麻布十番の燕
ある日、妻が僕にこう言った。
妻「ねえ、燕っていつ頃の鳥?」
即答できなかった。確か、燕は5月から初夏にかけて日本にいる、渡り鳥だったよね。
そんなうろ覚えの知識で返答したあと、僕は聞いた。
僕「何でそんなこと聞くの?」
妻「あのね、麻布十番に燕がいるの。でね、燕の巣があって雛がいるの。もう結構大きいんだけど。
  でもね、雛が落ちないように傘がついてるんだよ。優しいんだよ。」
僕「へえ。。。。」

翌日だったろうか、昼食に行く道すがら、「あ、ここだよ」という妻の声。
場所は叙々苑麻布1号店の並び、オープンカフェYou-Heの前くらい。
運送屋さん(?)の車庫の上の天井付近にその燕の巣はあった。
そして、確かにビニール傘がさかさまにつけてある。

巣には、もう大人じゃないの?と思えるようなやや大きめの雛たち。
ものの本では、3月〜5月にかけて日本全土に渡来し、秋には南方に向けて旅立つ、とある。
麻布十番生まれのこと雛たちも、きっと、もうすぐ巣立っていくんだろう。
小さな傘に込められた人間の愛情なんか、きっと覚えていない、かな?

でも、ちょっといい気持ちがした。
撮影:umi(ピントが来てなくて失礼!)