今日のチャーミー

去年のチャーミー


なぜそんなにがんばるの? 4月26日 水曜日


チャーは相変わらずふらふらである。
おすわりをしていても、頭がゆらゆら揺れている。
それでも、きちんと座ろうとする。

私が会いに行けば、立ち上がってお出迎えしてくれる。
呼ぶと、そばにくる。

気分が悪くなると、そっと私のそばを離れて、こっそりと吐いている。
そして、何事もなかったように、わたしに擦り寄る彼。


犬は、飼い主に死に目を見せないと言う。

彼のこの行動は、そんな犬の気質から来るものなのか。

常に、きちんとしていようとする。
だるいのに、だるそうな態度をしない。
寝てれば良いのに、起きてくる。
誰かが来れば吠える。

血の気はまったくなく、真っ白な顔をしているのに。

なぜ?なぜそんなにがんばるの?
あなたの、そのボロボロな体のどこから、そんな力が出てくるの?


これが本当の愛? 4月25日 火曜日


日曜日の夜。
突然電話が鳴った。

父である。

「チャーミーが!チャーミーが倒れた!」
「えっ???」

突然のコトで何がなんだかさっぱりわからないのと、お酒をたくさん飲んで酔っ払ってるのとで、頭の中は混乱しまくっていた。

「倒れたって?倒れたってなに?」
「パタッて倒れたんだ!倒れたまんま動かないんだよ!」
「動かないってどういうことよ?」
「息はしてる。息はしてるんだけど意識がない。」
「なに。なんで。どうして。ちょっと。やだ。」

父娘二人で電話で慌てて会話成立せず。

「今から、受話器をチャーミーの耳にあてるから、おまえなんかしゃべれ。」
「え?なに。」

「えっと。チャー?チャー?大丈夫?しっかりしなさい?チャー?聞こえる???」

「起きた!起きたよ!起きあがったよ!」
「え?ほんと?」
「もう一回やるからな!」
「うん。」

「チャー?チャーミー?ママだよー?がんばるんだよ。明日行くからね。」

「立ったぞ。立ったぞ。顔色も良くなってきた!」
「よかった。」
「とりあえずは、大丈夫みたいだけど、病院に連れて行かないとな。」
「うん。明日連れてく。」
「んじゃ。ありがとな。じゃーな。」
「うん。」

電話は切れた。

あたしは、やるせない気持ちになった。
電話ごしのあたしの声で立ちあがったチャー。
あたしは、アイツのことを可愛いとは思うけれど、生活の全てじゃない。
なのに、チャーにとっては、アイツにとっては、あたしは全てなんだ。
体全部で愛しているんだ。

あたしは、どうにもならない気持ちでたまらなくなって、そのまま突っ伏して泣き崩れた。


必死 11月5日 金曜日


彼はなんだかいつも必死である。
こないだ実家に帰ったら、またまた外のサークルに入れられていた。
何度も言うが、彼はここが大嫌い。
ついでに夜も大嫌い。

時 夕方6時。
お外まっくら。

彼は、狂犬と化していた。


ワヲーーワヲーー
(出せ〜 出せ〜)


あらまっちゃ。また入れられちゃったのね。



ガウガウガウ
(いいから出せ〜)


はいはい。

しかし、暗闇なので、あたしはなかなか鍵をうまく外せない。



ガツ ガツ ガツ



ちょっと!ただでさえ頭悪いんだから頭突きしなさんなって。
脳細胞死ぬよ!



ガツ ガツ ガーツ
(聞いてない)



やっと1分くらいかかって外すことができ、10cmくらい扉を開けた瞬間、



ガツ ズルッ ドスッ ガリッ よた ガツ ぼてっ 
ごろんごろんごろん




扉に頭をぶつけ、
その衝撃が足に来てコケ、
反対側の壁にぶち当たり、
コンクリートでひざをすりむき、
よたよたしながらも立ち上がり、
また扉に突進して行き、
またぶち当たって転び、
その勢いでサークルの扉を突破し、(開いてたけど)
庭の真ん中までごろんごろんと転がって行った。



(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。)


あまりのことに、なにも言う気が起きず、ただ彼の次なる行動を待っていた。


すたっ
ずだだだだだだ
ごちーん
ごん
どってーん
すたっ
ずだだだだだだ
ゴツ
びたーーん


何事もなかったかのように立ち上がり、
彼の愛する家の中へと突進し、(ドアが開いていた)
玄関にある鉄の柱に頭をぶつけ、
その反動で、開いていた玄関のドアに頭をぶつけ、
足をすべらせコケて、
また何事もなかったかのように立ち上がり、
家の中へ突進し、
何かにぶつかり、激しくコケたようだ。(ここは見えなかった)



