飛び込んできた。
感激である。
「めちゃくちゃ高い」というのが感想。
山車から上に伸びている鉾が、呆れるほど長いのだ。
すぐに出くわした、お目当ての一つ「月鉾」は矛先に大きな三日月が、雨の中でも燦然と輝いている。
本によれば、18金なそうな。
また、この鉾は円山応挙の絵、左甚五郎の彫刻などすごい装飾で人気が高い鉾なのだ。

    


  


しばらくは、ぶらぶらと歩く。
だいたいの勘で歩き回って、出くわした鉾の名前から
頭の中に全体の地図が出来上がっていく。 

最初に行こうと決めていたのは、「菊水鉾」
ところが通りを一つ間違えていて「南観音山」が
まだ組み立て中のところに出くわした。
しばらく組立作業を見ていた。
これは、なかなか珍しく、見ていて面白かった。
縄で結んで組んでいくのだが、縄の結び模様が実に綺麗。
これも「巧み」の技だ。

    
                      一番水引を取り付けているところ。           この原画が近くに飾ってあったが、なんと大好きな京都の画家
                                                 加山又造さんの絵だった。


いよいよ「菊水鉾」
まずは粽を買う。
粽は食べるものだと思っていたら、ネットで調べて知ったのだが、これを門口に吊るしておくのだそうだ。
「無病息災」の厄除け。
我が家の女紋は菊水なので、ここの粽を我が家のお守りに求めていくつもりだった。
そして粽を買うと、鉾に上がらせてくれるのだ(嬉)
もちろん、子供のように喜んで上がった。
「菊水鉾」の天井には竜の絵が一杯に描かれていた。
上から通りを見下ろすと、やはり気分がよろしい(笑)

  


      
                                 「菊水鉾」の粽。

     


 なにをやってるのかな・・・・と覗いてみたら、案の状携帯の写真を(笑)


そのあと、脇のテントの中で雨宿りと休憩を兼ねて土地の人たちの話をしばらく聞いていた。
お年寄りがいろいろな鉾の説明をしてくれた。
別格なのが「長刀鉾」で、唯一お稚児さんが乗り、必ず先頭を行くことに決まっていると本で読んでいたので、
「長刀鉾は、そんなにすごいの」と聞いてみた。
「そりゃあ、そうさ。行ってみればわかるが、重要文化財が三つも飾ってあるよ」
「だいたい、向こうは菊のご紋だ。これは(菊水鉾を指差して)半分の菊じゃないか」
確かにそうだ。参った。そう言われると菊水の紋はたしかに菊半分である。
ムカついたが、事実だから仕方ない・・・・(笑)


そのあと、もちろん「長刀鉾」に行った。
鉾先には長刀がすっくと立ち、天に突き刺さっている。
聞いてみたら、粽でなくても何か買えば乗せてくれるというので、長刀鉾全景の手ぬぐいやら、
ポストカードやら記念に買って乗せてもらった。
こちらは、横の町家の二階から橋をかけて鉾に渡るようにしていた。
さすがに立派な鉾。
天井には、ぐるりと周囲に金具鋲で星座の模様。
信長の時代に作ったものだから、星座とは感心してしまう。

  
                              この長刀は絶対に刃先が八坂神社に向かないようにしているとか。


  
                                    天井をぐるりと星座がめぐっている。


   


いちおう、昼の部はこれでおしまいにして、夜の灯が入ってからを楽しみに
ホテルに引き上げた。 

ホテルで一時間半ほど仮眠して、夕食食べて夜の部だ・・・・と。

ところが、すごい雨(泣)
参ったな・・・・
仕方なく、駅ビルのなかで、夕食をとり様子見。
まったく止む気配がないので、長刀鉾が置いてあるところは歩道がアーケードになっていたのを思い出し、
そこに向かった。
地下鉄降りて、地上に出て鉾の提灯を見たら、また感激。




あっちこっちから写真を撮る。
夜になったら、お囃子をやっている。
だから鉾に上がれるのは、昼間だけということになる。
昼間のうちに来て、よかった(嬉)

    





お囃子が、またいいもんだ。
雨は、まだまだ降っているし、手持ち無沙汰なので
アーケードの下を河原町のほうにぶらぶら歩いた。
もう八時を回っているのに、大丸デパートが開いていたので
つい、ふらふらと。
受付の案内嬢が浴衣姿である。
感心。

  


 立派な長刀鉾のミニチュア。


雨の中なのに、浴衣のひとが多いのにも感心していた。
あとで同じ会社の京都の人に聞いたら、宵山、宵々山の歩行者天国のときは
三分の一が浴衣だとのこと。




錦市場の入り口の辺で、いいお土産屋さんがあったので
のんびりと買い物。 



立派なミニチュアをまた見つけた。右から長刀鉾、函谷鉾、月鉾・・・・・・

やっと雨が小降りになったので
他の鉾を見て歩いた。
どの鉾も熱心にお囃子の練習に余念が無い。

  


いろいろ見て、写真も撮って、疲れて。
結局鉾の横にテントがあって、腰掛けてのんびり出来るのは菊水鉾だった。
ここでのんびりお囃子を聴いた。

 


       
                              菊水鉾のお囃子の練習を熱心に聴いているので、おそらく家族だろう。

九時半ころ、お囃子が終わって、周りで聴いていた家族たちと引き上げて
いったので、私もホテルに帰る気になった。 

雨で見事な織物の飾りは、ビニールに覆われてよく見えなかったのは
残念だった。
そのかわり人が少なく、鉾の横でのんびり出来たのはよかった。
華麗な鉾の巡幸や引き回しなどは、いつか絶対に見よう。
今回は、鉾の間近でのんびり過ごせて、親しめて
すごく楽しかった。






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お気に入りの場・祭り編


訪問:2003. 7.13



京都祇園祭り

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