和歌山城でのこと
(2003年10月24日)
今日、初めて和歌山に行って来ました。
とある案件の提案をしてきたのです。
和歌山市に行くには、関西空港を使います。
関西空港から和歌山市までは約30Km。
大阪までが約60Kmですから、実は和歌山の方がずっと近いのです。

しっかり和歌山ラーメンも食べました。
とんこつ醤油の「中華そば」が当地の主流です。
テーブルには「早ずし」と呼ばれる鯖の押し寿司が置いてあって、
客は勝手にそれを食べて、後で勘定のときに自己申告します。
これも忘れられた感覚でした。

仕事も終え、僕たちは折角来たからという理由だけで、
和歌山城の天守閣を目指しました。
徳川御三家の紀州藩の居城だけになかなか壮麗なお城です。

天守閣近辺では多くの人々が写真を撮ったり、
飲み物を飲んだりと、良くある観光地の時間が流れていました。

そこに突然響き渡った悲鳴。
何か獣の鳴き声のように感じました。
僕はその声がする方向に歩き出しました。
声の主は子猫でした。
最近は野生化した犬や猫がお城に住み着いて
公園を荒らすので、市役所も対応に苦慮していると後で聞きました。
しかし、そのとき目の前の光景は紛れもなく
小さな子猫が捕らえられ、必死に抗っている姿だったのです。

悲痛な声を聞き、僕は本当に形容しがたい気持ちになりました。
どんな表情を浮かべていたのか、
同行した人が「もう行きましょう」と促し、
僕は混乱した心持のまま帰途につきました。
しかし砂利に顔を押し付けられていた子猫の姿が
記憶から消えることはありませんでした。
(撮影:SO505i)