家の中へ急いで走って行くと、

へらへら笑ってこっちを向いて座ってるチャ―がいた。。。。


欲求不満 10月22日 金曜日


ただいま、あほ犬発情期中。
通い妻もおらず、病気をしたため、種付けもさせてもらえず、彼は、たぶん一生チェリー君。

そんな可哀相な彼は、欲求不満。
毎日、人の足にしがみついては、わっせわっせと腰を動かしている。
これは、オス犬を飼った人なら、必ず経験してることだと思うし、メス犬でも、実はマウンティングしたりする。
まぁ、半分冗談みたいなつもりなのだろう。<メス犬のマウンティング

しかし、犬というのは、ほんと人間みたい。
笑っちゃいます。

先日、早朝、チャーミーはぐっすりおやすみ中であった。
寝言や寝ぼけて足をバタバタさせたりするのは、毎度のことなのだが、なんか変な声出してる。

気になった父は、チャーをじーーっと見ていた。。。
すると、


ドビュッッッ



チソチソからなんか飛んだ。。。
そばににじり寄って、飛んだものを見つめる父。

しょんべんじゃないよな。。。?

そう。それはしょんべんではなかった。
そう。彼は夢精をしたのだ。
あの変な声は、ヨガリ声だったのか。

嗚呼。たまってるのね。(合掌)
君が犬じゃなかったら、相手してあげたのに。(ぉぃ)


あほ犬決定 9月16日 木曜日


昨日の朝のこと。
昨日は敬老の日でお休みだったので、だーりんと朝、チャーのとこへ行った。
すると、お庭に出されていた。

というよりも、庭の奥にチャー用のサークルがあるのだが、そこに入れられていた。
去年、そうじするときにおりに入れる話にも書いたが、彼はこのサークルが大嫌いなのだ。

あたしたちが、門から庭に入っていくと、チャーのわめき声が聞こえてきた。

「あれ。おりに入ってる。」

2人して、そうつぶやいた後、大笑いした。

彼は、サークルの中で、あたしたちに「出してくれ!出してくれ!」コールを大声で送っていた。
走り回りながら、出してくれ〜!!!と叫んでいた。

でも、、、、チャーミー君?

サークルの入口開いてるよ?

くっくっくっく

いつも、閉まってて出れないから、きっと今日も閉められたのだと勘違いしたのでしょう。
めさめさ、ドアの開いている横で、「出れないよ〜!!出せ〜!!!」と騒いでるチャーは、本物のあほ犬でした。


チャーミーFIGHT! 9月10日 金曜日


今年の4月。チャーミーが発病した。
病名は、自己免疫性悪性貧血とかいう病気だ。

これは、自分の血液を抗原と勘違いして、どんどん自分で攻撃して壊してしまい、貧血になるという救いようの無い病気である。

あたしは、結婚準備やら何やらで、ほとんど彼をかまってなかった。
お散歩には行ってたが、その他はさっぱりかまってなかった。

ある日の夕方、散歩をしていたら、血尿をした。
びっくりして、すぐに病院に連れていったところ、上の病名を言われたのだ。

原因不明。
治療法は手探り。

ホルモン剤のステロイドを大量に飲ませ、彼の体の免疫を弱め、血液を破壊しないようにする、という治療法を行っている。

一時は回復し、元気を取り戻した。
元気を取り戻したら、私はまた安心して、チャーをほったらかしにした。
結婚してから私があまり顔を出さなくなったせいか、また具合が悪くなっていった。
すると、チャーの具合が悪いとその度に連絡が入る。
病院に連れて行くと、

「仮病ですね。」

「は?」

なんてことが、数回。
だから、あたしは、チャーはもう平気なんだと勝手に思っていた。
獣医さんは、一生付き合っていく病気だと言っていたのにもかかわらず。
そして、チャーもとても元気になったかに見えたのだ。

私は、新しい生活のことで精いっぱいで、チャーのことを考える余裕がなかった。

妊娠が分かってしばらくして、チャーが倒れた。
輸血2回。
入院生活。

でも、私はチャーに触れることはできない。(おなかの赤ちゃんに影響があると困るので)

自分を責めた。

流産。

チャーを晴れて触れるようになった私は、毎朝毎晩、仕事の前と後にチャーのところ(実家)へ今通っている。
休みの日も、だーりんと毎朝毎晩チャーのところへ行く。

彼は日増しに元気になり、今では走ることもできるようになった。

ただ、抗がん剤のためにあのふさふさだった毛が抜けて、ところどころハゲていることと、触るとすごく骨張っているところが、病気の重さを感じさせる。

犬は裏切らない。裏切るのは人間なのだ。

彼が一心に愛し、信頼している母親が、自分の前から姿を消した。
それは、こんなにも体をいじめてしまうほど、彼にとってつらいことだったのだろうか?

そんないじらしいチャーが不憫で、私はここのところでチャーをだいぶ甘やかしてしまった。
だから、彼は今めたくそ甘ったれ。
自分でご飯を食べない。
誰かの手からじゃないと食べなくなった。
遊び食いをするようになった。

最悪だ。

おまえ。。。体重が元に戻ったら、ただじゃ置かないからなっ。待ってろよ。(キラーン)